不完全燃焼
私には大きすぎる 膨らんでゆく入道雲
眩しいと翳した左の甲は小麦色に染まる
滴る汗は不味い 反射を忘れた水溜り
午後五時半 割れた夕の音が鳴り響く
鷹揚とした不格好なヒールの音
偽調律された靴音は目眩の旋律を奏でる
「ヒト」を大好きになっては大嫌いになり
わたしの感情は忙しく 私の身体は静寂を打つ
あの日の滑稽な感情は熱射に殺された
夏の忘れもの 海馬の不完全燃焼
不完全燃焼
私には大きすぎる 膨らんでゆく入道雲
眩しいと翳した左の甲は小麦色に染まる
滴る汗は不味い 反射を忘れた水溜り
午後五時半 割れた夕の音が鳴り響く
鷹揚とした不格好なヒールの音
偽調律された靴音は目眩の旋律を奏でる
「ヒト」を大好きになっては大嫌いになり
わたしの感情は忙しく 私の身体は静寂を打つ
あの日の滑稽な感情は熱射に殺された
夏の忘れもの 海馬の不完全燃焼
不完全燃焼