選択と海岸線

僕らの出会いは必然だった
なんて言ったら君は怒るかな
君は運命のような言葉を嫌っていたから

一体いつからこんなになっちゃったんだろう
僕は君に影響を受けすぎたのかもしれない
運に任せて適当に生きていた僕が
いつしか人生選択主義者

君がいなくなったのも君の選択かな
そうやって逃避するだけなら僕にもできた
沖に流されるボトルの中の手紙
心を閉じ込めるために未来を捨てたんだ

できることなら僕らの関係に
名前なんて付けたくないよ
だから戻ってきて
いくら言っても届かないし
返信だってもう来ない

海沿いに立つ女の子が走った砂浜
数分後には消える足跡が綺麗だったから
つい僕もその跡を追ってしまったけど
途中で君に拒絶されたみたいに
その足跡は波に攫われてなくなった

僕は間違えたから
生きるのも、君との出会いも
出会わなければ今頃はって
これも君は怒るだろうね

自分のために生きる
そんな選択以外は駄目だって
他でもなく君が教えてくれた
僕の選択を

起こったことも起こしたことも
すべてを愛するという、僕の選択を。

選択と海岸線

選択と海岸線

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-09-18

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