ゲーム·ザ·ハード

学校の帰り道。

私の友人が、

ザ·ハードというゲームにエントリーしたいと言っていた。

彼は、パイロットになりたいと言い。

パイロットのアバターになった。

ザ·ハードというゲームは、

自分が成りたいアバターを作って、

バーチャルな空間の中で、

一生懸命に努力して、

最後は、いかにドラマチックにそのアバターを自爆させるか?

という事を競うゲームだった。



彼はパイロットの訓練をして、パイロットになって、

飛行機を操縦して、

ある事件で、裁判をうけていた有名な裏社会の大物の家に、自分が操縦した飛行機を墜落させて自爆して死んだ。

実は、その大物の有名人も、

そのゲームにエントリーしていたのだけど、

彼が飛行機で家に突っ込んだ時に、運悪く、その家が頑丈過ぎて、死ねなかった。

人々は、飛行機で墜落した彼の行為を賞賛して、数多くのいいねが集まった。

死ねなかった大物の有名人は、人々の意識から消えていった。

ゲーム·ザ·ハードは、

そんなところから、特攻ゲームとか、

どっかの国のジハードとかを連想させるような物と区別させるように、ザ·ハードと呼ぶようにお上から指導された。

ただ私の友人の場合は、

バーチャルな空間なのか、

現実の空間なのかの区別が

上手く出来なくなって、

その最後には、本当に飛行機の操縦桿をにぎったまま、そのゲームをして、死んでしまったのだった。

しかし、人々の賞賛は、ゲームの中以上のものがあった。

このゲームには、

アスリートとして生きるアバターもあり、

子供の頃から、将来の夢として、社会はこのゲームに参加する事を奨励し、参加させていた。(つづく)

ゲーム·ザ·ハード

ゲーム·ザ·ハード

  • 小説
  • 掌編
  • サスペンス
  • ミステリー
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-07-11

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted