片恋鎮魂歌の十四行詩
星々に死の弧を曳き連なる死者たちの壮麗な瞼、
わが眸はそが瞼の向う側を想い歌を放つも失墜、
失墜亦失墜さればちかと赫々たる燦り毀す夜天、
天地は転回しわが身墜落し銀と群青に呑まれる、
わが身其処を漂い故郷の馥郁と拡がる薫を聴く、
銀と群青の色彩はpsychedelicにどぎつく音交り、
悉くの統治者・死に侍り整列される如く真白へ、
どっと流れ込み乾いた硝子盤に光のみ反映して、
わが翳はその面をうっすらと辷り泳ぎ夢をみて、
地に遺された片想いの黒猫を夢と指で描き歌う、
私の敬いを自然に呼吸する黒猫は気儘に月棲み、
わが半身は人魚の鱗とし硝子盤に反映と結ばれ、
わが半身は黒猫への片恋に熱っぽく脹れ緊縛し、
人魚には魂が不在で唯泡沫へ霧消を俟つ身の私。
片恋鎮魂歌の十四行詩