非日常クリスマススペシャル

わけわからないです

ホンキートンクウィメン

いとこはゲイだ。
なのに『小学生6年生』の読者モデルの女の子と付き合ってる。
俺は右腕にポセイドンのイレズミを彫った。
いとこに「読者モデルの子とどこまで進んでるの」って無粋なことを聞いたら、
彼は「分かりやすくアルファベットで言えば、G」って笑顔で答えてくれた。
「ひらがなでいうと『ぬ』やな。やるやん」
俺はアルファベットの意味がわからないので、適当に返した。
「ああ、そうやな」
どうやら通じたらしい。
俺は左腕にもマーメイドのイレズミを彫って、「マチュア」となずけた。
先週だったか、いとこと小学生のカップルがうちにきた。
小学生は俺の冷蔵庫を開けて、そのなかに生卵一パック10個入り(未開封)があったんだけど、その生卵をパックの上から指で押さえて一つ一つ割りやがった。
「なんで割ったんだ!」
って俺がキレると
「割らないと食べられないでしょ」
って言い返してきた。
なるほど。でも小学生は生卵を食べずに帰りやがった。
その日から、俺は頭を生卵のようにツルツルに丸めた。
今週もカップルはうちにきた。
生卵は隠したし(靴箱にてシューキーパーとしてカモフラージュされてる)
アルファベットの意味も勉強した。
「Gはゴマ豆腐のP!」
そう言いながらカップルはストッキングのなかにゴマ豆腐をいれると振り回し始めた。
もちろん遠心力で液体になったゴマ豆腐が家中に飛び散った。
うちをめちゃくちゃにしてカップルは帰った。
Gまで進んでるカップルはすごい。俺はそう思った。

おしまい。

いや、今回はまだおしまわない。
ゴマ豆腐の経験から、俺は肩パットととげバットを装備するようになった。
そして、今日はクリスマス。
なぜか、いとこカップルはうちに来る。
俺は両腕彫り物だらけでスキンヘッドで世紀末状態だ。
こんな俺にもクリスマスはやってきて、楽しませてくれるという。
楽しみな楽しみなクリスマスなのだった。
「生卵わりたーい♪」
「私、ロリコンでゲイなの♪」
「ヒャッハークリスマスは楽しいぜ!」

おしまい
サカモト先生の次回作にご期待ください。

非日常クリスマススペシャル

つづく

非日常クリスマススペシャル

気づいたら変でした。

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日
2012-12-21

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