ゲーム·ザ·ハード
学校の帰り道。
私の友人が、
ザ·ハードというゲームにエントリーしたいと言っていた。
彼は、パイロットになりたいと言い。
パイロットのアバターになった。
ザ·ハードというゲームは、
自分が成りたいアバターを作って、
バーチャルな空間の中で、
一生懸命に努力して、
最後は、いかにドラマチックにそのアバターを自爆させるか?
という事を競うゲームだった。
彼はパイロットの訓練をして、パイロットになって、
飛行機を操縦して、
ある事件で、裁判をうけていた有名な裏社会の大物の家に、自分が操縦した飛行機を墜落させて自爆して死んだ。
実は、その大物の有名人も、
そのゲームにエントリーしていたのだけど、
彼が飛行機で家に突っ込んだ時に、運悪く、その家が頑丈過ぎて、死ねなかった。
人々は、飛行機で墜落した彼の行為を賞賛して、数多くのいいねが集まった。
死ねなかった大物の有名人は、人々の意識から消えていった。
ゲーム·ザ·ハードは、
そんなところから、特攻ゲームとか、
どっかの国のジハードとかを連想させるような物と区別させるように、ザ·ハードと呼ぶようにお上から指導された。
ただ私の友人の場合は、
バーチャルな空間なのか、
現実の空間なのかの区別が
上手く出来なくなって、
その最後には、本当に飛行機の操縦桿をにぎったまま、そのゲームをして、死んでしまったのだった。
しかし、人々の賞賛は、ゲームの中以上のものがあった。
このゲームには、
アスリートとして生きるアバターもあり、
子供の頃から、将来の夢として、社会はこのゲームに参加する事を奨励し、参加させていた。(つづく)
ゲーム·ザ·ハード