普通を忘れた人

何も恐れることはない
全て偶然なのだから
目の前だけ見ればいい
先の事なんて分からないのだから
できる事だけやればいい
できた事を褒めればいいのだから

考えない方がいい
考えても分からないことばかりなのだから
逃げられるのなら逃げていい
それは休憩するようなものだから
手に触れられるものだけ大切にすればいい
それ以外は幻想なのだから
明るすぎない方がいい
全てを見ようとしても見えないのだから
暗すぎない方がいい
足元だけみえれば進めるのだから
迷わなくていい
利き手の方に進めばいいのだから
知らないことがあっていい
その方が伸び代があるのだから
覚えなくたっていい
どうせ何年後かには忘れるのだから

そうやって彷徨えばいい
出口は必ずあるのだから
それが普通なのだから

普通を忘れた人

普通を忘れた人

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-07-03

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