七色精霊

初心者、ド素人の僕が書いた初作品です。
つまらないかと思います。はい。
でも、一応自信はなくもないです。
厨2っぽいとこもありますが・・・
ぜひ読んでくださいmm

  

第一章 火の精霊


「見たんだよ!ホントだって!」
「もういいって、どうせ嘘なんでしょ?そろそろ聞き飽きたわよ・・・」
必死に目で訴えるも、その目すら見てもらえない。
いつもいつもこうやって信じてもらえない。
最初は信じてもらえた。だが、一度だけ。
あの時、彼女の手を引いてその後必死にさがしたが見つからなかった。

信頼を失っていきながら何度も目撃したことを伝えていたが,
2回目からは、もはや相手にされなくなり、昨日で8回目。
何を見たか。というと、誰にも信じてもらえないだろう・・・

300年前から、この村には「火の精霊」が宿っているという木があるのだ。
何故「火」なのか? 木に対しても相性が悪すぎる。
噂によると、この木は燃えないらしい。
それは火の精霊のせいで燃えないのか。または、燃えないから「火の精霊」が宿ったのか。
今のところ不明でもある・・・・・そう。
そんなおとぎ話のような精霊を、8回も見たというのだ。 
もはや冗談にしか思えてないだろう。
でも、誰かに伝えたかった。見てもらいたかった。
そんな話を聞いてもらえる宛が、目の前でそっぽを向いている彼女だ。
中学2年の、同級生。クラスは一緒で、唯一の幼馴染である。
仲は普通、だが良いとまでは言えない。昔は無邪気に遊んでいたものの、
今となればそういう訳にもいかない。きっと小さい頃ならこんな話も聞いてもらえただろう。

「それで、話って、それだけ?」
「それだけって・・・マジで見たんだよ!」
「あのねー・・・8回目だよ!は・ち・か・い・め!」
タイミングよく回想と同じことを言ってくる。
「8回目なのはわかっている・・・」
いや、待て ここでわかっていると言って・・・・・・・
「そ・・・それじゃあ、いい加減にしてよ!!」
あぁ、やっぱり・・・駄目だったかな。

「い、いや、あの・・・」
「はぁ・・・まぁ、そういえば聞いてなかったけどさー その精霊?ってどんな格好なの?」
「え!?」
珍しく精霊について訪ねてきたので、若干の動揺ができた。
いざ率直に聞かれると、焦ってしまう。
「うーん・・・まぁ、姿は微妙に曖昧なんだけどさ。」
「えぇ!?あんた、そんなんで精霊って決めつけてたの!?」
「い、いや!ある!確信ある!」
「・・・・そ、それで?」
「えっと、まず、小さくて、ホント手の平サイズで、
あと、、・・・・・・・喋れて・・・」
「ええええええッ!?いまなんていった!?」
「だ、だから、喋れて・・・・」
「精霊と会話したって言うの!?300年も前の噂の架空かもしれない奴と!?」
「喋ったもんは喋ったんだよ! なんか、声かけたら・・・・・」

  キーンコーンカーンコーン


いい感じのところでチャイムがなった。

彼女は呆れた。というよりも驚いた表情で席に着いた。
あの精霊をいつ信じてくれるのか、という不安感ができた。
まぁ、8回もあんな話もすれば、呆れても当然であろう。
そんなことを考え、俺も席に着いた。
あの精霊には毎日会えるわけじゃない。下校時の近道として通りかかると
噂の木の枝に腰をかけているのだ。
あれが毎日いれば、今頃信じていてくれたかもしれない。
目撃から約一ヶ月弱。しかし、1ヶ月で8回の出没となるとほかの目撃者がいても
おかしくはないはずだ。それが、自分一人だけというのならば病院に行くべきだろうが・・・


