激痛
凡ゆる輪郭が痛み、揺らぐ。現実が現実であることをやめようとしている。増殖する罅、笑い、太陽。漆黒の太陽。頭が割れるように痛い、痛い。過度に痛がるお前は生きたことがない、生きたことがないお前は月光のようだ。欺瞞には限界がある、限界を欺くことは罪悪だ、しかし欺くことは信じることより容易だ、少なくとも私には。少なくとも私には痛みがある、痛みがある私には愛することができるかもしれない、何を?何もかもを。何もかもを愛する、即ち穢すことができる、少なくとも私には。しかし……しかし、愛するからといってそれが一体何だというんだ?寧ろ、過度に痛がることの方が人間的ではないか?私はもはや生も死も通り過ぎた場所にいた。今やすべてが一致していた。私は痛みに対してもはや何の思いも抱いていなかった、いや、最初から何の思いも抱いていなかったのかもしれない。頭が割れ、宇宙が氾濫する。現実は現実であることをやめた。私は愛という悪事から足を洗った。されどなお増殖する罅、笑い、太陽。
激痛