自選短歌 2022年9月

全粒粉パンを選んで秋を待つ色づくものの少ない街で

面影となってイチゴは輝けどジャムの甘さは砂糖の甘さ

九十九(つづら)折りの山道を登るバスに乗り生まれる前からある墓へ行く

負け越した地元力士を見たあとでお仏壇からおはぎを下げる

春菊が多すぎるのは事実だが春菊鍋と呼ぶべきじゃない

長月のたちまち終わる夕暮れに誰かわたしを探してほしい

自選短歌 2022年9月

自選短歌 2022年9月

2022年9月に「うたの日」で発表した短歌からの自選6首です。

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-10-02

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