虚無と稲妻

 穿たれたような 群青の視界…
 それ しろく鋭い霞に褪せて往きます、
 ゆらゆれ 死の翳泡立ち 幻に霧のかかります、
 そこに青みの花視えた? 虚空に拭われ消えちまったか?

 地獄の悪魔の電流に 引かれ攣られたわが魂…
 それ 眸に地獄の景色こそ、美しくも視せるのだった、
 まっさらな神経向かれた如く うつろう虚無の白
 そこに蒼銀の城立てた? いんや、さかしまに沈めたさァ。

 僕ははや 昔のわたしなぞではない、
 世界が のっぺりと煙りうねる陰翳に視える、
 秩序から魂墜落し ひとの身振を模してもいる。

 僕はだから、つぎ天の稲妻浴びてもみたく、
 サイケな血潮の色彩触れるも、焦がれつづけているは、
 象牙の雪の風景に、青い地獄の花、落つる薫と音楽さ。

虚無と稲妻

虚無と稲妻

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-08-17

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