エレメント・シティ
ララ。星屑をあつめることを仕事にしているひとたちを、ぼんやりとみている。夜明けのバケモノが、憂いを溶かす、水平線に、あらゆるものの「おわり」をいっしょに、浮かべて。海は、ゆりかご。わたしは、窓辺から、ホットレモネードを飲みながら、ララのうしろ姿をながめている。すこしまえの時間の、空の色と同化しそうなほどの、ピンク。長い髪。だれかの、なにかの、「おわり」について、思考は、朝のつめたい空気のおかげで、いやにクリアに、リアルに、「おわり」、という現実を、真実を、突き刺してくる。遮るものはなく。緩衝材もなく。
ララより。星屑をあつめることを仕事としているひとたちに向けられる、羨望のまなざし。あつめられたそれらは、星屑だけでつくられた街の、あたらしい一部となって。元素の集合体。無機質なにんげんばかりが棲んでいる、あの、はんぶんねむっているようなところでする、恋は、すこしだけからっぽなのとぼやく。女の子たち。
エレメント・シティ