夜の暗室

瞳を闇に滲ませて
喉を溶かして
同じ耳になった

母の羊水、蛇の牙の毒、床の黒い滲み
僕から滴った "黒い水"をみて

初めて自分を悪だと理解した
長い夜に息を潜めて
ゆっくりとダメになっていく

誰かを殺せば何かが変わるのか
それとも警察に自首しようか

やがて朝日が宿痾の靄を割いて
隅々まで明かりが行き届いた
けれどうつくしくは無いと思った

夜の暗室

夜の暗室

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-06-21

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