道化芝居

葉擦(はず)れの音を聞く為に立ち止まって目を閉じた、一度きりの旋律を忘れていく。無い雲を目で()っている、(あお)すぎる空が恐ろしいから。夕立と始終(しじゅう)戯れている、迂闊(うかつ)にも同情してしまったから。ずぶ濡れの体で夜を待っている、風邪なんか引きやしないさ、莫迦(ばか)だから。(わざ)とらしく笑う。(くしゃみ)。孤独に完結する滑稽さだけが僕の生き甲斐だから。

道化芝居

道化芝居

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-06-14

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