秀徳サンドで黒子のバスケ
秀徳の***と緑間、誠凛の黒子がメインの作品です。
二次創作は初めてなので、文章がおかしいのは自分でも自覚していますが、
生暖かい目で見守ってくださると嬉しいです(^_^;)
※原作のイメージを壊したくないという方は、閲覧を避けてください。
第1Q 教えてくんないか?
「おーい、真ちゃん」
秀徳高校一年生にして、強豪バスケットボール部に所属し、スタメンとしても活躍している高尾和成が、
シュート練習をしている最中の緑間真太郎に声をかけた。
緑間は、3Pシュートを得意としている超強豪のバスケ部が存在することで名を馳せている帝光中出身…『キセキの世代』と呼ばれているものの一人だ。
緑間が撃ったボールが、綺麗に弧を描いてネットをくぐる。
「おー、ナイッシュー!!」
「…おちょくっているのか、高尾。オレがシュートを外すわけがないのだよ」
「へいへい」
緑間は、黒縁眼鏡の位置を左手で直すと、高尾に向かってボールを投げる。
高尾は、そのボールを器用にキャッチすると、ゴールに向かって軽いレイアップを決めた。
「…で、なんの用なのだよ」
高尾は、そのツリ目を見開いて、驚いたような顔を緑間に向ける。
「…? なんなのだよ」
「いや、別にー。ただ、テッキリ無視されたのかと思ったもんだからさぁ」
そして高尾は、緑間に笑顔を向けると、想定外の一言を放った。
「なぁ緑間、黒子の携帯のアドレス教えてくんないか?」
第2Q なんとも思わないのだよ!!
「……」
緑間は***を見つめたまま、石のように動かなくなった。
たった今拾い上げたボールが、再び緑間の手から落ちる。
「あれ?おーい、真ちゃん」
***は、そんな緑間を不思議に思い、緑間の視界の前でブンブンと手を振った。
「真ちゃ」
「いや、聞こえているのだよ。だが意味が分からん。***、なぜ急にそんなことを?」
「え~?なぜって言われてもなぁ。なに、教えてくれないの?あっ、黒子の許可なら取ったぜ?」
「……。お前は、その…黒子とプライベートでも親しいのか…?」
「…ははーん」
突然赤い顔をして聞いてくる緑間に、***はようやく合点がいった。
「やっぱ真ちゃんツンデレだなぁ!あれっしょ、オレと黒子がプライベートでも仲いいからってヤキモチ焼いてるんでしょ?!かっわいーっ」
高尾がそういうと、緑間は更に赤面して、早口に言う。
「ば、ばばばば馬鹿を言うな!!貴様がプライベートで黒子とあんなことやこんなことをしていたってなんとも思わないのだよ!!
黒子のアドレスくらいいくらでも教えてやるのだよ!!…はっ」
「やったーっ」
しまった、という顔をする緑間を嘲笑うかのように、***はわざとらしく、両手を高々とあげて万歳のポーズをする。
そしてオレンジ色の携帯を取り出すと、手馴れた動作で赤外線通信の準備をする。
……だが、肝心の緑間は携帯を取り出すどころか動くそぶりを見せない。
「ほらほら真ちゃんケータイ出してー。ここまできて携帯忘れたとかいうのはナシだぜ?」
「……」
緑間は渋々ながらも、今日のラッキーアイテム、うさぎのキーホルダーのぶら下がった緑色の携帯を取り出す。
そのまま、赤外線通信の準備をしようとして―――。
「――!」
突然名案を思いついたのか、得意そうな顔をして高尾にこう言った。
「ただし…オレにじゃんけんで勝たないと、黒子のアドレスは教えてやらんのだよ!!」
「おいおいマジかよ…今日のエース様はいつにも増して頑固だなー」
高尾は呆れを通り越したような表情をし、苦笑いをしながら緑間を見据えた。
「まぁ、いいや。要は真ちゃんに勝てばいいんだろー?言っとくけど、さそり座のオレは今日一位だぜ」
鷹の目を細めながら、高尾は緑間を挑発するように、今度は嗜虐的な笑みを見せる。
「人事を尽くしているこのオレが、貴様に負けるはずがないのだよ。…それに、八位の蟹座の運気は、既に補正済みだ」
――超強豪バスケ部を誇る秀徳高校の第一体育館で、今、一つの闘いの火蓋が切って落とされようとしていた。
「いよっし、んじゃ行くぜー…じゃーん、けーん…」
そしてこの日、緑間は人生初、高尾にじゃんけんで負けた。――おは朝占いは絶対なのである。
秀徳サンドで黒子のバスケ