黒鳥

 二時のきおくは、混沌として、水のうえで、バレエを踊る少女たちの髪飾りには、黒い羽根。ぐずぐずにとけていく、星のかたすみで、ふるえているのは、やさしい子たち。破壊主義者のきみだけが、ねむれない夜をすごしている世界。だれかはスマートフォンのなかのアイドルに夢中で、半獣人が棲んでいる区画では、ふかふかのカステラが流行っている。現代。おとことおんなが恋愛しなくてもいいので、ノイジーなひとはいないし、じゆうだし、はんぶん獣のひとを好きになってもいいわけだし、わたしは、いつも、なににも縛られることなく、好きになったものを、ひとを、愛したい。
 月曜日というなまえの、メランコリー。
 横書きの文章を、うけいれがたくなった日。

黒鳥

黒鳥

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-05-23

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