CROWNJOKER
エブリスタ投稿サイト(ヒューマンドラマ部門)(現代ファンタジー部門)日間トレンドランキング最高1位獲得作品ですっ!!!?
https://estar.jp/page/info/congratulations/ranking/26110124?rank=1
プロローグ
ある日突然…私の元に妙な男からメッセージが入った。男の名はCROWNJOKER。現在行われてる訳のわからないゲームの主催者である。
この物語は私がまだ高校生だった頃まで遡る。
??「ノア起きなさい」
ノア「ん…??」
ノア「なに?お母さん?」
母「なに?じゃないでしょ?あんた今日学校よ」
ノア「…がっ…こう??ってわぁ」
ノア「忘れてた!!ほんとに学校じゃん!?」
母「もう?ほんと抜けてるわね?支度して下に降りてくるのよ」そう言うとノアの母親は下に降りていった。
私の名は…(藤井乃愛)ごく平凡な女子高生だ。私は都内の高校に通い…平凡な家庭で育った女のコだ。この頃までは学校が楽しかった。あんなメールが送られてくるまでは…。
第1話(ゲーム開始)
??「皆さまお集まり頂き真にありがとうございます。」
??「私の名は本ゲームの主催者の一人である…滝川と申します」
滝川「本日皆様に集まってもらったのは他でもない」
滝川「CROWNJOKERの為でございます」
滝川「現在…我社が所有する特設フロアで1つの催しが行われております」
滝川「その名も372分の1ゲーム」
滝川「ルールは簡単でございます。我社が主催する映画館で…ラビットケージの隣の席に座る人物が誰かを当てて貰うだけです。」
滝川「ラビットケージには予め決められた62席の座席の中から1つを選び映画の半券を買って頂きます」
滝川「プレイヤーたちはラビットケージが座る座席の隣の席の半券をあらゆる方法を駆使し入手して頂きます」
滝川「但しこの時こちらで予め決めた座席が埋まっていた場合ラビットケージはランダムで移動し開いている座席に座ります。」
滝川「この時の座席の位置をピタリと当てた場合は通常時の報奨金の5倍に膨れ上がりプレイヤー1人1人のオッズも10倍へと跳ね上がります」
滝川「買収…恐喝…自身の肉体を使い男を誘惑する。何でもありでございます」
滝川「我々は参加する12名のプレイヤーの内誰がラビットケージの隣の席に座るのかを当てるだけの簡単なゲームでございます」
滝川「映画の上映本数は6本。…その中でラビットケージが買う半券は1枚のみ。つまり372席の座席の中からラビットケージが座る座席が何処なのかも推理して当てて頂きます。見事当たった方には別途で1000万リラが支払われます」
滝川「それでは只今よりBET開始でございます」滝川がそう言った瞬間に…参加者たちが一斉にボタンを押し始める。
数秒後…♪♪♪♪♪
1位(松田るあ)
2位(坂松菜奈)
3位(淺谷美怜)
4位(森岡レナ)
5位(浜谷美波)
6位(Monrika)
7位(マリー)
8位(愛澤えみり)
9位(藤井乃愛)
10位(エンリカ)
11位(森川ミア)
12位(櫻井ののか)
滝川「おおっとこれは驚きましたね?何と松田さまが1位でございます」
滝川「続いて2位に坂松さまが座り淺谷さまが3位に付いております」
滝川「これは混戦ですねぇ~?」
滝川「それではゲームSTARTです」
その頃…このCROWNJOKERの参加者である愛澤えみりは荒れに荒れていた。
えみり「あのクソ豚がぁ…!!?」そう言うとえみりは灰皿を壁に投げ付ける。
??「えみり落ち着けって!!」
えみり「落ち着いてなんかいられないわよ。この私が…あんな底辺のクソ豚に馬鹿にされたのよ」
??「そんな事言っても彼に悪気はないかもしれないじゃないか?」
えみり「何処がよ!!??あるに決まってるじゃない?」
理由は少し前に遡る。(SB)と言われるSNSを見ていた時だ。スマホの画面をスクロールするえみりの目にとある人物の投稿が目に止まる。
えみり「なにコイツ??」
えみり「あの伝説のNo.1キャバ嬢落とせなかった男?」
えみり「はぁ…?てめぇなんか知らねぇーよ。ふざけんな!!!ブスが!!?」そう言うとえみりはスマホを投げ付ける。
えみり「何がトートバッグで我慢しろなのよ?ふざけないでよ??」
えみり「あんたみたいなクソ豚に私がどうにかなると思ってるの!!!??」えみりはそう言うと喚き散らしながら…壁を殴り付ける。
そんな事があってから数週間が過ぎた頃…愛澤えみりの元に1通のメールが届いた。差出人の名前はCROWNJOKERと記載されており…そこにはゲーム参加の告知と書かれていた。
手紙にはこう記されていた。
おめでとうございます。愛澤さま…貴方は我社が主催するゲームのプレイヤーとして選ばれました。貴方がもしもこのゲームで優勝した場合…10億リラの報奨金が支払われます。尚辞退される場合は1週間以内に…我社までご連絡下さい。
0120-☓☓☓−192(CROWNJOKER)本部より。
手紙を読んだえみりは青ざめたが…少し考えて息を吐いて考え込み始める。
えみり「10億リラならやってもいいけど?何か胡散臭いわね?」そう呟いて一口飲み物を飲むと…天井を見積める。
えみり「あんな奴に馬鹿にされたまま私の人生終わっていいの?」
えみり「絶対ダメ」そう呟くとえみりは決心したように…部屋を出て行った。それから少しして愛澤えみりはゲームに参加する事を決めたのである。
そう全てはここから始まったんだ。誰が始めたともわからないこのゲームが始まったこの日の事を全てのプレイヤーは覚えている。そして彼女たちは…ここから「CROWNJOKER」という終わりの見えない闇と戦っていく事になる。
第2話(◆の10)
愛澤えみりがゲームに参加する事を決意し始めたのと時を同じくして…このゲームの参加者の1人。森川ミアは眉をしかめながらとある手紙を読んでいた。辺りに人は居なく…森川以外の姿は見えなかった。
森川ミア「何なのよ?これ?」
森川ミア「意味わかんないわ」そう言うと森川は手紙をゴミ箱に投げ入れようとする。その時だった。
??「嬢ちゃん…そいつはよした方が良いぜ」
森川ミア「あんた?誰?」
??「誰でも良いだろ?そんな事。それよりそれ。捨てんなよ」
森川ミア「はぁ…??何でよ!!?」
??「さぁな…俺にもわかんねぇ。」
??「つか、いらねぇならそれくれよ」
森川ミア「良いけど?別に私にとってはこんな物いらないから」
??「交渉成立だな?んじゃ今から作戦会議と行こうか?」そう言うと男は森川の手を取って足早に歩き始める。
森川ミア「ちょ…ちょっと何言ってるのよ!!離しなさいよ。ねぇ!ねぇったら」
??「うるせぇーよ。ついて来りゃわかるさ。森川ミアさん」
森川ミア「何で?私の名前知ってるのよ?」
??「さぁ?何でだろうな?」
その後…男はとある部屋の1室に入ると話し始める。
??「あんたが捨てようとしたこの手紙はCROWNJOKERの参加告知だ。」
森川ミア「んな事知ってるわよ。読んだから」
??「はぁ…バカだな?お前?手紙読んで捨てようとしたのか?」
森川ミア「当たり前でしょ!!?こんな事して私に何のメリットがあるのよ?」
??「ここに書いてあんだろ?それにこいつはある意味ではチャンスでもあるのさ」
森川ミア「何のよ??」
??「奴らに近付く為のさ」そう言うと男は胸からとある物を差し出す。
森川ミア「警視庁捜査一課(森友淳平)?」
森友「森川。捜査に協力して欲しいんだ?」
森川ミア「はぁ??できる訳無いでしょ?そんな事?あんたそれがどういう意味か?わかって言ってんの?」
森友「わかってるさ。だがこれしか無いんだ!!」そう言うと森友は事情を話し始める。数十分後話しを聞いた森川が呟く。
森川ミア「…わ…かったわよ」
森友「本当か?」
森川ミア「ええ!!!ほんとも本当よ!!けど今回だけだからね?」
森友「恩に着るぜ!!森川」そう言うと森友はこれまでの経緯とこのゲームの事について喋り始めた。
森友「俺がこのゲームの存在を知ったのは10年前の事だ」
10年前(2012年)東京歌舞伎町
??「お兄さん…どうですか?1杯飲んで行きませんか?」
森友「いや…遠慮しておくよ」
??「そんな事言わずに一杯だけ」しつこく聞いてくるキャッチの声を無視しひとけの無い場所に逃げ込んだ森友は…怪しい2人組の会話を耳にする。
??「それで…今回の参加者は誰なんだ?」
?「伊東…吉川…堀井を含めた24名です」
??「24人か?多いな?」
?「まっ誰が勝ってもJOKERが得をする事だけは間違いない」
??「だな?それよりここはまずい場所を移そう」
?「OK」そう答えると男たちは足早に何処かへと消えて行った。2人の挙動が怪しいと感じた…森友は2人組について調べた。男たちの名はジェフとマックスという名の外国人で…最近この界隈で見るようになった2人組である。
森友「心の声(奴ら外国人にしては日本語が上手かったな?)」そう心の中で呟いた森友はタバコに火を付けて考え始める。
森友「心の声(ジェフ・ベック25歳…1997年2月10日イギリスで生まれて15歳までを母国で過ごした)」
森友「心の声(その後…高校へは行かずに地元の企業で務めたが僅か1年半足らずで退社。20の時に日本に来て英語講師として暮らし始める)」
森友「心の声(マックス・ボビー・ゲイル‥日本において…アフリカ人の父親とアメリカ人の母親との間に生まれる。)」
森友「心の声(9歳の頃…両親は離婚し母の祖国であるアメリカへと引っ越す。その後18歳までを米国で過ごし23歳の頃に再び留学生として日本に来て現在に至る)」
森友「まぁ…この経歴なら当たり前か?」そう呟いた森友はタバコを灰皿に捨ててコーヒーを飲み始める。
コーヒーを飲み終えると部屋のソファーに腰掛けてTVを付ける。
??「えぇ~現在私は事件の現場となったビルの1室に来ています。」
??「周囲は凄惨な事件の跡を物語る様に焼け焦げていて…このビルの1室で9人の人間が死んだとの事です」
?「LiSAちゃあーん?聞こえる?」
LiSA「はい?何でしょうか?船井さん?」
船井「報道によると…男が突然ビルに…押し入ったとのことですが?本当ですか?」そう問いかける船井の言葉を聞いて森友は「んなこと聞かなくてもわかるだろ?」と思いながら…TV画面をじっと眺めていた。そして眠けまなこを擦りながらジェフとマックスの事を考えていた。
森友「心の声(確かあそこは?あの2人組が出入りしていたビルだよな?)」
森友「この事件?何か変だぞ?」そう言うと森友は部屋を飛び出して…とある所へ向い始める。
その道中での出来事だ。CROWNJOKERと書かれた1通の手紙をゴミ箱から拾ったのは…その手紙にはジェフ・ベックという名前がハッキリと刻まれておりそれ以外の文面は破かれていたが…森友は何かを直感し手紙を火で少し炙ってみた。
すると…名前の横にうっすらと♠の3と書かれていた。これが何を意味するのかはわからない。だがJOKERという名前の響きからしてトランプと関連してる事だけはわかった。
森友「ふーん?JOKERにスペードねぇ?トランプかよ!!?」森友はそう呟きその場を後にすると先程感じた違和感を探り始める。
森友「やっぱりだ…」森友はポツリとそう呟くとその場を後にして家に帰った。
それが森友淳平がCROWNJOKERを知ったきっかけだった。森友は意味深な顔で森川に「という訳だ」と呟くと…タバコを口に加えてふぅー…っと息を吐く。
森川ミア「あんた?何を知ったのよ?」
森友「このゲームの主催者の意図さ」
森川ミア「主催者の意図??」
森友「そっ!!手紙に印字されていた数字はあんた自身を現してる」
森友「例えばあんたの場合は…◆の10。こいつはこのゲームにおいてのあんたのオッズさ」
森川ミア「オッズ?」
森友「つまり…あんたがこのゲームで買った場合当てた人間に賭けた額に対して10倍の配当が支払われる仕組みさ」
森川ミア「ん?ちょっちょっと待って当てた人間ってなに?」
森友「そのまんまの意味だよ」
森友「まぁとかくその辺のことはあんまし気にすんな」そう言うと森友はタバコを灰皿に捨てて立ち上がる。
森友「さてと…行くか?」
森川ミア「何処によ??」
森友「あんたのスポンサーを探しにさ」そう言うと森友は部屋を出て行こうとする。
森川ミア「はぁ…??意味分かんないわよ?なに?スポンサーって?」
森友「はぁ…面倒くせえなそこまで説明しなきゃなんねぇのかよ」
森友「とにかく来いよ」そう言うと森友は森川の手を強引に引っ張って部屋を出た。
それから数週間が過ぎ現在に至る。という訳である。この訳のわからないゲームが後に…2人の人生に大きな影響を及ぼす事になるが…彼らはまだ知らない。このゲームの真意とCROWNJOKERの本質について。
第3話 (ラビットケージの行方)
森川ミアがゲームをしていく覚悟を決めた頃…参加者の1人である「坂松菜奈」はどの座席の半券を買うか少し悩んでいた。というのも…ラビットケージが座りそうな座席に対して坂松が手に入れられた半券の枚数が極端に少なく…かなり予想して何処に座るか?を予想しなければ…このゲームでは勝てない為だ。
坂松菜奈「心の声(ラビットケージが買う可能性のある半券は372枚…その中からラビットが座りそうな場所は?)」
坂松菜奈「心の声(LかMの25番か26番)」
坂松菜奈「心の声(ただこれは私の予想だから何処かに確証がある訳じゃない)」そう心の中で呟くと坂松は現在手にしてる映画の半券の枚数を数え始める。
坂松菜奈「心の声(1‥2)」
坂松菜奈「32枚か?」坂松はそう呟いて空を眺める。坂松が現在持っているチケットは友人や知人に駆けずり回って手にした映画の半券である。
この半券は1枚1800リラであり×32の=57600リラ分である。坂松はこの32枚という限られた半券でラビットケージが何処に座るかを当てなければいけない。もちろん半券を買い足しても良いが…坂松は買い足さなかった。何故…彼女がここで半券を買い足さなかったか?は後にわかる事になる…が今は言わないでおく。
ちなみに坂松が取った作戦は…A~Pまでの24番を縦に16列とA~Pまでの27番を縦に16列埋める作戦である。
この配置なら彼が…映画館に入れば20番台の何処に座っても…坂松が勝てる。ただ一つ問題がある。映画の上映時間である。坂松が買ったのは最も人が活動しやすい15時10分の時間。この時間帯の映画にラビットケージが入室しなければ…坂松が買った半券は全て無意味になるのである。
ちなみに以下が6本の映画の上映時間である。
A(10:00)B(12:35)C(15:10)
D(16:45)E(17:50)F(20:30)
坂松菜奈「何とか当たると良いけどあとは運次第か?」坂松はそう言うと…ミルクティーを飲む。