下校時に、粘ってみよう。 幸い、今日は部活なし。
もしかすると、毎日いるが、時間帯が合わないだけかもしれない。



・・・・・帰りを楽しみにしながら授業を受けて、3時間が経過した。


粘り続けて1時間、まだ序の口だ。
こっそり学校へ持ち出した携帯の電源を入れ、時刻を確認する。
基本、電源は切ってある。授業中、思わぬブザーが鳴り響き、
教務室行きはごめんだからだ。
現在時刻は4時半、6時には家に帰る予定なので
まだ半分経過していない。
・・・とはいうものの、木の横でじっとしているのは
「退屈」の二文字以外何もない。
時々、四葉のクローバーを探してみたり、持ち出した学校の本を
読んでみたり、それで、1時間。かなり長く感じる。
天気は晴れ、9月ということもあり、まだまだ暑い時期だ。
それでも諦めるつもりはなかった。あの精霊にあっていろいろ聞きたい。
実際のところ、「喋れる」ということを知ったのは今回の
8回目であり、あの日はすぐにいなくなってしまったので、何も聞き出せていない。
「はぁ・・・」というため息をついた。


「うわあああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
  

             !!??


今、悲鳴が聞こえた!
この声は!?
そう思ったのも束の間・・・・・

「ウグフゥゥ!?」

一匹の小さい精霊が、木に背中をもたれている俺の腹に直撃。
同時に、自分でもよくわからない声が自然と出てしまった。
一体何が・・・・・
「うぅ・・・あ、お主、いたのか」
「いきなり突っ込んできて謝罪もなしか!?」
「・・・・・って、それどころじゃなかったあァァァ!!」
「・・・え?」
その時まで、俺は腹を抱え、下を向いていた。
よく見ると、この精霊、女なのか?
そんな事を思っていると、何やら精霊が焦ったようでもあった。
顔を上げ前を向いた瞬間・・・眼に映ったのは・・・


「・・・お、おぃ、なんだよこいつ・・・」
「見ての通り、モンスターだぞ。」
「・・・・モンスターって・・・・・なんだよぉぉぉぉぉぉ!?」
眼に映ったのは、直径3mはあると思われる、二足歩行の棍棒を持った、
いかにも、モンスターって感じの奴だった。
いや、そんなことはどうでもいい。高速で立ち上がり、超逃げ足で家に向かう。森を突っ切る。
叫び声を上げ、後ろを振り返ろうとするが、
どうにもあの姿をもう一度見る気になれず「全力疾走」
前を向き、ひたすら走る。

「あー、お主、そんなに逃げなくても・・・」
「んなッ・・・なんでお前ついてきてんだよ!!」
俺の服の裾を掴んだまま、全速力に引っ張られるかのように精霊もついてきていた。
今にも飛ばされそうな精霊。
それでもスピードを緩める事はなかった。
しかし、不意にこの言葉を聞いたときは、驚いた。
「なぁ、お主、戦う気あるか?」
「・・・へ!?、戦うって・・・」

意味がわからなかった。 戦う!?
あんな突然変異の希少種と戦えと!?
しかも、何類だよ!?3mあって二足歩行!?
棍棒もって・・・原始人か!?
・・・・って言ってる場合じゃない!!!
今は何も考えずに逃げるんだ! それしかない!
思考回路を変えるな!俺!

「まぁまぁ、お主、そろそろ落ち着いては・・・」
「こんな状況で落ち着けか!?追いかけれてるんだぞ!?
  しかもなんか棍棒ぶん回してる音が!!」
数メートル後ろで追いかけてくる方向から、何やら「ブンッ ブンッ」
と奇妙な音が聞こえるのだ。あれはきっと棍棒を振り回している!
見た目だけでも重そうだったあの棍棒を、いとも簡単に振り回す音が聞こえ、
ただひたすら森を抜けることを考えていたところ、
目の前で、森を抜ける光が照らされていた。
なんだかとてつもなく嬉しく、もう少しで安心できる。
もう少しだ・・・もう少し!
そう思っていた・・・・・

