虚無と稲妻
穿たれたような 群青の視界…
それ しろく鋭い霞に褪せて往きます、
ゆらゆれ 死の翳泡立ち 幻に霧のかかります、
そこに青みの花視えた? 虚空に拭われ消えちまったか?
地獄の悪魔の電流に 引かれ攣られたわが魂…
それ 眸に地獄の景色こそ、美しくも視せるのだった、
まっさらな神経向かれた如く うつろう虚無の白
そこに蒼銀の城立てた? いんや、さかしまに沈めたさァ。
僕ははや 昔のわたしなぞではない、
世界が のっぺりと煙りうねる陰翳に視える、
秩序から魂墜落し ひとの身振を模してもいる。
僕はだから、つぎ天の稲妻浴びてもみたく、
サイケな血潮の色彩触れるも、焦がれつづけているは、
象牙の雪の風景に、青い地獄の花、落つる薫と音楽さ。
虚無と稲妻