初めてのkiss

あたしの記憶

あたしは今だからこそ、あの時の間違えがわかる気がする。

4年前あたしはまだ中学1年生だった。その頃のあたしは元気で明るい所が取り柄のごく普通の女の子。

「ゆこ!!おっはよ~♪」その声であたしは振り返った。
振り返ると、大親友の愛が手を振っていた。

五十嵐 愛
頭がよく、スポーツもできて男子にもモテモテ!!
それに優しくて頼れる存在。

あたしは手を振りかえした。
「ゆこ~、今日の放課後遊ぼ~♪」あたしは「うん」と言って教室に向かった・ ・ ・

愛とあたしは小学からのおさななじみってヤツ
でも、愛の家は困る事なんてないぐらいスッゴイお金持ちなのに
なんであたしなんかと友達なんだろうって思ってしまう・ ・ ・。
だって、愛はカワイイし頭もよくてモテモテなのにあたしは頭は悪いし、
男子からモテる事もない。
そんなあたしでも、愛は友達でいてくれた。
だから、愛のためだったら何でもできると思っていた。

やっと学校も終わり、愛とカラオケに行くことにした。
部屋へ行くと、たくさんの人がいて「早く座って座って~」と言われ愛とあたしは座った。

そこにいた男子のほとんどは愛目当てで来ていたため、すごく愛に優しくしていた。
それを見たあたしは、むなしくなりため息をついた・ ・ ・。
愛には悪いと思ったけど、帰りたくなったから「もう、帰るね」っと言ってあたしは部屋を出た。

一人寂しく歩いてると後ろから声がした。
振り返ると一人の男子がこちらへ走ってきて、「ゆこ、帰るんだったら帰るって言えよ!!」っと少し怒り気味で言われた・ ・ ・。
あたしは、「だって、そろそろ親に怒られるから」と嘘をついた。本当はむなしくなったからだったけど、本当の事なんて言えなかった。
でも、あいつ・・・信吾は気づいていた。だって、「家まで送る」って言ってくれたから・ ・  ・。

それから信吾はあたしに気を遣ってくれた。だからあたしも信吾にだけは気を許せた。
今日の帰りも信吾と一緒に帰って楽しい時間を過ごすはずだった。
でも今日は違った・ ・ ・。

いつもと変わらず下駄箱で待っていてくれた信吾。
あたしは少し不安だった。でも、信吾の顔を見た瞬間に不安なんてどっかにいってしまった。
でも今日は道が違うと思いつつ、信吾についていくあたし。
「ゆこ、今日俺ん家においで!」とイキナリ言われたあたしは少し戸惑ったが、信吾だったら大丈夫!!と思ってついていった。
「ここだよ」と言われ、ついたところは高級マンションだった。
あたしは「おじゃまします。」と言って中に入った。

中はかなり広く、あたしがぼぅっと眺めていると・ ・ ・。
後ろから信吾が抱きついてきて、「好きだよ」って言われた。
あたしはドキドキしすぎて言葉が出てこなかった。
信吾は、顔を覗き込むようにして「キスしてもいい??」って聞いてきた。あたしは反射的に目をつぶってしまった・ ・ ・。
その時、何か柔らかい物が触れた。それが信吾の唇って事を理解するまで時間がかかった。
でも、確かに信吾とキスをした。

初めてのkiss

初めてのkiss

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-12-24

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