八月のエレメント
たわむれに、星の表皮を剥ぐ。ざんこくなあのこたち。きれいなものだけで築き上げられた、にんげん、という、じぶんたちは選ばれし者と思いこんでいる生命体の街が、いずれは滅びるとき、そのときは、ああ、つまりそこが、永遠となるのか、と、きみは吐息のように、そっと、くちびるのすきまからもらして。まだつづくのだと信じていた夏休みが、あっというまにおわりを告げるのを、きっと、みたこともない神さまはほくそ笑んで眺めていて、からだのなかの血液が沸騰して、いまにも破裂しそうな暑さに、動物園のライオンも、うんざりしたようにだらけている。つめたいものばかり欲するのは、よくないとわかっているのに、ドラッグストアで、アイスばかり買って、ぱくぱく食べながら、ふとパッケージをみて、アイスクリームではなく、ラクトアイスであることを、わかっていたはずなのに、あーあ、とがっかりしている。
ずっと、こどものままでいたかったね。
八月のエレメント