その頃…櫻井野の花は金に物を言わせて買収しまくっていた。いやというより恐喝していた。
?「ひっうう許して下さい」
櫻井「許せる訳ないでしょ?あんたが私にした事覚えてる?レイプよレイプ。」
櫻井「このままだとあなた確実に捕まるわよ」
?「どーかそれだけは…」そう言うと男は土下座して野の花に謝罪する。
櫻井「はぁ?あんたそんな事で私が許すと思ってるの??」
?「お願いします。何でもしますから」
櫻井「そぉ~ねー?1つだけ方法が無くはないわ」
?「ほんとですか?」男がそう答えると野の花は耳元で何かを呟く。
?「…え!!?そんな事して何の意味が?」
櫻井「うっるさいわね!!?捕まりたくなかったらとっとと動きなさいよ!!?」
?「ひっわわかりました(汗)」男はそう言うと大急ぎでHOTELを出て…とある所へと向かう。数分後…その様子を見た野の花の部下の男は声をかける。
??「野の花さんやり過ぎじゃないですか?」
櫻井「なぁーにぃ?あたしに意見しようっての?」
??「いっいや…別にそう言う訳じゃありませんが…」
櫻井「だったら何なのよ!!!?」野の花はそう言うと…部下の男を睨み付ける。
??「はぁ…私が悪かったです。もう口答えは致しません…!!?」
櫻井「わかれば良いのよ!!!?それよりリスト持って来て」
??「かしこまりました」そう言うと部下の男は何かを持って来る。野の花は男が持って来た物を手に取ると呟く。
櫻井「さぁ~てぇ次にカモになりそうなやつはどいつかしらね?」
櫻井「この田西って男誰だったかしら?」
??「3年前に1度来た客ですよ。」
櫻井「3年前かぁ…んじゃ使えないか?」
??「いやそうでも無いですよ。この男…まだ連絡先変えてませんから」
櫻井「本当なの!!?それ?」
??「ええ…この間別の店舗に電話をかけようと思ったら間違えてそいつの番号にかけてしまったんですが…その時は確かに電話は生きてました」
櫻井「ふーん?なるほどねぇ?」そう呟くと野の花はワインを手に取るとグイッと飲み干す。
櫻井「決めたわ!!?そいつに電話をかけてちょうだい」
??「え…っと田西にですか?」
櫻井「ええそうよ」野の花はそう言うとニンマリ笑って…何とも言えない表情を浮かべる。数秒後…その様子を見た部下の男はポツリと「わかりました」と呟いてスマホを手に取って…男に電話をかけ始める。
その頃…淺谷は突然の出来事に困惑していた。
「美怜すまない!!!?」そう言って頭を下げるのは淺谷の夫である翔平である。何故?夫が自分に対して謝罪しているのか?わからない浅谷はかなり動揺していた訳である。
美玲「ど…どうしたの?翔平くん」
翔平「映画の半券…買えないんだ?」
美玲「何で??」
翔平「それは…」
美玲「誰かと寝たの?」淺谷にそう聞かればつが悪そうな顔をする翔平
美玲「そうなんだね?相手は誰?あっちゃん?あっちゃんが相手なの?ねぇ!翔平くん」
翔平「……」
美玲「何とか言ったらどうなのよ!!?」
翔平「悪かった…!!?」そう言うと翔平は…足早にその場を立ち去って行く。浅谷は翔平のその背中を苛立ちながら見送ると…机を少し殴り付ける。
ドンっという音が響いて…不意に涙が零れ落ちそうになる。
その様子を傍から見ていた1人の女が浅谷に声をかける。
??「あっはは(笑)みれいちゃんやられたね?」
美玲「なに?わざわざ私を笑いに来たの?」
??「そんな事ないよ(汗)ただ僕はみれいちゃんにこれを渡す様に頼まれただけ」そう言うと女は1枚のメモを淺谷に渡す。
美玲「…」淺谷は無言で受け取るとメモの内容を確認する。
美玲「松田さんはもう110枚の半券を??どんなマジック使ってるんだろう?」
??「さぁ~ねぇ!それは僕にもわからない。それより…今回はどうなんだい?」
美玲「どうって…??別にいつも通りの方法で勝ち上がるだけよ」淺谷はそう言うと…紅茶を飲み干す。
??「ふーん??なるほどねぇ?それより追わなくて良いの??よっぽどまずい事案に巻き込まれてるみたいだよ」
美玲「貴方には関係ない事でしょ!!?」そう言うと淺谷は少し声を荒らげその場を立ち去って行った。
浅谷がそうして苛立っていた頃…参加者の1人であるマリーこと「水沢麻里奈」は少し迷っていた。というのもスクリーン1の座席状況を確認すると…1回目2回目共にサイドの座席が全て埋まっていた為である。
券売機の前で座席表を見ながらマリーは「これだと…私がラビットケージの隣の席に座るのが無理になる。どうしたら良いんだろう?」と呟くと…少し困った顔をする。
1分…2分と時間が経過していき…空虚な時間だけが流れた。数分後…意を決した麻里奈が決断する。
マリー「よしっ!!?こうなったら」そう言うと…マリーこと「水沢麻里奈」はラビットケージが本来座るはずの62の座席を埋め始めた。マリーの動きを察知した叔父様たちも一斉に座席を埋めていく。ラビットケージが座る筈だった座席はA~Pまでの16列ある28番と11番A~Oまでの15列目までの31番と8番である。
サイドが埋まってる事をみたマリーは62席の座席を埋めて…中央に誘い込む作戦にシフトしたのである。
ちなみにマリーが半券購入に必要な資金をどこから工面しているかというと…主にマリーファンの叔父様たちから提供された物である。
水沢がとったこの作戦が後にゲームに大きな影響を及ぼす事になる。だが彼女たちはまだ理解できていなかった。これから待ち受ける未来と…このCROWNJOKERというゲームの全てを!!!?そうこの頃はまだ誰も理解できていなかったんだ。
第4話(オッズ10.0森川ミアの逆襲)
水沢が勝負に出た頃…マスタールームと呼ばれる1室ではスポンサーたちが近況を確認していた。
??「森川は予定通りに動いているな?森友」
森友「ええ!!蓮さんこちらの作戦通りですよ」森友がそう言った人物は森川のスポンサーで名前を不動連と言った。
森川のオッズは10.0で12人中…下から3番目の数値である。そんな森川に目を付けたのが不動蓮という男性で彼は金融会社の社長だった。
森友「蓮さんこれを見て下さい」そう言うと森友はとある資料を不動に見せる。
森友「現在中央1択の15議席で後のないように見える森川ですが…実際はそうじゃありません。」
森友「スクリーン4番の2本の上映で既にサイドは淺谷…森岡…浜谷…愛澤…Monrika‥エンリカの6名が抑えており…このまま行けば…森川が負ける事は間違いないでしょう?」
森友「ですが…勝負はここからです。」そう言うと森友は1枚のカードを取り出すと…マスタールー厶にある装置にセットする。
数秒後…装置が光り始めて埋まっていた筈の座席番号が消え始める。
ゲーム会場(特設フロア12F)C塔
森川ミア「来た来た!!?あんたたち買い時よ」森川のその合図で券売機の前に人がなだれ込み一斉に券を買い始める。
彼らは不動蓮の部下の男性たちで森川の仲間である。
森川たちは空席になった座席を金に物を言わせて買いまくり…見事に票をひっくり返した。その結果全てのサイド席は森川票に変わり…エンリカたちのチケットが無効に変わった。
森川ミア「にひぃっあっははは(笑)見たか!!?あの海砂利メス女め。この私の実力を」森川はそう高々に笑い…中指を立てて挑発するようなポーズをとる。
そんな事があるとも知らない愛澤えみりは呑気にワインを飲んでいた。
??「えみりさん大変です!!?」
えみり「どうしたのよ?そんなに汗だくになって?」
??「見て下さいこれを!!?」そう言うと男はとある物を見せ付ける。
えみり「誰がやったの?これ?」
??「森川です」
えみり「あのクソ女舐めてんの?こっちが死ぬ思いで取った議席何だと思ってるのよ!!!」そう叫ぶとえみりは悔しそうな表情を浮かべる
?「えみり落ち着けって!!?」
えみり「落ち着いてなんかいられないわよ!!」えみりはそう言うとワイングラスを壁に投げ付ける
ガシャンっ♪♪♪♪
?「はぁ…たっくお前なぁ大人なんだから少しは自制しろよ」
えみり「うっるさいわねぇ~?あんたもあんたでボサッとしてないで早く買って来なさいよ」
その様子を遠目で見詰めるノアはくすくす笑っていた。
ノア「あっははは(笑)」
Monrika「ノアちゃん笑ったらあかん。可愛そうやん(笑)」
ノア「そうは言っても笑えるものは笑えるんだもん」
ノア「てゆーか門ちゃんだって笑ってるのに私だけ悪者にみたいに言わないでよ」
Monrika「笑てないわ!!人聞きの悪い事言わんといてや」
ノア「嘘!!!絶対笑ってたもん!!」
Monrika「笑ろてへん笑ろてへん!!」
ノア「えぇぇ~~笑ってたよ」
Monrika「笑ろてません!!?」
Monrika「つか、そないな事どうでもええわ。それよりうちはそろそろ動くし…ここは任せたで」そう言うとモンリカは席を立ち入口の方に向かって歩き始める。
ノア「OK頑張ってねぇ~門ちゃん(笑)」モンリカは背中でノアに任しときと答えると…会場を出る。
時を同じくして…浜谷美波は空を眺めながら考えていた。
美波「君はさ…これ見てどう思う?」
?「ん?これって?」
美波「これだよこれ」そう言うと美波は呑気にショッピングモールの方を指差す
?「どうって?ショッピン…グモー…ル??」
美波「じゃ無くて私が言ってるのはこっち」そう言うと美波はショッピングモールの横で風船を配るクマの着ぐるみを指差す
?「えっ…とかわいい?」
美波「だよねぇ~?私もそう思ってたんだ?」美波は無邪気に笑うとニッコリ微笑みかける。少年は少しドキッとして顔を背ける。
美波「ねぇ?競争しよっか?」
?「競争?」
美波「そっ!!?どっちが先により多くの仲間を見付けられるか?」
?「えっうん!!」
美波「それじゃ行くよ。よーいどん」そう言うと美波は走り出してその場を離れる。少年は呆然としたが…数秒後に歩き始めた。
その頃…とある部屋の1室では…チーム松田が他のプレイヤーの近況を確認していた。
カチャカチャカチャっ
??「松田さま…スクリーン4で大きな動きがあった様です」
松田るあ「大きな動き?」
??「はっモニターに映します」そう言うと松田の部下は…先程の出来事の一部始終を捉えた映像を見せる。
松田るあ「なるほどなるほどそう来ましたか?」松田はそう言うと立ち上がり顎に手を付く
??「松田さまおそらく森川のスポンサーは不動だと思われます」
松田るあ「今年も懲りずに来たんですねぇ?不動さん?どーせ私に負けるのに。」そう言うと松田はトランプを並べ始める。
??「いかがなされるおつもりですか?」
松田るあ「そうだねぇ~?とりあえず…これを使おうかな?」そう言うと松田は…Aのカードを部下に見せる。
??「かしこまりました。その様に手配します」
??「黒岩」
黒岩「お呼びですか?城前さま」
城前「あぁ…プランβに移行する。準備に取り掛かれ」
黒岩「かしこまりました。」そう答えると黒岩という男は部屋を出てとある所へと向かい始める。
チーム松田…執事室
黒岩「これより作戦内容を説明する。聞き漏らすな」
部下たち「「はい」」
黒岩「我々は現在110の議席を獲得してはいるものの…ラビットケージが座る筈の座席を何者かに占拠された事で…62の座席が無意味となった。」
黒岩「その為1回目の上映でラビットケージが映画館に入室した場合は我々の負けが決まる」
黒岩「かと言って2回目に回せば勝率は半分以下に落ち込む。我々が選挙するスクリーン片側の8番と11番にラビットケージが座る確率はおよそ28%~45%の間だ」
黒岩「これを見てくれ。」そう言うと黒岩はとある資料を部下たちに見せる。
黒岩「これは過去のCROWNJOKERでラビットケージが座った座席の番号だ」
黒岩「傾向からしてスクリーンの上側のG~Pの間に集中している事が多く…その中でもJ~Mの間が多い」
黒岩「そこでプランβに移行し…より盤石な体制を整える必要がある。」
黒岩「ナギサ。あれを持って来い」黒岩にそう言われ一条ナギサはとある物を持ってくる。
黒岩「諸君らにはこれから…各チームの内情を探る為にスパイ活動をして来てもらいたい」
黒岩「ナギサとエリはマリーの監視を」
黒岩「ウランとサラは坂松の監視を」
黒岩「可能であれば彼女たちが独占するチケットを奪い…松田さまの元へお届けしろ。良いな?」
部下たち「「かしこまりました」」
話は少し前に遡る。
森川ミア「お願い!!Monrikaちゃん…この作戦に協力して欲しいの」
Monrika「そう言われてもな?うちらに何の得があるんや?」Monrikaにそう尋ねられた森川はMonrikaの耳元でとある事を呟く。
Monrika「ふーん?なるほどなぁ?」
Monrika「協力したってもええ。但し条件付きや」
森川ミア「条件??」
Monrika「奪った票のうち…2割だけうちにくれへんか?」
森川ミア「良いけど?2割で良いの?」
Monrika「あぁそんで充分や」そう言うとMonrikaはワインを手に取るとひとくち口に含む。
森川ミア「OKわかったわ。ホントにありがとう」
Monrika「ええよええよ気にせんとき。お互いの為やしな?」
森川ミア「ほんっとにありがとう…」そう言うと森川は部屋を出ていく。
??「Monrikaさま良かったのですか?」
Monrika「うちがええ言うたらええねん」
??「はぁ…しかし我々の取分が2割ではあまりにも少ないような?」
Monrika「心配せぇへんでも後でその票は取り返すつもりやさかい。あんた等は黙って私の指示に従ごうてたらええんよ」そう言うとMonrikaはワインを飲み干す。
Monrika「なるほどなぁ~?それええやん(笑)?」
??「恐縮でございます」
Monrika「ほな…とりあえず昼ごはんでも食いに行こか?」そう言うとMonrikaと男たちは複数台の車に乗り込んで何処かへと出かけて行った。
そして現在に至る。と言う訳である。
??「Monrikaさま…こちらがあの女の行動パターンを調べたデータでございます」
Monrika「どれどれ?何や?えらいトイレの回数多いな?」
??「おそらく我々に気付かれぬように何らかの作戦を練ってるものと思われます。」
Monrika「ふーん?まっ流石にあんたらでもトイレ駆け込まれたら手出せへんからな?」
Monrika「何かええ作戦は浮かんだか?」
??「私に一つだけ提案がございます」そう言うと男はMonrikaに耳元でとある事を呟く。
Monrika「なるほどなぁ~?それええやん(笑)?」
??「恐縮でございます」
Monrika「ほな…とりあえず昼ごはんでも食いに行こか?」そう言うとMonrikaと男たちは複数台の車に乗り込んで何処かへと出かけて行った。
ゲームはここから…さらに動いて波乱の展開を見せていく事になる。ここでMonrikaが森川に貸し付けた事でその後ゲームは…思わぬ方向へと進み始める事になる。森川の未来に待ち受ける運命とは?
第5話(2564分の1の確率)
Monrikaが部下である男と何かを話し合っていた頃チーム松田運営本部では…不審な動きを察知していた。
黒岩「松田さま…お伝えしたい事がございます」
松田るあ「言ってみて?黒岩?」
黒岩「まずはこちらをご覧ください」そう言うと…黒岩はとある監視カメラの映像をモニターに映す。
ピッ♪♪♪♪♪♪♪
松田るあ「怪しいね?これが何?」
黒岩「いかがなさいますか?」
松田るあ「音声は拾えないの?」
黒岩「試みましたが…拾うことは叶いませんでした」
黒岩「ただ…ゲームの半券獲得枚数を調べた所Monrikaと森川はスクリーン4番の全てのサイド席を埋めている事がわかりました」
松田るあ「なるほどね?全てのサイド席を?」
松田るあ「何とか2人の票を奪い取りたいねぇ~?何かいい方法はないかい?黒岩?」
黒岩「私に1つ妙案がございます」
黒岩「過去のラビットゲージの傾向から割り出した可能性として…K~Oの22番に座る可能性はおよそ45%」
黒岩「もし仮に…ラビットゲージがスクリーン4番に入室すれば…45%の確率でMonrikaが勝利を掴む流れとなります」
黒岩「ただこれはあくまで可能性。普通に考えればサイドの99議席を獲得している森川ミアが圧倒的に優位です」
黒岩「森川が抑えているのはA~Pまでの7番と8番とA~Jまでの20番と21番」
黒岩「うちスクリーン4で上映される16時45分の会においては存在する52議席を森川ミアが抑えております」
黒岩「2回目の上映会においてはA~Eの前列5席の7番席だけを森川ミアは有していません」
黒岩「対してMonrikaはスクリーン4番のK~Oの21番を1回目2回目共に全て抑えており…森川ミアが獲得できなかったA~Eの前列5席を有しております
黒岩「このまま2人がガッチリサイド席をキープすれば…ラビットケージはどちらかの席に6分の1で座る事になります」
黒岩「2人の内どちらかの席に座る可能性があるということは…我々が敗北する可能性があることも示唆しております」
黒岩「そこで私めは愛澤様にコンタクトをとりとある提案を致しました」
松田るあ「提案?」松田のその言葉に黒岩は「はい」とただ一言話し…事の経緯を松田に話し始める
数十分前…えみりのいるHOTELの中での事
??「えみり!!?電話だ?」
えみり「だぁーれ?」
??「さぁ?なんか黒岩とか何とか?」
えみり「くろっ!!?誰それ?」
??「うるせぇなぁとにかく電話に出ろよ」
黒岩「愛澤さま突然のお電話誠に申し訳ありません」
黒岩「私は松田るあ様にお仕えしている黒岩と申します」
えみり「松田の?」
黒岩「はい」
えみり「で?その松田の犬っころが私に何か用?」
黒岩「本日はあなた様に提案がありお電話致しました」
えみり「提案?私を舐めてるの?」
黒岩「いえっけっしてその様な事はございません!!?ただ…」黒岩はそう言うと…少し声のトーンを下げてとある事を話し始める。数分後…その話しを聞いたえみりはニンマリ笑うと黒岩にこう告げる。
えみり「そぉね!!?1つだけ条件があるわ」
黒岩「条件…ですか…?」黒岩のその言葉に愛澤は「そう!!?条件よ」と返しさらに続ける。数分後…話し終えた愛澤はワインをひとくち飲んでこう話す
えみり「どう?この条件が飲めないんだったら私は協力しないわよ!!?」
黒岩「大変…難しい条件ですが…それ以外に道はないのでしょう?」
えみり「当たり前じゃない!!?この私を誰だと思ってるの?あの愛澤えみりなのよ!!!?」黒岩は愛澤のその言葉に少し戸惑い眉を顰めて息を飲む。そして
黒岩「かしこまりました!!?その旨わが主にお伝え申し上げておきます」と返し電話を切った…。
チーム松田運営本部
黒岩「と言う事がありまして…」
松田るあ「で?それがこの条件って事だね?」
黒岩「作用で御座います」
松田るあ「しょうが無いねぇ?OK黒岩プランδに以降して」松田はそう言うと…ニコッと笑い紅茶をひとくち口に含む。松田のその言葉を聞いた黒岩は「かしこまりました」と返事をするとその場を立ち去って行った。
数時間後…とあるHOTELの1室
プルルルルっ♪♪♪♪♪
??「尾関くん私だ!!?」
尾関「君かね?どうした?」
尾関とは「桜井野の花」のスポンサーで大手IT関連企業を束ねる1200の会社の実質的トップだった。彼は有り余る財力で政界に幅を利かせており…裏世界にもその名を轟かせる重鎮で別名「財界のドン」の異名で知られた大物中の大物だった。
??「いやね?今回のゲーム私と手を組まないか?」
尾関「それをして私に何のメリットがある?」
??「まぁ話しは最後まで聞きたまえ」
??「君も知っての通りこのCROWNJOKERには合計で5つのゲームが存在する」
??「1st…2ndとステージが上昇していく毎にゲームの難易度は飛躍的に上がり…FINALSTAGEで毎年多くの人間が命を落としている」
??「ゲームの担保に「命」をBETした場合獲得できる…金額は通常の数億倍にまで膨れ上がるのは君も知ってるね?」
??「一見無謀に見えるこのゲームを勝ち抜く為には…プレイヤーの心理を読み解く事がキーポイントになる。極めて高尚なゲームだ」
??「そこでだ!!?我々は1つの妙案を思い付いた」男は意味深な声でそう言うと…尾関に何かを話し始める。数分後…話しを聞いた尾関はニンマリ笑うと「良いだろう!!?」とただ一言返し電話を切った。
そして…HOTELから見える景色を一望しながらワインをひとくち飲んで…「待っていろ!!?」とポツリと呟き部屋から出て行った。
丁度その頃ゲーム会場付近では…
浜谷美波「皆ぁいっくよぉ!!?」
男1「任せとけ嬢ちゃん!!?」
男1「行くぜ野郎ども!!?」
男たち「「おぉっ!!!?」」浜谷の号令で男たちは映画の半券を買い始める。それから数分後…会場付近のレストランでは…森川ミアが眉を顰めながら焦っていた。
森川ミア「なになになに?ちょっと待って!!?」
森川ミア「何で!?」
森川ミア「ちょっとちょっとちょっと5番と22番の「席」買い占めたの誰なのよ!!?」
Monrika「あっははは(笑)こりゃやられてもうたな?」
藤井乃愛「門ちゃん笑い過ぎだよ!!?」
Monrika「堪忍してくれ!!?謝るわ!!?」
Monrika「心の声(うちの計算通りやな?)」
Monrika「心の声(サイド埋めたら必ず誰かがそうするおもたわ!!?)」
Monrika「ミアちゃんどないする?今なら漏れなくこの半券5枚格安で譲ったんで!!?」
森川ミア「だっ大丈夫よ!!?」そう言うと森川はその場を後にすると足早に何処かへと向けて歩き始めた。ここでの判断がその後の森川の今後を大きく左右することになるが…彼女はまだ知らない。このゲームの本質を…そして自分の未来を…!!!?
ザザザァーーー
Monrika「西田!!?その女から目離したらあかんで!!?」Monrikaの指示をインカムで受けた西田という男は「心得ております」と返事をするとその場を後にして行った。
その頃…浜谷はというと…ゲーム会場付近で協力者の男性たちとニコニコしながら会話していた。
男1「所で嬢ちゃん何でこんなに5番と22番ばかり買ったんでい?」
浜谷美波「それはね?そこに意中の人が座るからなんだっ(笑)!!?」そう言うと…浜谷はティアモ君人形をポケットから取り出す
浜谷美波「このティアモくんを彼だとするだろ?」
浜谷美波「彼がこのゲームで座る座席は予め62席と決められてたんだ」
浜谷美波「美波が買ったのは彼が本来座るはずだった座席なんだよ!!?」
浜谷美波「本来の座席に座れなくなった彼は…仕方なく別の座席に座ろうとするっ(笑)」
浜谷美波「ただこの場合の倍率は鬼のように膨れ上がる」
浜谷美波「62の座席の中から…彼が座る場所を当てるよりずっと難しいだろうね?」
浜谷美波「けど…私はあえてそれをやってみた」
浜谷美波「理由は単純でそうしないとこのゲームで私は勝てないから」
浜谷美波「美波はさ?彼を私の隣の席まで誘導しようと思ってるんだ!!?」
男1「カードだっけ?森川の嬢ちゃんみてぇに使えばいいじゃねぇか?」
浜谷美波「もちろん!!?それを使えばこのゲームを簡単にひっくり返す事はできる」
浜谷美波「けどそうしないのは私はまだ切り札(JOKER)をきりたくないから…」
浜谷美波「それに372の座席の中から彼が探す座席を探すより…2564の座席の中から探す方が面白いじゃないか?」浜谷はそう言うと…不敵な笑みを浮かべて目を細める。
同刻…とあるHOTELの中
えみり「黒岩!!?松田から何か言われてないの?」
黒岩「主様からは今のところは何も…ただ貴方様にお仕えしろとの命令でございます」
えみり「本当かしら?それ?私に隠し事したらタダじゃおかないわよ!!?」
黒岩「滅相もございませんっ!!!?貴方様に嘘を付く事は我が主である松田さまの顔に泥を塗る様なもの!!!その様な事この私がする筈がありませんっ」
えみり「ふーん?大した忠誠心なのね?貴方のその姿勢は評価に値するわ!!?」
えみり「心の声(この男が何を隠してるかはわからないけど…まぁ良いわ!!?どんな隠し事をしても私の能力からは逃れられないって事を後で痛い程わからせてあげるわっ!!!?)」
えみり「心の声(うっふふっ(笑)!!?今に見てなさい!!!?)」えみりは心の中でそう呟くと…ワインを飲み干してニンマリ笑う。
パンッパンっ
??「お呼びでしょうか?愛澤さま」
えみり「えぇこれからあんたたちにひと肌脱いでもらうわよ!!?」
街の南西付近にあるカフェでは…浅谷と森岡が紅茶を飲みながら話し合っていた。
美怜「待ったかいがあったわ!!?」
森岡「僕らの予想通りになったわけだ!!?」
美怜「そのようね?」
森岡「あのタイミングで…彼女が動くことは折り込み済み…その上で君は僕と組んだ」
森岡「さすがだよ!!?」
美怜「それ程でもないわよっ!!!?ただここで…動かなかったら負ける…そんな気がしたのよっ!!?」
美怜「それよりこのゲーム私たちで絶対勝ち抜けるわよ」美怜は決意に満ちた表情でそう言うと…紅茶を飲み干す。
それから数十分後…とあるHOTELの一室では…森友が「しまった」という顔をしながら…眉をしかませていた。
森友「連さんやられましたねぇ?」
不動蓮「まぁ当然そう来るだろうなと思っていたさ」
不動蓮「だが心配するな…!!?」
不動蓮「全て私の計算通りだ」そう言うと…不動は不敵な笑みを浮かべてその場を後にして行く。ここで不動が動いた事でその後ゲームはさらなる動きを見せる事になる。がそれはまだまだ先の話しである。
時を同じくしてとあるビルの一室では
??「♠のAがここで奇襲?」
??「君はどう見るかね?」
JOKER「何も…?皆様にゲームを楽しんで頂けて私めは光栄でございます」
??「どーせ君が彼女に手を貸したのだろう?」
JOKER「はて?何のことやら?」
??「とぼけるな!!?「A」がここで勝って得をするのは君たち運営しかおるまい」
JOKER「黒鉄さまゲームを続けましょう!!?」そう言うと…JOKERは「ナイト」の駒を動かす。
黒鉄「ふんっ!!?しらばっくれおって」
??「うっふふっ(笑)いけませんわ!!?黒鉄さま?彼がお困りになっているではありませんか?」
??「所で次は私のターンで宜しいのかしら?」
黒鉄「好きにしろ!!?わしは暫く席を外す」
JOKER「おや?どちらに行かれるのですか?」
黒鉄「知れたこと?決まっておるだろう?」黒鉄という男はそう言うと…その場を立ち去って行った。JOKERはその背中をただ見詰めながらニンマリ笑い…黒鉄が敗退するのを心の何処かで確信していた。ただそれは…このゲームが意図する本当の意味が見え始めた事も意味していた。果たして…JOKERの狙いとは…?
第6話(JOKERと異能力)
その頃…浜谷美波のスポンサーである二条達也は考え事をしていた。
二条「もうあれから10年か?」そう言うと…二条は少し物憂げな顔をして…窓を開けて溜息を付いた。そして意味深な顔をして…空を見上げる。
その日はクリスマスイブの前夜で雪が降ってて…よく覚えてる。夜中にコンビニに行こうとした時の事だ。エレベーターの前に誰が置いたかもわからないクマのぬいぐるみが買い物カートの上に捨てられていた。
それを見て呆気に取られた二条は「何だ?これ?」と呟いて…目を細める。数秒後…突然クマの人形が動き出してこちらを見詰めてくる。
♪♪♪♪♪♪♪
??「ハッピークリスマスっ!!!!?」
??「貴方は招待されたのです…CROWNJOKERへ」
二条「っ!!!!??」
??「お受け取り下さい…これは貴方への招待状」
??「お受け取り下さい…これは貴方への招待状」
二条「何だよ?いったい?びっくりさせんなよ!!!?」二条はそう言うと…深い溜息を付いてうなだれる。
二条「つか…誰だぁあ?こんなイタズラを仕掛けた奴は?」そう呟いた二条はぬいぐるみをじっくり見やって…息を飲む。数秒後…何とも言えない恐怖を感じた二条は恐る恐る手紙を手に取って視線を少し下に落とした。
そこにはCROWNJOKERと記載されており…意味深な数字が刻まれていた。二条はそれを見ながら「♠の6」と呟いて…眉を潜める。時刻は夜中の2時。マンションの廊下には二条以外は誰も居ない。
不意に…車のエンジン音が響いたかと思うと…数名の男女の声が聞こえてきた。二条はポッケに手紙をしまうと慌てて部屋に戻って…ドアを閉めた。それから数時間後…深い眠りについた…二条は夢をみていた。夢の中の男は何かに追われてて…彼はただそれを見ていた。
明くる朝…目覚めた二条は…突然の出来事に困惑していた。目の前にはピエロのお面を被った訳のわからない男が居てゲームのルールを説明していたからだ。
JOKER「本日はお集まり頂き誠にありがとうございます」
JOKER「皆様にはこれより…5つのゲームをして頂きます」
そんな声が聞こえてきて…意識は遠のいていく。次に目覚めた時そこにいたのはニタァっとこちらを見詰めて笑う薄気味悪いピエロの姿だった。
二条はふとそんなことを思い出しながら…虹色に輝く1枚のカードを見詰める。
二条「切り札は最後までとっておく…か?あの子らしいな?」
??「元気ないな?二条?」
二条「いやっ(汗)そうでもないよ…ただ昔の事を思い出してただけさ…」
二条「それより…黒瀬順調なのか?」
黒瀬「順調も順調さ?」
黒瀬「これを見てみな?」
黒瀬「こいつは各プレイヤーに振り分けられたカードの能力をグラフにして数値化したもんだ」
黒瀬「まず「♠10」森川ミアの「BLACKJOKER」には(無効)の能力が備わってる」
黒瀬「こいつは1STAGEに付き2回までしか使えない分効果はデカい」
黒瀬「それから…「♦の4」櫻井野の花のカードには(強制)の力が備わってる」
黒瀬「このカードの怖い所は相手の意思を無視して複数人の人間を操れる所にある」
黒瀬「操られた相手は下僕のようになりさがり…1つのゲームが終るまでは野の花の(奴隷)となる」
黒瀬「但し使うには大小が伴い…野の花はカードを使用するたびに…JOKERに何かを差し出さなければいけない」
黒瀬「つまり1人操るならそれに見合った対価を「BLACKJOKER」に捧げる事が発動条件だという事だ」
黒瀬「♥2…愛澤えみりのカードには(魅了)の力が備わってる」
黒瀬「JOKERの力を発動中…えみりの目に見詰められた者は(魅了)されパペットドールとなる」
黒瀬「複数人同時に操れるという利点がある一方操れるのは異性のみに限り尚且つゲームで負けた時の損失額が大きくなるというデメリットがある」
黒瀬「つまりこの能力を用いてゲームに負けた場合…プレイヤーとスポンサーの双方は賭けたチップの5倍を支払わなくてはならない」
黒瀬「そして…♣の7「Monrika」のカードには(利息と貸付)という能力が備わってる」
黒瀬「このカードの能力発動中に「Monrika」が相手に何かを「貸し付けた」場合相手は「Monrika」から受けた「恩」を数倍以上にして返さなくてはならない」
黒瀬「例えば相手にワインを無償でプレゼントしたとしよう」
黒瀬「ワインを無償で与えた日から10分毎に利息が膨らんで行き…3時間が過ぎる頃には相手は「Monrika」に「高級車」を返済しなくてはならなくなる。という仕組みだ。」
黒瀬「もしも相手が利息分を返済しきれなかった場合…相手プレイヤーはその借金を返済し終えるまでMonrikaの命令に逆らえなくなる」
黒瀬「但し…カードの力を使いすぎればBLACKJOKERの力に身体が侵食されていき…JOKERカウントがフルカウントになると…Monrikaはそのゲーム中…うさぎの姿に変異して暫くの間意識と身体をJOKERに乗っ取られて他プレイヤーを無差別に襲うラビットドールへと変異する」
黒瀬「そして♠のA…浜谷美波のカードは「未来視」の能力が備わってる。カード発動中…浅谷の脳には同時に数千の未来が脳裏になだれ込んでくる」
黒瀬「浅谷は数千という未来の中から最善手を選び常に盤上を優位に運ばせる事ができるようになる」
黒瀬「但し…カードの力で本来訪れる筈の未来を変えるたび…BLACKJOKERのカウントが1つずつ増えていく。」
黒瀬「カウントがフルカウントに到達した時BLACKJOKERは「死神」となり…この世界へ具現化されゲーム終了まで浅谷の命を狙う暴君へと変貌する」
黒瀬「1つのゲームに区切りが付いたら…そこでBLACKJOKERのカウントは零になり再びカードに戻る。」
黒瀬「それが5名のプレイヤーが持つBLACKJOKERのカード効果の様です」
二条「各々のJOKER「切り札」はどれもチート級」
二条「何の能力も持たない人の身では抗うこともできないだろうね?」
二条「倍率の最も低い…浅谷(♠A)がBLACKJOKERを持つことによって得られる「未来視」の能力がこのゲームの「鍵」となりそうだね?」二条はそう言うと…窓の方を見詰めてフゥーと息を吐く
その頃…とあるビルの1室では愛澤えみりの笑い声が響き渡り…1人の男が愛澤のヒールに顔を擦り寄せていた。
えみり「うっふふっ(笑)!!?そうそう?良いのよ?」
えみり「いいわよ黒岩?さいっこうよ(笑)!!!?」
えみり「心の声(松田みえてる!!?貴方の部下は今ではこの私の下僕なのよ!!!?」
えみり「心の声(どう?みてこいつの顔!!魚が水を求めるように私を欲してるわよっ!!!?)」
えみり「心の声(これが私の能力(魅了)の力。目で見詰めただけで…男なら誰でも操れる。!!!?)」
えみり「心の声(この能力があればどんなことだって出来る!!!?そうどんな事でもね?)」
えみり「所で黒岩!!?あなたの主に関する情報を洗いざらい吐きなさい!!?」えみりはそう言い放つと黒岩の顔をヒールで踏んづけてニコリと笑う。
黒岩「はいっ♡愛澤さま(笑)っ!!?」
黒岩「あなたさまの為だったら何でも情報を話しますっ!!!?」
えみり「言ったわね?さぁ?まずは私に何を教えてくれるのかしら?」
黒岩「えっとぉえっとぉ1つ目は…!!!?」黒岩は幼稚園児の様な喋り方でそう話すと……松田るあに関する情報を洗いざらい話し始める。
えみり「ふーん?そんなことをしようとしてるのね?」
黒岩「はいっ!!!?主さま主さまぁ私にどんなご褒美をくれますか?」黒岩のその言葉聞いた愛澤はニンマリ笑うと…「そぉーねぇ!!?こんなのはどうかしら?」と一言呟いて…ワインをひとくち口に含むと黒岩の顔に吹き掛ける。そして…「どう?もっと欲しいでしょ?」と呟くと…ニンマリ笑う!!!?
数十分後…話しを聞き終えた愛澤は満足気な表情を浮かべて「うっふふ(笑)!!?いいわ!!?」「ご褒美をあげる」と呟いて飲みかけのワインを黒岩の口にゆっくりとたらし始める。
黒岩は「はぅっはぅっ」という声を出しながら…ワインを口に入れると至福の表情を浮かべる。
それをみた愛澤はニコリと笑いながら「そうそう?一滴も零しちゃ駄目よしっかり飲みなさい」と言うと…余韻に浸り始める。
その頃チーム松田運営本部では
??「松田さま大変ですっ!!?」
松田るあ「どうしたんだい?」
??「こちらをご覧下さい!!?」そう言うと…部下はモニターの映像を松田にみせる。
松田るあ「なるほどなるほどそう来ましたか?」
松田るあ「厄介ですねぇ?これが愛澤えみりのBLACKJOKERの力(魅了)」
??「いかがされますか?」
松田るあ「ほうっておいて良いよ!!?どのみち黒岩には機密情報は教えちゃいない」
松田るあ「ただ…場所を変える必要があるね?」
??「松田さまここ等はいかがでしょうか?」
??「ここは松田グループが経営する…HOTELで新宿区に隣接した都市にございます」
松田るあ「うーん?そこだと多分足がついちゃうな?」
松田るあ「出来れば彼女と揉め合うのは避けたい所だ」
??「ではこうしましょう!!?」そう言うと部下の男は1枚のカードを松田に見せ付ける。
松田るあ「はぁ…しょうが無いね?JOKERにはJOKERの力を当てなきゃ対向できない…か?」
松田るあ「良いよ!!?貸して」そう言うと松田はカードを宙に投げ付ける…するとカードが突然光り出し「ιaβbζoεU」と言う文字が浮かび上がる。
数秒後…BLACKJOKERが出現すると…巨大な扉が出現する。
松田るあ「じゃあ行ってくるよ」
??「お気を付け下さい!!?」
ガチャっ♪♪♪♪♪♪♪
松田るあ「ここは?」
?「待ってたよ!!るあ?」
?「僕の名はニア君の糧となるものさ」
ニア「人は僕らの事を時の管財人とも神の代弁者とも言う」
ニア「キミは僕に選ばれた」
ニア「さぁ手を出してご覧…君に力を授けよう」
♪♪♪♪♪♪♪
ニア「受け入れて僕はキミ!!?キミはボク」
ニア「僕らは一つになるんだ!!?」数秒後…松田の身体にニアが吸い込まれて1つとなる。
ニア「さぁ始めようかるあ?」
ニア「僕の声は君にしか聞こえない」
ニア「君の力は「記憶の管財人」
ニア「あらゆる事象を捻じ曲げて記憶を管理する」
ニア「さぁ…心でイメージして管理したい記憶がどこかを僕に教えてご覧」
数秒後…
えみり「あれ?私?なにやってたんだろう?」
えみり「黒岩?あんた?何やってるのよ?」
えみり「仕事に戻りなさい!!?」
黒岩「えっははいっ!!?かしこまりました。えみり様」
えみり「心の声(さっきあいつ(黒岩)から何かを聞いた気がするんだけど…?思い出せないわ?)」
えみり「心の声(何かしら?この違和感?)」
えみり「心の声(それだけじゃない…何か所々違う様な…?)」
??「どうしたんだよ?えみり?」
えみり「ん?黒崎?なによ?」
黒崎「何よ?って?お前がさっきこれ持ってくるように頼んだんだろ?」そう言うと…黒崎は書類を愛澤に手渡す。
えみり「そっ?そうだったわね?もう下っていいわ!!?」
チーム松田運営本部では
??「松田さま?何をされたんですか?」
松田るあ「いんや?彼女の記憶をちょっとばかし改ざんしたのさ!!僕らの都合の良いようにね?」
松田るあ「まぁ改ざんしたのは彼女の記憶だけじゃないけどね?」
松田るあ「それより…石田?君にちょっと頼まれて欲しい事があるんだ?」
松田るあ「いいかい?」
石田「はいっ何でしょうか?」
松田るあ「そうかしこまらなくても良いよ!!!?」
その頃…森川ミアは眉を潜めていた。というのも森川の手元に1通の手紙がどこからともなく出現したからだ
森川ミア「なに…これ?」森川がそう言って手紙に手を触れようとした瞬間…周囲の空間が変化する。
森川ミア「っ!!!?」
森川ミア「何処なの?ここ?」
森川ミア「何なのよいったい!!?」
??「森川さま…本日はお越し頂き誠にありがとうございます」
??「つきましては…我が主が貴方さまに貸し付けた利息分に関して…取り立てに参りました。」
??「我が名は「クルセ」♣の7を司るBLACKJOKERであり…主の力を象徴する存在」
クルセ「つきましてはあなた様に…貸し付けた利息分を返納して頂きたく参上いたしました」
森川ミア「なに?何の話し!!?」
クルセ「お忘れですか?」
クルセ「あなたは先程チケットをご購入される際我が主Monrika様より人員50名をお借りしましたね?」
森川ミア「それが何だって言うのよ?」
森川ミア「受けた恩ならとっくに返したわ!!?」
クルセ「まだでございますっ貴方が先程返済したのは…2分ぶんの利息のみ」
森川ミア「はぁ…?どういうこと?それ?」
クルセ「やれやれっ(笑)頭の悪いお姫様はこれだから嫌なのです」
クルセ「今すぐお返し頂けないのならこちらにも考えがあります。」
パチンっ♪♪♪♪♪クルセが指を鳴らした瞬間…森川の首元に♣7と刻まれた首輪が出現し…衣服が囚人服に変化する。
森川ミア「ちょっとっ!!!?何なのよこれ?」
クルセ「契約成立でございます!!これで貴方は我が主の意のまま…それでは私はここでおいとまさせて頂きます」クルセがそう言うと…周囲の空間が再び変化していく。
森川ミア「ちょっとあんたぁ!!?待ちなさいよ!!?これ何なの?」森川が言い終えるより先に空間は元に戻り…森川は新宿の空の下…囚人服でそこに残された。
数秒後…電話が鳴り響く♪♪♪♪♪♪森川は慌てて手に取るとスマホをそっと耳にあてる
Monrika「やっぱ怒ってる?ごめんなぁ?」
Monrika「ほやけど貸し付けた分しっかり働いてもらうでな?」
森川ミア「はぁ…あんたなっに」
Monrika「命令や!!?今すぐうちのところに来い」
森川ミア「んなとこ行けるわけっ」
森川ミア「っう!!!??」
森川ミア「はい…かしこまりましたMonrikaさま」
その時だった!!!?突然街中のスクリーンというスクリーンの映像が切り替わり…プレイヤーたちのスマホに1通のメールが送られてくる。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
??「やっほープレイヤーの皆?元気してる?」
??「僕はこのゲームの主催者の1人ラビだよ(笑)」
ラビ「今みんなのケータイに送ったのはゲーム参加の告知だよ(笑)!!!!?」
ラビ「なんとなんと!!!?このミニゲームで勝つと…豪華景品と無料チケット引換券200枚をプレゼント!!?」
ラビ「んじゃルールを説明するね?」
ラビ「23区間内にある…いずれのかの駅のコインロッカーに宝箱を隠したよ!!!?」
ラビ「プレイヤーのみんなは…迫りくるラビットドールから逃げ回りながら…ゲームを進めてもらう」
ラビ「ちなみに各々のラビットドールが背中に背負ってるBOXを開けたら…スペシャルヒントが入ってるよ」
ラビ「ただし…移動手段に関しては制限があって電車や車の類を使っちゃいけないよ。もちろん自転車もね?」
ラビ「君たちは自分の足だけで23区内にある宝箱の場所まで行き…ゲームクリアを目指してもらう」
ラビ「良いね??」
ラビ「無理だと思った?」
ラビ「ちなみに!!?ラビットドールの背中に乗って移動するのはありだから…ラビットドールに乗りこなせるぞぉーっていう人は是非ともチャレンジしてみてね!!!?(笑)」
ラビ「それじゃ僕はこの辺で失礼するね(笑)!!!?」
数秒後…モニターの画面が切り替わり…TVも含めたありとあらゆるスクリーンは再びいつもの画面に戻って街は活気を取り戻した。
第7話(能力発動)
坂松菜奈「ゲームかぁ?面白そうだな?」坂松はそう呟くと…顎に手を当てて少し考え込み始める。
このCROWNJOKERで坂松が勝つ為には1stステージを切抜ける事が鍵である。だが…現在の坂松の半券獲得枚数では…勝率はかなり低い。少しでも勝率を上げる為にはチケットの無料引換券が欲しい所だ。
坂松はそんな事を考えながら…頭の中で思案していた。1秒…2秒と時間が過ぎて行き…3分が過ぎた頃…坂松の耳に「ナナちゃん待った!!?」という聞き覚えのある声が響き振り返る。
