自選短歌 2022年6月
先頭の打者を力でねじふせた先発完投型の先妻
真夜中の毎回同じ場所で死ぬマリオも俺も表情がない
芽を出せば詩になるはずの種なのに今のわたしは砂漠なのです
おおかたの死者は祟らず去ってゆきわたしはいつも通りに起きる
スプーンやお箸に味がないように指を舐めても味はないのだ
窓を拭く布が汚れているせいで窓が汚れていると気づいた
自選短歌 2022年6月
先頭の打者を力でねじふせた先発完投型の先妻
真夜中の毎回同じ場所で死ぬマリオも俺も表情がない
芽を出せば詩になるはずの種なのに今のわたしは砂漠なのです
おおかたの死者は祟らず去ってゆきわたしはいつも通りに起きる
スプーンやお箸に味がないように指を舐めても味はないのだ
窓を拭く布が汚れているせいで窓が汚れていると気づいた
自選短歌 2022年6月