反復

飢えているくらいがちょうどいいんだよ、と男は誰に言うともなく呟いた。それとも、みずからに言い聞かせていたのか。男は仰向けになり、青空を眺め遣る。虚しさを象徴するのは凪か、風か、その繰り返しか。男は無意識に溜息を吐く。それから意識的にもう一つ。雲一つない青空。焦点が合わないそれは幸福に似ていた。

反復

反復

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-06-03

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