坂松菜奈「ん?あぁノアちゃん!!?」
ノア「どしたのぉ?考えごとっ(笑)!!!?」
坂松菜奈「ん?ううん?何でも無いよっ!!?」
坂松菜奈「心の声(あっははっ(苦笑)移動手段が徒歩しか使えないから悩んでたなんて恥ずかしくて言えないよ)」
坂松菜奈「それよりノアちゃん?どうしたの?」
ノア「もぉおっ!!?約束したのに忘れてるでしょっ!??」
坂松菜奈「ごっごめん!!!?約束してたんだっけ(汗)!!?」
ノア「もぉおお~?まっいいやっ(笑)!!?」ノアはそう言ってニカッと笑うと…楽しげな声で「とにかく行こっ!!!?」っと話し掛けて坂松の手を引いて歩き始める。
それから数分後…ノアは少し真面目な顔をして…空を見上げて立ち止まる。そして…坂松にこう話し掛ける。
ノア「それにしても丁度いいタイミングのゲーム告知だったね?」
坂松菜奈「そうだね?」
ノア「ナナちゃんもゲームに参加するんだよね?」
坂松菜奈「う!!?うん勿論だよ(笑)」
ノア「そっかっ(笑)!!?じゃあ私と一緒だね?」
坂松菜奈「ねぇ?ノアちゃんはどうやって宝箱を見付けるつもりなの?」
ノア「適当に(笑)」そう言うと…ノアはニカっと笑う。
坂松菜奈「そっか?ノアちゃんらしいね?」
坂松菜奈「けど?どうするの?闇雲に探し回っても見付かんないよ!!?」
ノア「見付かるよ!!!?全部の駅を回れば良いんだよ!!?」
坂松菜奈「はぁ…?ノアちゃん話し聞いてた?」
坂松菜奈「全部の駅なんて徒歩だけじゃ回れないよ!!?」
ノア「何いってんの?徒歩なんて使わないよ!!?」そう言うと…ノアは遠くから爆走してくる一匹のラビットドールの方を見る…
坂松菜奈「何するの?」
ノア「まぁ今に見てて(笑)」ノアはニンマリ笑ってそう言うと…フッと息を吐く。数秒後…「いっくよぉ!!!?」っというノアの声が響き渡りBLACKJOKERが輝き始める。
坂松菜奈「ノっノアちゃん危ないよっ(汗)!!!?」
ノア「大丈夫だよっ(笑)」そう言うと…ノアは爆走してくるラビットドールを見てニカッと笑い…続けてこう言い放つ。
ノア「スペルベアーズ発動!!?」ノアがそう叫んだ瞬間に巨大なクマのぬいぐるみが出てきて…ラビットドールと対峙する。同時にクマのぬいぐるみの周囲を13枚のトランプが浮遊し始めて1枚だけが虹色に光り始める
ノア「◆の4かぁ!?にひっ野々花ちゃん能力を1回だけ借りさせてもらうね(笑)!!!?」ノアはそう言うと巨大なクマのぬいぐるみに◆の4と書かれたトランプを食べさせ始める。
そして「ベアーズ能力開放!!?」とノアがそう言った直後に巨大なクマのぬいぐるみは自身の片腕を引きちぎる。
数秒後…シュゥーーウゥ…そんな音と共に◆型の穴からはJOKERの手と顔がはみ出して…引きちぎられた片腕を吸い込んでいく。そして…鬼の形相で爆走していたラビットドールが突如としてノアの前で静止してゆっくり静かに跪いた。その様子を確認したノアはニコニコ笑いながらラビットドールに話し掛ける。
ノア「よしよしっいい子だね(笑)!!!?」
ノア「ナナちゃん何してるの?早く行くよ!!?」
坂松菜奈「えっ!?うっうん!!?」ナナはノアにそう促され…ラビットドールの背に跨ってノアの肩を掴む。数秒後…肩が掴まれた事を確認したノアは嬉しそうな顔をして…「出発進行(笑)!!?」と大声で叫んでラビットドールを走らせてその場を後にして行った。
時を同じくして…浜谷美波は考え事をしていた。現在…彼女は渋谷駅に居て手元には1本の「鍵」がある…そして周囲を歩く人々の目には街中を爆走するラビットドールは視認できてないようである。そんな異様とも言える状況を見ながら浜谷は立ち止まって青年に話し掛ける。
浜谷美波「ねぇ?キミはこれなんだと思う?」浜谷はそう呟き青年の方を振り返って不思議そうな顔をする。
??「さあぁ!!?そもそも何処にあったんスか?」
浜谷美波「そこ!!!?」浜谷はそう言うと…渋谷駅の方を指で指す。
?「うーん…なんでしょうか?今回の宝探しゲームと何か関係があるのでしょうか?」
浜谷美波「それがわかんないから君に聞いてるんじゃんっ(笑)!!?」
浜谷美波「けど?何かありそうだと思わない?」
?「確かにそう思いますが…」
??「あまり軽薄な判断はしない方が良いですよ」
浜谷美波「やけに難しい事言うねぇ〜(笑)!!!?」
浜谷美波「どういう意味?」
??「そのまんまの意味っスよ!!?」
??「何も関係ない鍵だったらどうするんですか?」
浜谷美波「わかんないよ!!?宝箱を開ける鍵かもしんないじゃん!!?」楽しげな声で浜谷がそう言った直後に…スマホが鳴り響く。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
浜谷美波「ん?もしもし?どうしたの?」
盛岡レナ「僕だよ!!?」
浜谷美波「どしたの?急に?」
盛岡レナ「ちょっとキミに話したい事があってね?」
盛岡レナ「今からボクが指定する場所まで来てくれないか?」
浜谷美波「場所によるなぁ?ミニゲームの最中だしっ!!!?(笑)」
盛岡レナ「すぐだよ!!キミは今渋谷駅だろ?」
盛岡レナ「信号の反対側を見てご覧?」そう言われた浜谷は信号の反対側を見る。
盛岡レナ「そこにクマのぬいぐるみを持った少女がいるだろう?」
盛岡レナ「道案内は彼女がするからとりあえず来なよ(笑)!!!?」
ツゥーーーツゥーーーツゥーーー♪♪♪♪♪♪♪
浜谷美波「ちょっ!!!?もしーもーし」
浜谷美波「もうしょうが無いなぁ?いきなり切っちゃうんだもん!!?」
数分後…とある部屋の扉をあけると盛岡が「やぁ」と言いながら…浜谷を出迎えてニコッと笑う。
そして彼女は「座りたまえ!!?待っていたよ!!?」と言うと…コーヒーをひとくち口に含む。
浜谷美波「うん!!!(笑)そうするね!!?」浜谷はそう言いながら盛岡の向かいの席に座ってジッと顔を見詰める。
盛岡レナ「今日君たちを呼んだのは他でもない」
盛岡レナ「ゲームに勝つ為だ!!?」
盛岡レナ「君たちも知っての通り…このCROWNJOKERは1stステージからFINALステージまであるのは知っているだろう?」
盛岡レナ「各々のステージのキーマンである…ラビットシリーズにはそれぞれ特徴がある」
盛岡レナ「例えば1stステージは(ゲージ)」
盛岡レナ「2ndステージは(ウーマン)と言った具合にね?」
盛岡レナ「僕の掴んだ情報によるとゲージと名の付いたラビットには♠2と書かれた鍵の付いた2枚のトランプが渡されていてその鍵はとある物を入手する為に必要な物らしい」
盛岡レナ「またラビットウーマンには♣のJと書かれた鍵の付いた別のトランプが渡されているようだ」
盛岡レナ「この鍵の番号が何を意味しているのかは僕にもわからない」
盛岡レナ「ただそれらを全て揃えると…何でも1つだけ願い事が叶うようだ」
盛岡レナ「一節にはトランプに封じ込められた魔人の力で願いを叶えるらしいが…その全容を知ったものはいない」
盛岡レナ「何故だか?わかるかな?」
盛岡レナ「今まで誰もカードを揃えた物がいないからだ」
エンリカ「ふーん?それで私たちを呼んだのね?」
盛岡レナ「ご明察!!?話しが早くて助かるよ」そう言うと…盛岡は2人にとある物を手渡す
エンリカ「で?何をして欲しいの?」
盛岡レナ「言わなくてもわかるだろう?僕に協力して欲しいのさ!!!?」
エンリカ「無理ね!!?そんな物があるんだったら私も全力でそのカードを奪い取りに行くわ!!?」
盛岡レナ「あっははは(笑)そう言うだろうと思ったよ(笑)!!!?」
盛岡レナ「そこで1つ提案がある」そう言うと…盛岡は紅茶をひとくち飲んでとある事を話し始める。
その頃…新宿駅では数十名の男たちがコインロッカーを組まなく探していた。
??「ないっここにも!!!?」
??「くそっ何処にあるんだ!!?」
?「どけ!!?えみり様からご褒美を貰うのはこの俺だ!!!?」
??「何をする貴様ぁ!!!?」そう言うと…スーツ姿の男はハチマキを付けた男の胸ぐらを掴み睨み付ける。
えみり「あぁ~はいはいそこまで」えみりがそう言って手をパンっパンっと叩くと男たちはバツの悪そうな顔をする。
えみり「今は仲間割れしないで!!?良い?みんな!組まなく探すのよ!!?」
男たち「「はいっ!!!?えみり様!!?」」男たちがそう答えた直後に背後から男が声をかける。
黒岩「えみり様お伝えしたいことが…!!?」
えみり「手短に言って!!?私は忙しいの!!?」
黒岩「かしこまりました」黒岩はそう言うと…愛澤の耳元でそっと囁く。
えみり「それは本当なの?黒岩!!?」
黒岩「はい…間違いございません!!?現在…渋谷…新宿…新橋…池袋…品川の5箇所を回りましたが…宝箱らしきものは発見できておりません!!?」
えみり「となると…もっと人手を用意する必要があるわね?」そう言うと…えみりは前方から歩いてくる会社員風の男性たちの目を見詰める。
数秒後…数十名の男たちが愛澤えみりの前にひざまづき…駅構内は騒然とする
???「えっ!!?なに?あの人たち!?映画かなんかの撮影?」
女2「ちょっとゆらちゃん失礼だよ!!?」
ゆら「だってキモいじゃん!!?」
えみり「良ぃい??あなた達…今から私が話すことをよーく聞きなさい」そう言うと…えみりは男たちにとある事を話し始める。数分後…えみりの「以上よ」という声が響き渡ると数十名の男たちが一斉に声を出して「「わかりましたえみり様」」と大声で叫ぶ。愛澤えみりはその様子を満足気に見詰めながら…微笑み…その場を後にしていく。
ちょうどその頃…櫻井野の花は優雅にTタイムを嗜んでいた。野の花の足元には首輪を付けた3匹の下僕が居て…後ろには2匹の召使いがいる。
野の花の能力は「強制」JOKERに対価を支払うことで…対象の人物に隷属の首輪を付与する事ができる能力である。隷属の首輪を付与された人物は…誰であろうと野の花のペットととなり…その命が尽きるまで生ける下僕となる。
野の花がこうした優雅な逆ハーレムライフを送れるようになったのには理由がある。少し前の事である。
櫻井「心の声(にしてもこの能力不便ね?対価って何を払えば良いのよ?)」野の花がそんなことを考えていると赤く染まるひし形の月がその目に飛び込んでくる。次の瞬間…どことも知らない場所に野の花は転移していた。
櫻井「…!!?ここは?」
??「やぁよく来たね?野の花?」
??「まぁ座って」少年はそう言うと優しく微笑む。
櫻井「あなたは?」
??「僕かい?僕は♦の4を司る存在…リル・ハートネット」
リル「みんなは僕のことをリルって言うよ(笑)!!!?」そう言うとハートネットと名乗った青年は優しくニッコリ微笑む。
櫻井「で?私に何か用?」
リル「何だか迷ってるようにみえてね?」そう言うと…リルは紅茶をひとくち口に含む。
櫻井「別に?迷ってなんかないわよ?」
リル「だったらどうして能力を使わないんだい?」
櫻井「…何でって?あのくそみたいな化け物に何を差し出したら良いかわかんないのよ!!?」
リル「あっははっ(笑)!!!?そう思うのも無理はないね?」
リル「OK野の花!!?昔話をしよう!!?」
リル「むかしむかしあるところに強欲な王様がいました。王様はことある事に全てを欲しがり民草から…とあるモノを回収して回った。ある日のこと怒った民衆はとうとう暴れ出し王様に刃を向けました」
リル「このとき王様はどうやって暴徒と化した民衆から自分を守ったんだと思う?」
櫻井「そっそんなこと私に言われてもわかんないわよ!!?」
リル「とっても簡単さ…それはね?」そう言うと…ハートネットは野の花に耳元でとあることを呟いた。数秒後…野の花の意識は薄れていきやがて気を失ってその場にへたり込む。それを見た…ハートネットはニコッと笑い紅茶をひとくち口に含んで空を見上げる。
それから数時間後…永い眠り目覚めた櫻井野の花の指には赤く光る指輪が嵌め込まれていた。
野の花「やばいっ!!?行かなきゃ行けない所があるんだった!!?」そう言うと…野の花は足早に部屋を出てとある所へと向い始める。
目的地へと行く道中ふと野の花は「これは」と呟く…指輪の方に目を向けると…不意に声が響き渡り…道路を走っていた車が静止し野の花以外の人物の動きが止まる。
リル「それは僕からの餞別さ!!?好きに使うと良い!!?1ステージに付きプレイヤー以外の10人の人物までならノーリスクで…他者を操れる」
リル「ただし…10人を超えると…指輪に瘴気がなだれ込み徐々にひび割れていく」
リル「臨界点を超えてその指輪が割れた時…キミの魂は「(ネルヘンデ)」に幽閉されて2度と現世に戻ることはない」
リル「いいね?よく覚えておくんだよ!!?」
櫻井「ちょっ!!?どういうことなのよ!!?それ?」
櫻井「待ちなさいよ!!?」
♪♪♪♪♪♪♪♪♪数秒後…時は動き出し…静止していた車が走り出して人々が動き始めた。街はいつもの賑わいを取り戻し活気に満ち溢れて…野の花はただ呆然とする。突然…後ろから響いた怒鳴る青年の声で我に帰った櫻井はその場を足早に走り去っていく。
そして数時間が経過した後に…野の花こと…櫻井野の花は3人の奴隷と2人の召使いを連れて新宿の高層タワーでワインを嗜みながら…必死に走り回るプレイヤーたちを嘲笑っていたのだ。
プップップップルルルルル♪♪♪♪♪♪♪♪
??「…何!!?何か用」
櫻井「元気そうね?進捗具合はどう?」
??「別にいつも通りよ!!?それよりなに?」
櫻井「あっはは(笑)!!そう身構えないで!!?ただ貴方に1つ耳寄りな情報を教えてあげようかと思ってね?」そう言うと野の花は電話越しの女に何かを呟く。
??「本当なのそれ?」
櫻井「本当よ!?」
??「わかったわ!!?」
??「但し…場所-時間-日付に関する詳しい日程はこちらで決めさせてもらう?相違ないな?」
櫻井「うふっ!!?かまわないわっ(笑)」野の花はそう言うと電話を切ってワインを飲み干す。
??「野の花さま…いかがなされるおつもりですか?」
櫻井「うっふふふっ(笑)心配しなくていいのよ…井手」
櫻井「全てこの櫻井野の花さまに任せなさいっ!!!?」野の花はそう言ってニンマリ笑うと…井手の頭を撫で始める。
時を同じくして…都内にある喫茶店では2人の女がそれぞれの取り分について話し合っていた。
マリー「良い?マリーの取り分は報酬の50%と…この…緋色に輝く紅の指輪を無効化する為に必要なアンチツール諸々一式。」
マリー「あんたの取り分は残りでいいね?」
美怜「かまわないわ!!?」
マリー「なに?何か不満そうだね?」
??「マリーちゃんみぃちゃんが困ってるよ!!?」
美怜「あっはは(笑)ありがとね?桃ちゃん」
美怜「私の事は良いの…それよりほんっとにありがとう!!?」
マリー「別に…」
マリー「それよりその子に感謝しなよ!!?じゃなきゃ誰があんたなんかと…」そう言うとマリーは不満気な顔をしてその場を立ち去ってゆく。数秒後…浅谷は…張り詰めた空気から解放されたからか……「ふぅっうう~~~!!!?疲れたぁ…」という声を漏らして伸びをする。それ見た桃は思わず笑って美玲に話しかける。
桃「あっはははっ(笑)みぃちゃん顔から湯気でてるよ」
美玲「だって人に交渉事を持ち掛けるのなんて久々だったんだもん!!?」
桃「みぃちゃんらしいねっ(笑)!!?」
桃「よしっと!!?そいじゃ私もこの辺で失礼するね(笑)!!!?」
桃「バァイバァーイっ(笑)!!!?」桃と呼ばれた少女はそう言うと大きく手を振って足早にその場を立ち去ってゆく。それをみた浅谷は満足そうな表情で紅茶を飲み干すと一言呟く。
美怜「さてっと鬼と出るか?蛇がでるか?」
その頃…坂松とノアはラビットドールの背に跨りながら街中を疾走していた。
坂松菜奈「ちょっちょちょ!!!?ノアちゃん前見て前!!?車!!車!!?」
ノア「大丈夫だよ!!!?」ノアはそう言うと…巧みにラビットドールをコントロールしながら車を避けながら進んでいく!!!?
