九月の別れ
あおい はる
(さよなら、だいすきだった、だれか)宇宙の果てで、空想にひたってたい、と思ったときの、たいしておおきくもない町の、休日故に、ひとがあつまってしまっただけの、なんだか物足りなさを感じるショッピングモールにて。ざわめきが、からだのなかの、膵臓や、胃なんかみたいには、なまえのない、やわらかい部分に無遠慮に触れてくる。となりにいたはずの、ネムが、捕まえた蝶をあのこの胸元に転写して、いつのまにか、だれかの神さまになっていると気づいた日。
九月の別れ
あおい はる
(さよなら、だいすきだった、だれか)宇宙の果てで、空想にひたってたい、と思ったときの、たいしておおきくもない町の、休日故に、ひとがあつまってしまっただけの、なんだか物足りなさを感じるショッピングモールにて。ざわめきが、からだのなかの、膵臓や、胃なんかみたいには、なまえのない、やわらかい部分に無遠慮に触れてくる。となりにいたはずの、ネムが、捕まえた蝶をあのこの胸元に転写して、いつのまにか、だれかの神さまになっていると気づいた日。
九月の別れ