駅振れて

つまらないものは要らない
何色にも塗り潰した
駅と、駅の あいだの空白
斜めになった
世界は せまい
ゆるく締め付ける
果てのない空網 切り捨てろ
選ばれた訳でもなく
叫んでいる
裁きをくだせ、と
意識を捧げる
(途切れないように
(研ぎ澄まされた

瞳をこらして
幾重にも聖別されたまま
初めて血が通っていく
鮮やかな春の訪れに立ち尽くす

駅振れて

駅振れて

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-08-22

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