中心

立体から平面へと焼き付けられる
それは切り取られた魂の一部
ものには無尽蔵に魂があるというのなら
撮られても撮られても失わないね
それが許可ではないはずなのに

ボタン一つで精巧な写し絵
誰だって楽をしたがるから
誰だって共有したがるから

耳障りなシャッター音と不快な笑い声

サイレンはかき消された
割れた果実 冷たいを現像
無様な行進は泥棒となり
晴れやかな曇天を網膜に焼き付けた
消えゆく晴れやかな神様は誰の目にも映らない
誰の眼にも映らない

中心

中心

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-09-18

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted