アナザー・ライフ ~another・life~ Numberⅴ
アナザー・ライフ ~another・life~ Numberⅴ
『思い』
∝
『あんた、バカじゃないの?』
また聞こえた。聞いたことのある声。
――何?また来て。あんたの目的は何?
『私?私は、あんたの中に入りたいだけなの』
言っている意味がわからない。『入りたいだけ』?
――はぁ?意味が分からないよ、ちゃんと教えてよ。こっちにもわかるようにさ。
『ああ、そろそろあんたが「覚める」ようだね。また来るよ、理亜。今度こそ、「ドラゴンバースト」を成功させろよ?』
――えっ!もう行っちゃうの!?ちょっと、待ちなさいよ!ねえ!なんであんたが「ドラゴンバースト」のこと・・・。
意識がはっきりとしてきた。
∝
「大丈夫か、理亜」
「黎穏・・・!」
「うおっ!なんだよ、いきなり!!」
抱きついてしまう理亜。さっきの突然の出来事に、頭がついていけない。
「理亜・・・?大丈夫か?」
黎穏が優しく、慰めてくれるように言ってくれた。
「ひっっ、ひっっ・・・みんながぁ・・・敵だったなんて・・・」
「大丈夫。オレたちは、味方だから」
その言葉が、今の理亜にとって、救いの言葉に思えた。
「うん、ありがとう・・・」
少し眠くなった。疲れたのだろう。黎穏は、今の理亜を少し、そっとしておくことにした。
「理亜・・・ゴメンな」
黎穏は、そっと、優しく、理亜の髪を撫でた。
∝
「「お嬢様ぁぁぁぁぁ!!!!」」
その頃、炎龍軍の城では。ギンやレン達が城の周り、城の中、裏庭など、理亜を探し回っていた。
城の中。
「どうしよう・・・、何でお嬢様が・・・」
ギンは慌てていた。焦りだけが募っていく。呼吸が速くなっていく。上手に息が吸えなくなる。何も考えられなくなって--・・・。
「ギン!!!」
「レ、レン・・・」
レンが、我を取り戻してくれた。呼吸が少しずつ安定していく。このタイミングで、ギンは『自分がとても焦っていた』といたことがわかった。
「大丈夫?焦っていたよ?一回、落ち着いて状況を整理しよう?」
「そ、そうですね・・・」
はぁ~。と一回深呼吸して、ギンは前へ進みだした。
城の周り〈近辺〉。
「く、くそっ・・・」
炎龍軍騎士団特攻隊隊長レベウンは、周りを見渡しながら、「チッ」と舌打ちをした。
「レベウン隊長、こっちには手がかりが・・・」
部下が言う。レベウンは、頭の回転をフル回転させて、すぐに判断を下した。
「よし、次はあっちに・・・。行くぞ」
「ハッ」
--姫様、どこにいらっしゃるのですか・・・?
∝
「ん?風が妙につめてーな。何かあったのか?」
俺は、風に話しかけた。風は、強い。深くかぶっているフードが脱げそうになる。
<黒龍軍と炎龍軍に何かあったらしいよ--?>
「何だって・・・っ」
信じられない。
「クソッ・・・!!」
俺は地面を思いっきり蹴った。フードや俺の服が揺れる。聞いている音楽も俺のでかい心臓の音で聞こえなくなる。
--母さん・・・!!!
焦りが出てきた。
∝
「理亜?聞いているか?」
「?・・・あ!うん、聞いているよ大丈夫」
はっきり言うと、考え事をしていた。
今まで敵だ、襲的だ、悪だなどと思っていた黒龍軍が、本当は自分の見方だったとは、考えてもいなかった。それで、自分の味方だと思っていた炎龍軍が敵だったという、この展開に誰が予想していたのだろう。
また、あの優しかった龍が「ドラゴンバースト」でリュウテンになった瞬間、うちを殺したくなったということが考えられる。そんなに、人(人というか、妖怪っぽいけど)の考えは変わるものなのか?そこも、どうも気になってしまう。
でも、黒龍の人たちは、「気にしなくたって大丈夫だよ」などと、優しく答えてくれる。
こんなに気の利く人たちだったんだ。と理亜は勘違いしていたと改めて思ってしまう。
でも、時々自分の考えが合っているのかなと疑問を持ってしまう。もしかしたら、うまく自分を利用しているだけかもしれない・・・。とも考えてしまうときもある。
でも、今は気にしないでいるけれども・・・。
もしかしたら・・・、というときもあるかもしれない。
「理亜?本当に大丈夫かよ?」
「大丈夫だって」
--また考え事をしちゃった・・・。
はぁ・・・。一つ、小さなため息をした。
「じゃあ、今から、見せてやるよ。黒龍軍を」
「うん!」
手を握ってくれた。それにうちは、応える。いや、今の黎穏の気持ちに応えたい。
希望に満ちたこの黒龍軍でうちは頑張って、きちんと生きたいと思った。
目の前に鮮やかな町並みが広がる。
うちは、胸を、声を弾ませて前に進んでいった。
∝
「はぁ・・・はぁ・・・」
俺は、やっと。炎龍軍の城の目の前に着いた。
みんながここに来るのかと思った。歓迎してくれて、「や、やめろよ・・・」とか言いたかった。
だが。
なんだこの状況は。こんな緊迫の状態の城は見たことも、聞いたこともない。
俺は、まさか・・・と思った。
風の噂は、本当だったのか・・・。
〈だから、言ったじゃない〉
そんな声が頭の中を廻る。
そんな思いを募らせ、何も考えられなかったとき。
聞こえたこの言葉。
『お嬢様!!どこです!?』
汗が、地面に滴れ落ちた。
アナザー・ライフ ~another・life~ Numberⅴ
また、少し長めに・・・!
こんちわ!燐です☆
昨日は、『青エク』の劇場版公開日でしたね!
早速、見に行ってきましたよ☆
楽しかったなぁ・・・(*゚▽゚*)
まあ、その話は置いといて・・・。
なんか、『俺』っていう人が出てきましたね・・・。
その人は、鍵を握っています( *`ω´)!!
決して、「カンケーねぇーや」とか、思わないでくださいね!?
ではでは、また次の話で(。・ ω<)ゞ