タクシードライバー
改めて暗殺した彼の映像を見てみると、
デニーロのタクシードライバーの演説を眺めているモヒカンの頭の主人公のシーンを思い出した。
腕組みをして演説を聴きながら大統領候補者の暗殺を狙っている彼の姿と重なった。
映画では、この暗殺に失敗した主人公は、売春宿に殴り込んで、未成年の売春婦を救いだし、その事によってマスコミからヒーロー視される。
その主人公と、
暗殺を実行して現行犯逮捕された彼と、現実の違いはあるのにしても、
二人が対象を狙った動機は、曖昧だ。
曖昧だけど、なんだか似ているように感じられる。
この曖昧な動機の中で庶民は、国葬に反対している。
それに対して為政者は、強引に国葬を執り行おうとしている。
最大派閥の代表が殺されたのだから、
その派閥の人々のご機嫌をとりながら、政権運営やら、自分の在任期間やら、この次の党首選挙やら、考えなきゃならないのは、大人の事情という事もわからないではないけれども、
せめて柩の中の思い出の品としてあのマスクは入れたのかな?
タクシードライバー