匿名の歌
おんなじお歌をうたいましょう、
おんなじお歌をうたいましょう、
心に睡る水晶の 駆け墜ちるような短調の、
翳曳く音韻重ねましょう、光と香気は昇るでしょう、
おんなじお歌をうたいましょう、
おんなじお歌をうたいましょう、
ほら 古いお石に刻まれてる、みんなに睡る無個性な歌
まるでぼく等のお歌に似てる、おんなじメロディ喉から昇る。
さて ぼく等、ましろいお花畑に墜落しました、
銀の蜘蛛の巣 青みのゆらめき うつろう陰翳のアイボリー
真白のアネモネの淋しさは ぼく等のお歌に磨かれました、
おんなじお歌をうたいましょう、
おんなじお歌をうたいましょう、
駆け墜ちるように歌っては、翔べない翼をはたはたしましょう。
匿名の歌