喪失のシミュレーション

もう、
焚べるものがない
何も思いだせない

深さがなく
広さもない、そんな場所で僕は
僕は、

お前は、
奪っていく、人知れず溫ていた
なけなしの光を
明日を

生きたことがないのに死に損なっている
要らないものばかり拾い集めていた
罰か、ああ
まだ一つ残っていたな、焚べるものが

ここに

喪失のシミュレーション

喪失のシミュレーション

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-10-20

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