志願兵

愛がまだ僕を生かしてくれるのならあんなふうに貪り食ったりなどしない
何かできることがあるのならもっともっともっと……

桜を見たときに浮かぶ季節
遥か遠くへ手紙にのせて
手を振りながら振り返った
もうそこには誰もいないと知りながら

愛がまだここに残っているのなら駆けろ彼方へ
今を掴んで研ぎ澄ませ青くもっともっともっと……

メトロノームの針が永遠な気がしても磨り減っているのだ
僕は消しゴムみたいに使われて
止まるまで足掻き続けろ
それを忘れたら
おしまいなんだ

異国の地下鉄で激しくドアを閉められるような
あの歌の運河の橋で知らない風を胸に閉じ込めるような
眠りについて眠れないときに抱きしめる新しい匂いだとか

きっと忘れてしまえば僕はただの骨
何も残せない墓地の一部になるだろう

もっと都会で踊りたい
もっとみんなと駆け落ちしたい
もっとみんなとつながりたい

劇的なそんな現実を覚えのない記憶を
くりだしていこう
じゃなきゃ僕は死ぬんだ

忘れられないそんなみんなの神経にこびりつく
異物になってやるよ

じゃなきゃ僕はただの死人になってしまうから

もっと都会で踊りたい
もっとみんなと駆け落ちしたい
もっとみんなと楽しいことしたい

忘れられないものになるために

志願兵

志願兵

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-08-28

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