ば ら ば ら
おわりが、はじまりだと気づいたとき。夏はもう、すぐそこで虫の息。はんぶんにんげん、はんぶんけものの、あのひとが、ぼくらのために祈るという行為をおぼえて、夜ごと、海のほとりで祈っている。そのあいだに、改造されて、傷つかないからだとなった、ぼくらは決して、かわいそうないきものなんかではなく、ふてぶてしく、やわらかい肉体だった頃よりも、ずうずうしく、にんげんだけにあたえられたものを駆使して、ひとつの生命として、星の一部としてのあらゆる営みを、純粋に愉しんでいる。
歪み。
齟齬であふれる、現代。
しにかけのひまわりに、キスをするということ。
月がとろけてゆらめく、海面から、ぼくだけのオルカがときどき、かおをのぞかせて、いろいろと心配しているよ、と言ってくれる。なんとなく憂鬱な、九月の夜のこと。
ば ら ば ら