秋、うら若き季節の円舞

 眞夏の陽盛りに斃れた 真摯な若者たちが重なって、
 死際の声を間延びさせるように そが翳を歌と曳いている、
 頭上には重たい秋が蔽い被さる、柔くなった陽、
 澄明に硬化された骸は 責めるように射しこまれている、

 頭上には重たい秋が蔽い被さる、柔くなった陽、
 硬質な陰翳とし侍らされた、死者等の生の迷路を明瞭にする、
 真夏の陽盛りに斃れた 真摯な若者たちが重なって、
 すでに往って了った季節の命 はや投槍にズタ袋へ抛られた、

 すでに往って了った季節の命 はや投槍にズタ袋へ抛られた、
 頭上には重たい秋が蔽い被さる、柔くなった陽が、
 凝固した追憶を熔かし、僕はそれ言葉という硝子細工に嵌めもする、

 澄明に硬化された骸は 責めるように射しこまれている、
 それ後ろめたさと後ろ髪引かれる弱さ、曰く秋に映える橙の罪だ、
 頭上には重たい秋が蔽い被さる──向こう側は何時でも無辜らしい。

秋、うら若き季節の円舞

秋、うら若き季節の円舞

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-09-19

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