坂松菜奈「大丈夫じゃないよ!!?ここ反対車線!!?」
ノア「大丈夫!?大丈夫!!!?捕まってて!!?」
ノア「ひょいっひょいっひょいっとっ(笑)!!?」
ノア「イケイケ!!?ラビたんそんな車より速いことを証明するんだ!!?」
坂松菜奈「ちょちょっノアちゃん飛ばし過ぎだよ」
ノア「にっひひっ(笑)!!?心配性なんだね?ナナちゃんは!!!?」
ノア「ねぇ?これ見て?」そう言うと…ノアはナナを後ろから抱きしめながら1枚の写真を見せる。
ノア「これね?私のじいちゃんなんだ?」
ノア「私が小さい頃…じいちゃんは私のために何でも欲しい物を買ってくれた。」
ノア「ほんとに優しくて大好きなおじいちゃん。でもね?私が小学校2年の頃突然亡くなったんだ!!?」
ノア「当時…7歳だった私は何が起きたかもわからないままだった…」
ノア「14歳になったある日のこと…爺ちゃんが私のために昔買ってくれた時計の中に何かが挟み込んであるのがわかったんだ」
ノア「それがこのカードと!!?1本の鍵」
ノア「ナナちゃん私ね?この鍵とカードの謎を探れば爺ちゃんがあの時私に何を伝えたかったのか?わかる気がするんだ…」ノアはそう言うと…物憂げな表情をして空を見上げる。
ノアがそんな話しをしてから数十分後…2人はようやく目的地である池袋駅に到着した。
駅構内は平日でも人は多く…慌ただしい雰囲気であった。この池袋駅には十数カ所以上のコインロッカーが存在し…合計で25ヶ所を回らなければならない。駅に付いたノアたちは…ラビットドールから降りると…構内を探索し始める。
坂松菜奈「ノアちゃん!!!?私は向こう側を回るね?」
ノア「オッケェー!!!?にひっ(笑)!!?絶対宝箱見付けようね!!?」
坂松菜奈「うんっ(笑)!!!?」ナナはそう答えると3番出口側に走り去って行った。ノアはその様子を満足気な表情で見ながら…44番出口方面へと向けて歩き出した。
数分後…3番出口に付いたナナは…コインロッカーの探索をし始める。
ガチャンっガチャ…ガダンっ♪♪♪♪♪無人のコインロッカーが開く音が駅構内に響き渡り…時が流れる。数十秒後…不意に誰かがナナに話し掛ける。
Monrika「ナナちゃんもここにおったんか?」
坂松菜奈「えっ!!!?わわっ!!?門ちゃん!?」
Monrika「奇遇やな?うちもここに宝箱探しに来たんや!!?」
Monrika「1人か?」
坂松菜奈「うっううん!!!?ノアちゃんと一緒だよ!!?」
Monrika「なるほどな!!?そうなるとわてらは結構ふりかも知れへんな?」
Monrika「なぁ…!!!?ナナちゃん?1つうちらと協力せぇへんか?」
坂松菜奈「協力!!??」
Monrika「そや!!?協力プレイっちゅう奴や!!?これ見てみ?」そう言うとMonrikaはナナにとある防犯カメラの映像を見せる。
Monrika「このミニゲームで最大の敵はえみりや!!?」
Monrika「うちが掴んだ情報によると…えみりの能力は(魅了)っちゅう能力らしい」
Monrika「この能力の厄介な所は男なら誰でも無制限に操れるっちゅう所や!!?」
Monrika「えみりはこの能力を駆使して…現在100人以上の男たちを操りながら各駅を回ってローラー作戦を実施しとる!!?」
Monrika「このままいくとこのミニゲームの勝者はえみりで間違いないやろう?」
Monrika「ほんでや!!?ゲームに勝つ為に一時休戦といかへんか?」
坂松菜奈「はぁ…わっ私は良いんだけど?ノアちゃんが何て言うか?」
Monrika「何や?ノアと一緒なんかいな?」
Monrika「うちに任しとき!!?ノアの方は何とかしたるさかい!!?」そう言うと…Monrikaは自身ありげな表情をして「ほなよろしくな?」と言ってその場を後にして行った。
第8話 (偽億)
時を同じくしてチーム松田運営本部では
カチャカチャカチャカチャカチャ
??「松田さま現在…渋谷…上野…原宿…神田そして秋葉原の5箇所の駅を回りましたが…宝箱を発見できておりません」
松田るあ「なるほどなるほどそこにもありませんか?」
松田るあ「となると…そろそろえみりちゃんに動いてもらうしかないかな?」そう言うと松田は愛澤に電話を掛け始める。
プップップップルルルルルっ♪♪♪♪♪♪♪
えみり「なに?何のよう?」
松田るあ「そろそろ貸しを返してもらおうと思ってね?」
松田るあ「ボクの能力は知ってるだろう?」松田のその言葉を聞いたえみりは…少し舌打ちしてこう問い掛ける
えみり「いったい?何が目的なの??」
松田るあ「そんなに難しい事じゃないさ…ただね?」そう言うと松田は愛澤えみりに…小声で何かを呟いた。数秒後…愛澤は「わかったわ」と呟いて電話を切る。そして間髪入れずに愛澤に黒岩が声をかける。
黒岩「愛澤さまどなたからのお電話でしょうか?」
えみり「貴方の主よ!!!?黒岩!!!?」
えみり「心の声(くそっやられた!!?松田の能力なら考えようによっては私を操れる)」
えみり「心の声(考えなさいえみり何か手立てはあるはずよ…)」
えみり「心の声(だぁあああ!!!?もうだめ!!!?何も思い浮かばないわ!!?)」
えみり「いったい私にどうしろって言うのよ!!!?)」そう言うと…えみりは壁を手で叩くと苛立ちを募らせる始める。何故愛澤えみりがここまで焦っていたのか?それには3つの大きな理由がある。
1つ目は松田るあの本当の能力によって愛澤えみりの記憶の一部が改ざんされた事で愛澤は松田の能力を(貸付と利息)だと勘違いしていた点。
2つ目は…すでに松田から1000万リラを借りたと思い込んでいたえみりは…あと2時間以内に2000万リラを用意しなければ…利息分の返済ができないと勘違いしていた点。
そして…最後の3つ目は返済が間に合わない場合…愛澤は松田の能力によって(奴隷)にされると思い込んでいた点。
この3つの大きな勘違いにより…愛澤は大いに焦り心を乱していた。そして最後に松田は愛澤の記憶を改ざんしこうも付け加えた。能力を解除する唯一の方法は松田が提示する7つのミッションをクリアする事が前提条件であり…その為にはまず松田の願い事を3つ聞く必要がある。とね?その為えみりは松田の無茶な願いを聞き入れて…現在苛立っていると言う訳である。
えみり「あぁ~もぉう!!!?何なのよ!!いったい!!?」えみりはそう言うと大声で叫び怒りを顕にする。
黒岩「恐れながら愛澤さま失礼します」
えみり「どうしたの?1人にしてって言った筈よ!!?」
黒岩「申し訳ございません…!!?」
黒岩「今回の松田さまからの提案に関して私から1つ申し上げたい事がございます」
えみり「提案?」
黒岩「はい提案でございますっ!!!愛澤さまどーかこの私めに15人程人材をお貸しになって下さいませ!!!?」
えみり「15人?そんなに人を使って何をするつもりなの?」
黒岩「私の記憶によると愛澤さまは…現在松田さまから1000万リラをお借りになられていますね?」
黒岩「そして…あと数時間以内に2000万リラを返済出来なければあなた様は松田さまの能力により生けるパペットドールと成り果ててしまう」
黒岩「また…その能力を解除する為には7つのミッションをクリアする必要がある。そうですね?」
えみり「そおーよ!!!?それがどうしたの?」
黒岩「実は我が主…松田るあさまの能力を解除する方法は他にもございます」
えみり「あんた?本気で言ってるの?」
黒岩「はい!!!?勿論でございます!!!」
黒岩「こちらをご覧下さい!!?」そう言うと…黒岩は数枚のカードを見せ付ける。
黒岩「これは私が…とある筋から入手した物でございます」
黒岩「この鍵の付いたトランプを3枚集め…フォックスリースと唱える事で他者に付与されたBLACKJOKERの能力を解除する事が可能となっております」
えみり「本当なの!!?それ?」
黒岩「はい!!?間違いございません!!!」
えみり「けどそれがわかった所で何だって言うのよ!!!?返済期限はあと2時間なのよ!!!?」
黒岩「とりあえずは松田さまに2000万リラをお返しになって下さい!!?」
黒岩「その間に私が15人の部下と都内を回りカードを集めて参ります!!?」
黒岩「この方法であれば…4000万リラを返済しなければならない次のタイミングまでに能力を解除できます」
黒岩「いかがされますか?」
えみり「そぉーねぇ?少し考えさせて」
えみり「心の声(ミッションをクリアするには最低でも数日はかかる)」
えみり「心の声(その間に私が松田に返済しなければなら無い金額は最低でも5億は超える)」
えみり「心の声(上手くカードを集められたらそんな心配しなくてもいいけど…?)」
えみり「心の声(だぁ〜もおう!!!?わかんないわ!?)」
黒岩「愛澤さま!!!?愛澤さま!!!?」
えみり「なに…?考えさせてって言ったでしょ?」
黒岩「私の事が信用できないのであれば同時進行で7つのミッションをクリアする方針で動いて下さいませ!!!?」
黒岩「そうすれば…最小限の損失でこの危機を乗り越える事が可能でございます」
えみり「…かったわ!!?」
黒岩「はっ?」
えみり「わかったって言ったのよ!!!?」そう言うと…えみりは扉の前で立ち止まり部屋を出て行こうとする。
えみり「黒岩!!?今すぐカードを集めなさい!!?」
えみり「人員は好きに使って良いわ!!!?」
黒岩「かしこまりました!!!?」黒岩のその言葉を聞いたえみりは扉を閉めてその場を立去って行った。
その頃…浜谷美波は空を眺めながら考え事をしていた。というのも浜谷の手元にはこの状況を打破できるカードが無かったからだ。
目の前には…沢山の人だかりがあって…街には多くの人が行き交っている。一見すると何でもないこの風景の中で…浜谷は考えていた。
浜谷美波「心の声(どうしたらいいんだろう?)」
浜谷美波「心の声(私…足がないんだよね?)」
??「美波ちゃん!!?どうしたの?」
浜谷美波「んっ!!?えっとねぇ~?考え事をしてたんだっ(笑)!!!?」浜谷はそう言うと…ニコッと微笑みかける。
??「考え事ですか?にしても寂しいっすね?うちら置いてけぼりじゃあないですか?」
浜谷美波「そう正しくそれなんだよっ!!?」
浜谷美波「はぁ~ほんとにこれで良かったのかな?」
??「しょうが無いですよ!!?美波ちゃんは車や電車の類には乗れない訳ですし…こうして遠隔で皆の後方支援に回るしか…?」
その時だった。街中のスクリーンというスクリーンの画面が切り替わり…1通のメールが送られてくる。
ラビ「やっほぉー皆エンジョイしてるっ(笑)!!!?ラビだよ!!!?」
ラビ「どうどう?もう宝箱は発見できたかな?ってんなわけないよねっ(笑)!!!?」
ラビ「ピンポンパンポーン!!!?ここで皆にお知らせがあるよ」
ラビ「とある番号の書かれた鍵を渋谷駅周辺の何処かに隠したよっ(笑)!!?」
ラビ「その鍵をハチ公像周辺にいる老婆に渡すととても良い事があるよ(笑)!!!?」
ラビ「詳細はメールにして皆のケータイ電話に送信したから是非是非チェックしてね(笑)!!!?」
ラビ「そいじゃあボクはこの辺で失礼するね(笑)!!!?」
ラビ「まったぁね〜(笑)!!!?」ラビがそう言った瞬間に再び画面は切り替わりいつもの画面に戻る。
??「何が送られてきたんすか?」
浜谷美波「んっとねぇ〜?ちょっと待ってね!!?」そう言うと…美波はスマホを取り出してメールをチェックする。数秒後…メールをみた浜谷は呟く。
浜谷美波「なるほど!!!?そっか!!?この鍵その為の物だったんだ!!!?」
浜谷美波「やったぁ!!?にひひっ(笑)!!!?」
??「どうしたんすか?急に?」
浜谷美波「えっへへっ(笑)秘密!!!?」
浜谷美波「それより行こっ何とかなるかもしんないよ!!!?」浜谷はそう言うと…青年の手を引いて何処かへと走り始める。
そう言って…話すの浜谷の目は希望に満ち溢れていた。一方で松田に記憶を改ざんされた…愛澤と黒岩は松田の思い通りに動かされていた。そして浜谷が手にしていた「モノ」とはいったい何だったのか?
