アナザー・ライフ ~another・life~ Numberⅴ

アナザー・ライフ ~another・life~ Numberⅴ

『思い』

『あんた、バカじゃないの?』

また聞こえた。聞いたことのある声。

――何?また来て。あんたの目的は何?

『私?私は、あんたの中に入りたいだけなの』

言っている意味がわからない。『入りたいだけ』?

――はぁ?意味が分からないよ、ちゃんと教えてよ。こっちにもわかるようにさ。

『ああ、そろそろあんたが「覚める」ようだね。また来るよ、理亜。今度こそ、「ドラゴンバースト」を成功させろよ?』

――えっ!もう行っちゃうの!?ちょっと、待ちなさいよ!ねえ!なんであんたが「ドラゴンバースト」のこと・・・。

意識がはっきりとしてきた。

「大丈夫か、理亜」

「黎穏・・・!」

「うおっ!なんだよ、いきなり!!」

抱きついてしまう理亜。さっきの突然の出来事に、頭がついていけない。

「理亜・・・?大丈夫か?」

黎穏が優しく、慰めてくれるように言ってくれた。

「ひっっ、ひっっ・・・みんながぁ・・・敵だったなんて・・・」

「大丈夫。オレたちは、味方だから」

その言葉が、今の理亜にとって、救いの言葉に思えた。

「うん、ありがとう・・・」

少し眠くなった。疲れたのだろう。黎穏は、今の理亜を少し、そっとしておくことにした。

「理亜・・・ゴメンな」

黎穏は、そっと、優しく、理亜の髪を撫でた。

「「お嬢様ぁぁぁぁぁ!!!!」」

その頃、炎龍軍の城では。ギンやレン達が城の周り、城の中、裏庭など、理亜を探し回っていた。

城の中。

「どうしよう・・・、何でお嬢様が・・・」

ギンは慌てていた。焦りだけが募っていく。呼吸が速くなっていく。上手に息が吸えなくなる。何も考えられなくなって--・・・。

「ギン!!!」

「レ、レン・・・」

レンが、我を取り戻してくれた。呼吸が少しずつ安定していく。このタイミングで、ギンは『自分がとても焦っていた』といたことがわかった。

「大丈夫?焦っていたよ?一回、落ち着いて状況を整理しよう?」

「そ、そうですね・・・」

はぁ~。と一回深呼吸して、ギンは前へ進みだした。

城の周り〈近辺〉。

「く、くそっ・・・」

炎龍軍騎士団特攻隊隊長レベウンは、周りを見渡しながら、「チッ」と舌打ちをした。

「レベウン隊長、こっちには手がかりが・・・」

部下が言う。レベウンは、頭の回転をフル回転させて、すぐに判断を下した。

「よし、次はあっちに・・・。行くぞ」

「ハッ」

--姫様、どこにいらっしゃるのですか・・・?

「ん?風が妙につめてーな。何かあったのか?」

俺は、風に話しかけた。風は、強い。深くかぶっているフードが脱げそうになる。

<黒龍軍と炎龍軍に何かあったらしいよ--?>

「何だって・・・っ」

信じられない。

「クソッ・・・!!」

俺は地面を思いっきり蹴った。フードや俺の服が揺れる。聞いている音楽も俺のでかい心臓の音で聞こえなくなる。


--母さん・・・!!!

焦りが出てきた。

「理亜?聞いているか?」

「?・・・あ!うん、聞いているよ大丈夫」

はっきり言うと、考え事をしていた。

今まで敵だ、襲的だ、悪だなどと思っていた黒龍軍が、本当は自分の見方だったとは、考えてもいなかった。それで、自分の味方だと思っていた炎龍軍が敵だったという、この展開に誰が予想していたのだろう。

また、あの優しかった龍が「ドラゴンバースト」でリュウテンになった瞬間、うちを殺したくなったということが考えられる。そんなに、人(人というか、妖怪っぽいけど)の考えは変わるものなのか?そこも、どうも気になってしまう。

でも、黒龍の人たちは、「気にしなくたって大丈夫だよ」などと、優しく答えてくれる。

こんなに気の利く人たちだったんだ。と理亜は勘違いしていたと改めて思ってしまう。

でも、時々自分の考えが合っているのかなと疑問を持ってしまう。もしかしたら、うまく自分を利用しているだけかもしれない・・・。とも考えてしまうときもある。

でも、今は気にしないでいるけれども・・・。

もしかしたら・・・、というときもあるかもしれない。

「理亜?本当に大丈夫かよ?」

「大丈夫だって」

--また考え事をしちゃった・・・。

はぁ・・・。一つ、小さなため息をした。

「じゃあ、今から、見せてやるよ。黒龍軍を」

「うん!」

手を握ってくれた。それにうちは、応える。いや、今の黎穏の気持ちに応えたい。

希望に満ちたこの黒龍軍でうちは頑張って、きちんと生きたいと思った。

目の前に鮮やかな町並みが広がる。

うちは、胸を、声を弾ませて前に進んでいった。

「はぁ・・・はぁ・・・」

俺は、やっと。炎龍軍の城の目の前に着いた。

みんながここに来るのかと思った。歓迎してくれて、「や、やめろよ・・・」とか言いたかった。

だが。

なんだこの状況は。こんな緊迫の状態の城は見たことも、聞いたこともない。

俺は、まさか・・・と思った。

風の噂は、本当だったのか・・・。

〈だから、言ったじゃない〉

そんな声が頭の中を廻る。

そんな思いを募らせ、何も考えられなかったとき。

聞こえたこの言葉。


『お嬢様!!どこです!?』


汗が、地面に滴れ落ちた。

アナザー・ライフ ~another・life~ Numberⅴ

また、少し長めに・・・!

こんちわ!燐です☆

昨日は、『青エク』の劇場版公開日でしたね!

早速、見に行ってきましたよ☆

楽しかったなぁ・・・(*゚▽゚*)

まあ、その話は置いといて・・・。

なんか、『俺』っていう人が出てきましたね・・・。

その人は、鍵を握っています( *`ω´)!!

決して、「カンケーねぇーや」とか、思わないでくださいね!?

ではでは、また次の話で(。・ ω<)ゞ

アナザー・ライフ ~another・life~ Numberⅴ

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-12-23

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