夏がくる
ひまわりと心中してる。少女たちの、瞳が菫色に染まり、世界はすこしだけ斜め上を向いて、くりかえす再生を愛しんでる。ばかのひとつおぼえみたいに。
どうしようもない破壊衝動の果ての、無、ほど、かなしいと、怒りを綯い交ぜにした感情のミルフィーユは、切断するたびにこなごなになっていくし。愛をしてと、狂おしいほどに祈ったあとの、刹那の空白をいつか、あたしはひたひたに埋めることができるのだろうか。きみの恋が散る、六月。どうぶつえんで、あくびをしているライオンが、ときどきみる、カラフルな夢。朝になれば、星のきもちの一ミリでも、わかるかもしれないのに。みんな、うつくしいだけの思い出を、真空パックして。夏日。
夏がくる