第9話 (傀儡)
浜谷が何かを閃いてから数十分後…黒岩は15名の人員をフルに活用してカード集めに奔走していた。
古松「黒岩さん!!!?こっちにもありません!!?」
?「こっちもですっ!!!?」
黒岩「馬鹿なっ!!!?よく探せ!!!?何処かにある筈だ!!!?」
古松「というかそもそもカードなんてほんとにあるんですか?」
黒岩「ある!!!?この街の何処かに必ずある筈だ!!?」黒岩はそう言うと…眉間にシワを寄せて不機嫌そうな顔をする。数秒後…霧が立ち込めて来て…何もない空間に変異し始める。
黒岩「なっ!!?何だここは?」
??「フッフフ…(笑)!!!?やぁ驚かせてすまないね?」
??「僕はネロ!!?このゲームの管理者の1人さ!!?」
黒岩「管理者だと…?」
ネロ「そっ!!!?君がやってたことは一種の不正行為でね?悪いが時間を戻させて貰った」
ネロ「フッフフ…(笑)!!?訳がわからないって顔をしてるね?」
ネロ「まぁわからないのも無理はない…何せ君がさっき触れたカードはこの世界の事象を捻じ曲げる触れてはならない禁忌の果実だ」ネロはそう言うと…1冊の本をパタンっと閉じる。数秒後…黒岩の身体は小さくなり本の中へと吸い込まれていった。そして懐かしむ様な目でそれを見ながらポツリと呟く。
ネロ「さぁ…見せておくれ!!!?君たちが選んだ道の先を…!!!?」
それから数分後…やけに耳元で煩く騒ぐ男の声が響いてきて黒岩の意識は戻る
「黒岩さん!!?黒岩さん!!!?黒岩さんどうしたんすか?」
黒岩「はっ私はいったい?」
??「覚えてないんすか?いきなり意識失ったみたいに黙りこくるの辞めてくんないすか?」
??「何かあったらえみりさんに怒られるの俺なんでっ!!!?」男は呆れながらそう言うと…やれやれと言った顔をする。
黒岩「あっあぁすまない高槻っ!!!?」
高槻「それよりカードにあと一歩の所で逃げられちゃったみたいすね?」
黒岩「何故?そんなことがわかる?」
高槻「黒岩さんの顔を見ればわかるッスよ!!?」
高槻「これは俺の推察なんですが…恐らく黒岩さんはカード使用者の条件を満たして無いんでしょうね?」
高槻「だから…ガラスのA(ネロ・ハートネット・ペイン)に弾き出された…!!?」
黒岩「条件だと…?そんな馬鹿な?私が知っている情報では…?」
高槻「どうやら…黒岩さんが知ってる情報とうちらが知ってる情報に食い違いがあるようだ…」高槻は溜め息混じりにそう言うと…フッと息を吐く。そして「まずは順を追って説明しましょう!!!?」っと言うと目を細める。
その頃…Monrikaの傀儡と成り果てた森川ミアは…都内にあるとある場所で水沢と対峙していた。
マリー「なに?そこどいてくれない?」
森川ミア「どけない…!!!?」
マリー「はぁ?私を舐めてんの?」
マリー「つか?あんたそんな生気のないキャラだっけ?」
マリー「なに?その服?ダサいよっ!!!?」水沢は不満気な顔でそう言うと…「まぁ良いわっ!!!?」と言ってBLACKJOKERを発動させようとする。
数秒後…何処からともなく…囚人服を着た男が突進してきて水沢が吹き飛ばされるっ!!!?
マリー「つぅっ!!!?何すんのよ!!!?」
森川ミア「加藤…!?そいつを抑えてて」
マリー「辞めてっ!!!?マリーにこんなことしてタダで済むと思ってんの?」
男「全ては…主様の為に…!!!?」
マリー「ふざけた事言わないで!!!?」
森川ミア「加藤は何もフザケてない…それよりこれは回収しておく…貴方には過ぎたる力!!?」そう言うと…森川は「νbεe゛βbκb(ψo)τo」と大声で叫ぶ数秒後…水沢のBLACKJOKERが宙に浮いて何処かへと向い始めるっ!!!?
マリー「待って!!!?私のカードがっ!!!?」
マリー「ねぇ?あれ?マリーのだよ!!?」
森川ミア「あのカードはもう貴方の物じゃない…」森川はそう言うと…その場を後にして行った。
数分後…森川の手を離れたカードは…Monrikaの前でピタッと静止して止まる。それを見たMonrikaはニンマリ笑って「でかした森川っ!!!?」と言ってカードを掴み取る!!!?
??「Monrikaさま?上手くやりましたね?」
Monrika「せやな?ほたら早速使わしてもらおか?」Monrikaはそう言うと…2枚目のBLACKJOKERを発動する。数秒後…愛澤えみりの様子がおかしくなって急に黙り込む…。
??「えみり様えみり様!!!?っどうされたんですか?」
愛澤「別に何もしてないよっ!!!?ちょっとトイレに行ってくるわね?」
??「はっかしこまりました!!?」
トイレに着いたえみりはスマホを取り出して何処かへと電話をかけ始める。
プップップップルルルルルっ♪♪♪♪♪♪♪
愛澤「Monrikaさま成功でございます」
Monrika「まさか?ほんまに出来るとはな?ええか?他の人間には怪しまれたらあかんで!!!?」
愛澤「心得ておりますっ!!!?」
本物のえみりはと言うと…自身が置かれた状況に困惑していた。
えみり「心の声(待って待って待って!!?何が起きてんの?何で私の顔こんなおっさんになってるわけ?)」
??「おいっ田中ぁ!!?早くドア開けろよ!!!?」
えみり「心の声(いやいやいやあり得ないんだけど…何で私こんな鷲鼻ブスになってんのよ!!?)」
えみり「心の声(えぇっ!!!?ちょっと待ってよっ!!?何なのこのキノコ!!!?)」
えみり「心の声(無理無理無理っ!!!?これ何っ!!!?やだぁ…気持ち悪い)」
えみり「心の声(あっ!!!?何か擦ってたら気持ちよくなってきた…男の身体ってこんな感じなの?)」
えみり「心の声(ってんなことしてる場合じゃないんだってっ!!!?)」
えみり「心の声(まずは状況を整理するのが先よ!!!?)」
ドンドンドンっ♪♪♪♪♪♪♪♪
??「田中ぁ!!!?早くしてくれ漏れそうなんだ!!?」
えみり「うっううん!!!ちょちょっと待って?」
??「はぁ?いつまで待たせんだよ!!!?さっきトイレ流す音聞こえたぞっ!!!?」
えみり「えっあいやまだ出し切ってないというか?」
??「出し切ってないって何だよ!!!?ちょっもう勘弁してくれよっ!!!?」
えみり「いやっあはは(汗)!!!?ごめんね?」
ドンドンドンっ♪♪♪♪♪♪
??「いやっお前笑ってんじゃねーよ!!!?人の事からかってんだろ?」
えみり「からかってなんかないわよ!!!?」
??「やっぱからかってんじゃねーか?んな野太い声でわよっなんて言われても何も感じねぇーの!!?」
えみり「心の声(こっちはビンビンになって感じてますっ)」
えみり「心の声(ってんなカミングアウトしてる場合じゃないんだってとにかく状況を整理しなきゃっ!!!?)」
??「それより早くしてくれよ!!!?こっちはもう我慢の限界なんだよっ!!!!?」
えみり「心の声(私も我慢の限界なんですっ!!?あぁイッた…!!!?)」
??「田中ぁ田中ぁ田中ぁ?何無視してんだ?てめぇ!!!?おいっちょっと待てって!!!?」
えみり「それはこっちの台詞!!?」
えみり「心の声(どうしちゃったの?私の身体!!?やぁん!!?変なものがドピュドピュ溢れ出してる)」
えみり「もぉどうしよぉぉっ!!!!?」
??「いやっ意味わかんねぇーよ!!!?」
えみり「もぉお!!!?とにかく待っててっ!!!?」
??「はぁ?ふざけんてんじゃねーよ!!!?急にオカマキャラ演じ始めてトイレ待って下さいアピールとかしてんじゃねーよ!!!?こっちは漏れそうなの?」
ドンドンドンっ♪♪♪♪♪♪♪
??「おいっ田中ぁ!!?ちょっお前早くしろって!!?ガチで漏れそうなんだよ!!?」
えみり「心の声(もぉ何なのこれ?最悪っ何で私よりにもよってこんなおっさんの顔になってんのよ!!!?どうなっちゃうの私っ!!!?)」
えみり「心の声(とっとにかく…何とかする術を考えなくちゃ)」
??「おいっ田中ぁそろそろ開けないとガチでグーパンだからな!!!?」
えみり「ごめんっすぐ出るよっ(汗)!!!?」
それから数分後…自身が置かれた現状を理解した愛澤は深い溜息を付いてトイレを出た。そして…青ざめた顔をして「何なのこれ?」とポツリと呟く。
第10話 (奇襲)
そしてそんな事があってから数時間の時が経って(Monrika)が不敵な笑みを浮かべていた頃…彼女の部下である(田中)と精神が入れ替わった(愛澤)は自暴自棄になっていた。
えみり「うるさい!!?うるさい!!?うるさい!!?放して!!?もう自殺する!!?」
??「田中お前何やってんだよ!!!?落ち着けって!!?」
えみり「落ち着いてなんかいられないよ!!?こんな身体になって生きていける訳ないじゃん!!?」
??「何いってんだよ?お前30年ぐらいずっとその身体使ってんだろっ!!?」
えみり「使ってない!!!?こんな身体初めて!!?」
??「初めてってお前?何でそうなんだよ!!?まるでトッポ買ってくれなかった時の子供みたいな顔してるけど?」
えみり「そんな顔してない!!?」
??「とにかく一旦落ち着こう!!?なっ!?」
えみり「なっ!!?じゃない!!?返して」
??「だぁ~もぉうわかったよ!!?はい」
えみり「これ何?」
??「この前借りてた5000円!!?つかそもそもお金返してくれないぐらいでそんなむくれるか?」
えみり「いらないよっ!!?そんなお金!!?そんなはした金で私を釣れると思った?」
??「なぁ?お前?どうした?変だぞ?」
えみり「もしかしてまだ私が男だと思ってるの?」
??「心の声(思ってますけど?何か?)」
えみり「なにっ?その顔?何とか言ったらどうなの!!?」
??「心の声(こいつ何言ってんだよ?)」
??「いやっとにかく落ち着け!!?田中!!?お前気が動転してんだよ」
えみり「してないよ!!?私はいつもこう!!?」
??「心の声(いや全然違うけど?お前?いつもそんな喋り方じゃないじゃん!?)」
??「心の声(はぁ…ガチでどうすりゃ良いんだよ!!?)」
??「心の声(高さん流石におかまの相手はできませんよって!!?)」
えみり「ねぇ?聞いてるの!!?私の顔ちゃんと見て!!?」
髙橋「心の声(いやっ無理無理無理っ!!!?)」
髙橋「とにかく落ち着け田中ぁ!!!?」
髙橋「お前頭うって変になってるんだよ!!?」
えみり「何が?何も変じゃないよ!!?変なのはそっち!!?ちゃんと私を良く見て!!?」えみりにそう言われた男はまじまじとえみりの姿を見詰める。
えみり「どう?何か見えるでしょ!!?」
髙橋「いやっおっさんしか見えねぇーよ!!?」
えみり「何でそんな事言うの?ほんとの私が見えて無いっ!!?」
高橋「ちょっ!!!?おいっ待てって田中ぁ!!!?はぁ何でこうなんだよ?」
一方でその頃…水沢麻里奈は(Monrika)に両手両足を縛られて身動きが取れずに居た
Monrika「マリーちゃん!!?ごめんなぁ…?うちもしとうてしてる訳やないんや!!?」Monrikaはそう言うと…少し申し訳無さそうな顔をする。
マリー「ふーん?少しは悪い事したって気持ちがあるんだね?」
マリー「ねぇ?所でさぁ…私のカードどこやったの?」
Monrika「カード?そんなんうちは知らへんで!!!?」
マリー「嘘辞めよっか?知ってるよ?」
Monrika「知らへんなぁ?幻でも見たんちゃうか?」
マリー「めっちゃ嘘つきだねぇ!!?私にそんな嘘通じると思った?」
Monrika「そないなこと言われてもマリーちゃん?知らへんもんは知らへんねん!!?」
マリー「ふーん?まだそんな事言うんだ?」
マリー「さっきの2人?門ちゃんの差し金だよね?」
マリー「マリー知ってるよ…それぐらいっ!!?」
Monrika「何でそうなるねんな!!?うち以外の誰かがやったんかもしれへんのに!?」
マリー「へぇー?まだしらばっくれるんだ?そっちがその気なんだったらこっちにも考えがあるよ!!?」水沢はそう言うと…目配せをして誰かに合図を送る。
数秒後…Monrikaの部下たちが倒されて行き…彼女の後頭部に銃口を突き付ける。
マリー「これで形成逆転だね?さぁどうする?」
水沢のその言葉を聞いたMonrikaは観念した様な顔で「はぁ」っと深い溜息を付いて「負けた負けた取ったんはうちや」と言って両手をあげる。そして少し声のトーンを抑えてこう話し始める。
Monrika「どうしても返して欲しい言うなら方法が無いことも無い!!?ただ1つ条件がある」Monrikaはニンマリ笑ってそう言うと…水沢にとある事を話し始める。
その頃…愛澤えみりの身体を牛耳った田中はその能力をフルに使って男共をこき使っていた
愛澤「まだなの?早くなさいっ!!!?」
??「愛澤さまっ!!!?もう少々お待ち下さいっ!!?現在くまなく探しております」
愛澤「その言葉は聞き飽きたわっ!!?もう少々もう少々もう少々?いったいいつまで待たせれば気が済むの!!?」
愛澤「ねぇ?そこのブタさん?喉が乾いたわ!!?」
?「すぐに用意しますぅこの大杉命に変えても愛澤たんの役にたってみせまする!!?」
愛澤「だったら早く動いて!!?あなたの無駄なセリフが長いせいであたしの喉がどんどん乾くの!!?」愛澤扮する田中のその言葉を聞いた大杉は汗だくになりながら荒い息遣いで…コーラを持って来て愛澤の前にひざまずく。
大杉「おっお待たせしましたっ!!?」
愛澤「遅いっ!!?コーラを買いに行くのに何分かかってるの!!?いらないわこんなものっ!!?」そう言うと…愛澤は買って来たばかりのコーラを手に取ると蓋を開けて大杉に頭にかけ始める。
その様子をホテルにいる従業員たちがクスクス笑いながら見ており…大杉という太った男は愛澤扮する田中のイジメの的になっていた。
?「うっふふ(笑)!?なにあれ~あのブタもう終わってんじゃん?うけるぅ~!!?」
??「しっ!!?佳穂!!?気付かれちゃうよ!!?」
佳穂「大丈夫でしょ!!?どーせブタには何も出来ないんだから!?」
??「それもそっかぁ(笑)!!?うっふふ(笑)」
??「うっふふふははははっ(笑)」そしてその様子を遠目で見守る…中谷という男はとある所へと電話をかけ始める。
プップップップルルルルっルルルっ♪♪♪♪♪
中谷「松田さまお伝えしたい事が御座います」
松田るあ「なんだい?えみりの事かい?」
中谷「はいっ!!?私の気の所為かとも思われるのですが先程から愛澤さまの動きに不審な点がみられます?」
松田るあ「不審な点?どういうことだい?それは?」
中谷「はっ数時間程前から…急に動きがおかしくなり…先程までとは別人の様で御座います」
中谷「これは私の推察ですが…松田さまのカードの効果が意味を為していないように思われます」部下の男はそう言うと…自分の考えを話し始める。
数分後…男の話しを全て聞き終えた松田は…電話を切って考え事をし始める。
松田るあ「心の声(おかしいな?私の能力で彼女は誤認してるはずなんだけど?どういうことだ?)」松田は心の中でそう呟くと紅茶をひとくち口に含む
数秒後…部下の男が話し掛けてきて松田にとある提案を持ち掛ける
?「松田さま!!?失礼ながらここは黒岩さまにコンタクトを取ってみてはいかがでしょうか?」
松田るあ「愚策だね?そんな事をしなくてもあいつは必ず動く!!?」
?「確かに!!?ですが…把握する上で黒岩さまの力は必須になるはずですっ!!?」
松田るあ「いやっそうでもないよっ!!?現状を把握したいだけなら…えみりちゃんの側に忍ばせてる部下たちだけで充分さ」
松川「悩まれていますね?松田さま?」
松田るあ「!!!?」
松田るあ「松川か?どうしたんだい?こんな所へ?君の仕事は別にあるはずだよ?」
松川「申し訳ございません松田さま!!?この松川誠に勝手とは思ったのですが貴方様にお伝えしたいことがあり参上致しましたっ!!!?」
松川「現在松田さまは手駒にしていたと思い込んでいた駒が予想外の動きを見せて困惑している?そうですね?」
松川「百戦錬磨の貴方さまと言えどこの局面で悩んでしまうのは無理もありますまい?そこで私から一つ提案がございます」部下の松川という男は自身に満ちた顔でそう言うとニンマリ笑う。
そしてひと通りの事を話し終えると「いかがですか?松田さま?」と言って松田をジッと見詰める。
数秒後…あまりに突拍子な話に部下の千田が呆れたような顔をして松川に話し掛ける
千田「馬鹿な松川?本気で言っているのか!!?」
松川「もちろん私は本気でございますよっ千田さま?(笑)!!?それに現状を乗り切るにはこれしか手はありますまい?」
千田「そんなこと松田さまがやるはずがなかろう場をわきまえよっ!!!?」
松田るあ「くっくくっあっはっはっはなるほどね?千田?それぐらいにしてやりなよ!!?」
千田「しっしかし…松田さまこのままでは私の気持ちが…!!!?」
松田るあ「いや良いっ!!!?それでいこうじゃないか?」
千田「貴方さままで何を言っておられるのです?」
松田るあ「まぁまぁ落ち着きなよっ(笑)!!!!?」
笑いながらそう話す松田の目にはこの時全てが見えていた。そして彼らが報告するよりもずっと前に愛澤の異変に気付いていたのだ。この時「松川」が持ちかけた「提案」が後に「大騒動」へと発展する「起爆剤」へと繋がるが…まだ誰もそのことには気づいていなかった。
第11話 (決意)
それから数時間後…チーム松田運営本部は相変わらず慌ただしい動きを見せていた。
??「松田さまっ!!!?愛澤えみりが予定とは少し違ったポイントに居るようです」
松田るあ「そう来るだろうと思ったよ!!?それも含めて計算通りさ!!?」
??「はっしかしこのままでは…」
松田るあ「良いんだ?白鳥っ!!!?どうやら彼女の身体を牛耳ってる奴はこちらが仕掛けているGPSにも気付かないぐらいおマヌケみたいだしね?
