偏執的な展覧会

(えら)ばなかった真実だけで創られた人間が

私の眼窩(がんか)にいて、眼窩の底にいて、私の

眼球に悪戯(いたずら)をして愉しんでいる。(すべ)ては

代替可能な(まやか)し。この世の(あら)ゆる人間は

瞞しの蒐集者(コレクター)、精神に飢餓を(きた)した犬。

犬どもは対象をこれでもかというほどに

(ねぶ)り、喰らう。総ては使い捨ての瞞し。

持続するものを何一つ持たない者たちの

生を、生者を、生命を侮辱する者たちの

滅びゆく者たちの、快楽主義的な劇場(テアトル)

偏執的な展覧会

偏執的な展覧会

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-10-08

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