泣き笑い

 はらはらと 砂が頬から上澄みし、
 やつれた笑みと 毀れるように、涙とともに、
 泣き笑いに吊られた 賤しきわたし、
 からからからと乾いた笑いに 躰をふるわせる。

 とめどなく涙は流れつづけ、しかし
 その自己憐憫に浸るわたし そのわたしを
 どこまでも卑しみ、侮り、滑稽だと嗤い慈しむ、
 何故といい その不幸を選んだのはわたしだから。

 今宵もわたし、わが頸を罰して、
 首吊り自殺を夢みて睡る、喉元にはわたしの守護したいもの、
 憎しむものが宿り籠り──泣き笑いはとまらない。

 今宵もわたし、砂と表出した期待の心を、
 さらさらと溢し剥ぎ落すがように、諦念に泥濘、わが肉は
 泣き笑いに引き攣られる、「我」が「わたし」を裏切らぬように。

泣き笑い

泣き笑い

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-10-01

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