瞬間ではあるが、頭上に大きな影が映ったのを確認。
それは、先程までこちらを向いて追いかけていたモンスターだった。
前方にドスンッと着地、足を動かし半回転をして、こちらを向いた。
どうやら行く手をさえぎられたようだ。
というかジャンプ力がありすぎる。 後ろからあの体で
数メートル高く、数メートル先に跳んだのだ。
「な・・・・なんて奴・・・」
改めて近距離から見ると、3mは結構超えていたようだ。
見る限り荒れ狂っている。一体俺が何をしたと?
あのモンスターとか言う奴に「戦え!」という声を浴びせられた事を思い出した。
無理だ・・・・・・
今から思考回路を変えてみるか?挑戦するのか?
もう、死を確信した。
悲鳴をあげようとする。

「落ち着けえぇぇぇぇ!!!!!!!!」


小さな体にしては、ものすごく高く、大きな声をあびせられた。
はっ と、我に返り、小さな妖精の方を見る。
「いいか、お主よく聞けよ。 死にたくなかったら。」
「・・・お、おう」
自分の声が震えてしまっている。
情けない返事を返してしまい、少々気持ちを悟ったのか、
妖精は言う。

「まず、あれは我の連れ込んだ問題、それは謝罪しよう。
そして、さっきの戦う。ということなんだが、率直に言おう。お主が
戦わない場合、我もお主も、きっと全滅だ。
今生き延びるためにも。この剣を使ってやつに挑んでほしい。」
剣!?剣って、日本刀か何か!?そんなんで大丈夫なのか!?
そんなもん重くて持てるわけがないはずだ!
そもそも剣なんてどこに・・・

急に、精霊が小さな手を前に出し、パッと赤い光が出た。
その光はすぐに弾け飛び、やがて中から出てきた赤い剣が地面に刺さった。
恐る恐る剣を抜き取る。 軽い。
日本刀を想像していたよりも軽い。小学生でも振れる範囲だ。
「え・・・これどうしろと?」
「うーぬ・・・勘だ。」
「はぁ!?ってかこんな軽いもん振り回して斬れるわけないだろ!?」
嫌がらせか!?切れ味切れ味!!」
「そ、それはお主がやってみればわかる。」
「んなッ!?」

少々嫌ではあった。というか嫌だった。
無理だ。と心の中で確信していたからだ。
しかも、こんなもので本当に斬れるのか?という疑問も頭に浮かぶ。
「ウガアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
急に、モンスターから叫び声を上げた。
その声は、俺の耳に焼き付けられる。
馬鹿でかい奇声だった。頭が少し痛くなり、目眩も起きる
殺される・・・・!!
そして、自分の剣を睨んだ。
ほかにどうすることもできない。これしか方法がない。
一か八か・・・・やってみよう!!
自信を持ち、戦う気合が満ちた。
剣をやや後ろに構え、引きずるような体制に。
剣先が地面にそっとつく。 お互いにらみ合い。
モンスターを観察した。棍棒は肩のあたりに構えられてはいるが、
まだ攻撃するという様子はない。
体は、昔の狩りをしている者に見える。

!?
小さな小さな炎を指にまとうのが見える。そして、後頭部のあたりに
炎を投げた。妖精!!
モンスターは気を取られ、不意に後ろの方を向いた。
あまりに小さな炎だったのか。ダメージはまるで0に見える。だが・・・

「チャンスは・・・・今しかない!」
後ろを向いたモンスターは隙だらけ。
その瞬間を見逃さず、とっさにモンスターの方へ駆け出す。
地面を思いっきり蹴り上げ、自分でだせる限界の速さで走り出す。
そこで一気に・・・・!!
「・・・・ッセイヤァァァァァッ!!」
掛け声とともに地面についていた刃を、少し上に持ち上げ剣を前に出した。

瞬間、目をつぶりながら、水平に、真横に、斬りつける・・・。


一度、ザクッ・・・という感覚が手に伝わった。
そこから力を入れていき、どんどん横に刃が入っていく。
そんな感覚がわかる!
やがて、力が抜けた。 



目を開けると、目の前には、
腰のあたりから横真っ二つのモンスターが、血だらけで横たわっていた。

七色精霊

どうでしたか?

七色精霊

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 恋愛
  • 冒険
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-12-18

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