失明
噓のような空に旎く、
噓のような雲。
何を重ねようが虚しいだけ、私の眼は
虚しさを映しつづけるだけ。
私には帰る場所がなかった、外部にも
内部にも。傷害と治癒の反復が、
反復だけが人生なのだとしたら、
私は生きたことがないことになる
死産されていたことになる、私は
物言わぬ、底なしの
忘れられていく不在。
嘗て私は愛を愛していたはずだった。
昨日の空を覚えている者などいない、
と、ある者は言った。だが私の眼は
私以外の眼にも映されたこれまでの
あらゆる空を映すことができた。
失明
噓のような空に旎く、
噓のような雲。
何を重ねようが虚しいだけ、私の眼は
虚しさを映しつづけるだけ。
私には帰る場所がなかった、外部にも
内部にも。傷害と治癒の反復が、
反復だけが人生なのだとしたら、
私は生きたことがないことになる
死産されていたことになる、私は
物言わぬ、底なしの
忘れられていく不在。
嘗て私は愛を愛していたはずだった。
昨日の空を覚えている者などいない、
と、ある者は言った。だが私の眼は
私以外の眼にも映されたこれまでの
あらゆる空を映すことができた。
失明