ヒステリック サマー ヌード
(ねむいね)テレパシーみたいに、からだのなかからきこえる、だれかの声と、おわりかけのひまわり。横たわり、そのまま、土に還ってゆくのだろう。ここさいきんの、かなしいというきもちをかきあつめて、燃やして、灰にして、きみが、海に撒いた。ふつりあいな、七センチのヒールを砂に沈めて、きみが、なにかを叫びながら、海に撒いた。空には、未確認飛行物体的な、光が、ときどき、瞬いた。むかし好きだったひとが弾いていた、ギターの音色を思い出すとき、心臓はいつもかってに、ふるえている。ビーチサンダルをぬいで、わたしは、もう、かげもかたちもない、たくさんのかなしみの感触をたしかめるように、波を蹴り、飛沫を立てた。
夜明けのバケモノが、わたしたちをみている。
ヒステリック サマー ヌード