松田るあ「いいかい?このまま彼女をジッと見ておくんだ!!?」
松田るあ「必ずボロが出る筈さっ!!!?それより白鳥…さっき調べて欲しいと頼んだ件についてはもう調べはついたかい?」
白鳥「はっその件についてなら…既に調べはついておりますっ!!!?」
カチャカチャっカチャカチャ
白鳥「まずはこちらをご覧くださいっ!!!?これは数時間前の渋谷区内の上空ですが…確かに光り輝く物が物凄い速度で空を突っ切っている様子が撮影されてました!!!?」
白鳥「そしてこの時間帯プレイヤー名「水沢麻里奈」が2枚保有しているBLACKJOKERの内の1枚の所有権が他のプレイヤーに変更されています」
??「やっぱりね?僕らの睨んだ通りだ?」
白鳥「ええっそしてそのプレイヤー名こそが貸付と利息の能力を操る(Monrika)さまでございました」
松田るあ「なるほど?彼女だった訳か?どーりで骨が繋がらない訳だ??」松田は…納得したような顔で顎に手を添えると…少し目を細める。
数時間前の事である…えみりの異変に気付いた松田るあは思案していた。
松田るあ「何故君はそこにいるんだ?愛澤えみり?」松田はそう言うと…怪訝な顔をして紅茶をひとくち口に含んで…目を閉じて考え事をし始める。
松田るあ「心の声(おかしい?進む進路…行動パターン…予想目的地。そのどれもが…こちらが叩き出した情報とはまるで別人だ?)」
松田るあ「心の声(私の予想に狂いがあったのか?いやっそんな筈は無いっ彼女があの愛澤えみりなら…必ずここに来るはずだ!!?なのにどうして?)」
松田るあ「心の声(くそっ!!?ニア?どうなってる?)」
ニア「さぁ…詳しい事はボクにもわからない」
ニア「ただ…あそこにいる彼女が先程までの愛澤えみりじゃない事だけは確かだね?」
ニア「保有している記憶が違い過ぎる…!!!?」
ニア「そう?言うなれば…誰かと誰かの身体をチェンジしたかの様だっ!!!?」
ニア「こんなことが出来るのは僕が知り得る限り1人しか居ないけど…何故彼女をターゲットに選んだかまではわからない…記憶に「鍵」がかかってるからね?」
松田るあ「心の声(そうか?君でもわからないのか?)」
ニア「あぁこれは(NUMBERS)と呼ばれる…特別な番号をその象徴として持ってる数名のJOKERの内…(Q)の称号をその身に宿している者の力さ」
ニア「唯一僕がアクセス出来ない…最後の権限を持ってる彼女の名は「フィリア・メロ・エスティライヒ」
ニア「皇帝エスティライヒの后であり…最弱にして無敗の(NUMBERS)」
ニア「彼女に逆らうことは僕らでも許されてはいない。そう言うなれば…これは…」ニアはそう言うと…不敵な笑みを浮かべて松田に何かを告げる。
数秒後…松田の意識が戻り…男の声が松田の耳に響き渡る。
??「松田さま!!?松田さま!!?どうかされましたか?」
松田るあ「んっあぁ?どうした?白鳥?」
白鳥「お気を確かに持って下さいっ!!!?貴方がしっかりしなければ…どーにもなりませんよ!!!?」
松田るあ「わかっているさ…ただ今回の案件ちょっとだけ厄介な事柄みたいなんだ?」
松田るあ「恐らく彼女はもう我々が知っている愛澤えみりではないのだろう…?」
白鳥「と言うと?」
松田るあ「BLACKJOKERの力だよ!!!?彼女は何らかのカードの力によってもう既に…別人に成り果てている」松田はそう言うと…紅茶をひとくち口に含んでフゥーっと息を吐く
数分後…立ち上がった松田は白鳥にとある事を告げる。それを聞いた白鳥は「かしこまりました」とひと言返事をするとその場を立ち去って行った。
そんなことがあったのが…約数時間前の出来事で現在…松田は集めた情報を有用に使い偽えみりを懐柔する方法を探している訳である。
その頃…当の愛澤えみり本人はというと…全ての人生に途方に暮れてショッピングセンターまで来ていた。
えみり「はぁ…あたしどうなっちゃうの…?」
えみり「心の声(20代でキャバ嬢として成功!!?その後引退後に会社を設立。全てが順風満帆だと思ってた矢先にあの男の投稿を見付けてこの訳のわからないゲームに参加してこの有り様)」
えみり「心の声(突然30過ぎのブス男(♂)超がつくぐらいの奴)と身体が入れ替わるし)」
えみり「心の声(こんなカサカサの肌じゃ…誰も私が女だって認めてくれないっ!!!?)」
えみり「心の声(その上胸なしエリンギ持ちじゃもぉ人生真っ暗ぁ!!!?)」
えみり「心の声(プライドを取り戻す為に始めたゲームで全てを失う事になるなんて?どおうしたらいいのよ私?)」
えみり「うっぅううぅ…(泣)」
??「ママァ…あのおじさん泣いてるよ!!?」
母「シッ放っておきなさいっ!!!?きっと何かあったのよ!!?」
?「おっほほほほ(笑)!!?嫌ですわね?奥さま?あのさっきのあの男!!!?自分の事女だって言うのよ」
???「いけませんわよっ!!!?鈴木さん気が動転して頭が変になってるんですよっ!!!?」
鈴木「無理よ大体何なの?あの無精ひげ女だって言うならまずは永久脱毛なさいよっ!!!?」
鈴木「ねぇ?それより園原さん!!!?この前のTVみた?」
園原「えぇもちろんですよ!!!?ウッフフ(笑)!!?さっきのあの男もあのTVに出てたクマみたいな大男みたいに女装して一旗上げるつもりなのかしら?」
鈴木「さすがにそれは無いんじゃない??」
園原「やだ!!?鈴木さんあの男こっちを睨み付けてますよ!!!?」
鈴木「もぉおやだやだっ!!?早く行きましょ」
同刻…渋谷区にある高層タワーでは…えみりの身体をBLACKJOKERの力で乗っ取った…Monrikaの部下である田中が定例報告をしようと…スマホをその手に持っていた。
プップップップルルルルルルっルルルっガチャン
愛澤「Monrikaさまっ!!!?ご報告遅れました」
Monrika「田中か?どや?えみりの身体は?」
愛澤「はっ私の性に合っているのかとても馴染んでおります!!!?それよりもお伝えしたいことが…」田中はそう言うと…Monrikaの耳元でこれまでの経緯を告げ始める。
それを聞いたMonrikaはニンマリ笑って不敵な笑みを浮かべて田中に話し掛けるっ!!。
Monrika「田中あ?ほたら…第二段階に移ろかっ!!?」
愛澤「第2段階?というと?いよいよあれをするのですね?」
Monrika「せやっ!!?気合い入って来たやろっ!!?」
愛澤「はいっ今からとても楽しみで御座いますっ!!?」田中のその言葉を聞いた「Monrika」はニンマリ笑ってひと言二言何かを告げると電話を切った。
数秒後…田中は入り口に立たせていた男にこちらに来るように目配せすると…耳元でそっと息を吹き掛ける。
??「ああぁ…愛澤さま…何を?こんなとこを部長に見られたら私が怒られてしまいますっ!!?」
愛澤「ウフっ(笑)!!?もう貴方の《《コぉコ》》…?パンパンだもんね?」
愛澤「どうしてあげよっかなぁ(笑)!!?」田中はニンマリ笑ってそう言うと…男の耳元にかぶり付いてそっと息を吹きかける。
そして田中が愛澤の身体を使い好き放題していた頃…本物の愛澤えみりは心を取り乱していた。
えみり「心の声(ダメっダメダメダメダメ!!?私の身体でそんなことしないでぇ〜っ!!!?)」
えみり「心の声(もぉお何なの今の嫌な予感?一瞬だけ私の頭の中に嫌な映像がなだれ込んできた」
えみり「とにかく前を向くのよ!!!?えみり!!!?」
えみり「心の声(決めたわ!!!?絶対取り戻す!!!?私の顔も身体も…地位も名誉も…一生こんな男の身体で過ごすなんてまっぴら!!!?)」
えみり「心の声(いいっ?どこの誰だか知らないけど私の身体を奪ったこと必ず後悔させてあげるわ!!!?)」
えみり「心の声(まずは手始めにこうよ!!!?見なさい!!!?貴方が戻りたくて貴方の身体に戻った瞬間に貴方は即刻変態コース!!!?)」
えみり「心の声(ウッフフフ(笑)!!!?さぁ覚悟なさい?まずはこの男が勤めてる会社についてひと調べよ!!!?)」
えみりは決意に満ちた表情で心の中で呟くと…ニンマリ笑って空を見上げる。そしてショッピングセンターの屋上から見える町並みを見詰めながら誓ったのである…「もう逃げはしない」と。
第12話 (大逆転)
あれからいくらかの時間が経過して宝探しゲームでまんまと全員を出し抜いた浜谷美波は「空」を見ながら考えていた。
美波「心の声(ここに引換券が数百枚…そして…宝探しゲームの報酬である「クラウンヘッジ」がある)」
美波「心の声(私はこれを上手く有効活用して…1stステージを何とか切り抜けなきゃいけない)」
美波「うーん…困ったなぁ?ノープランだっ!!?」そう呟いた浜谷に青年が声をかける。
??「なぁーに言ってんですか?美波さんっ!!?」
??「あの時みたいに…やっちゃえばいいじゃないすか?」
美波「あんなのたった1回しか使えない小手先のイカサマだよっ!!?もう2度と同じ手は彼女に通用しないっ!!?」
??「そうなんすか?てゆーかそれ?どうするんです?」
美波「それを今考えているところ…ねぇそれよりキミはさ…このカード?どう思う?」
??「クラウンヘッジでしたっけ?使ったらいいじゃないすか?確か…1回だけ全てのJOKERの能力が使えるんでしょ?」
美波「まぁね?勿論私もそのつもりだよっ!!?ただね…こう思うんだ…使い所は真剣に選んで使わないと…後で後悔する事になる」
??「まぁそんなもんすよっ!!?それより俺は昨日の報復であいつが何かしてこないか?そっちの方が心配ですっ(笑)!!!?」
美波「確かにっ(笑)!!?くひひっ!!?そうだよね?よしっ決めたっ!!?これから…ノアちゃんたちと会ってくるっ!!?」
美波「このゲームで勝てたのは2人のお陰みたいなもんだしねっ(笑)!!?」浜谷はそう言うとニンマリ笑ってその場を立ち去って行った。
そして…見事に狙いがハズレた「Monrika」陣営は苛立ちを募らせていたっ!!!?
Monrika「何やっとんねんっ!!?大田ぁ!!?何であんなことしたんやっ!!?」
大田「申し訳ございませんっ!!?Monrikaさまっ!!?」
大田「この大田一生の不覚っ!!?浜谷の策謀に気付けませんでしたっ!!?」
Monrika「気付けませんでしたやないっ!!?あと一歩の所でわての勝ちやったのに…お前のせいで全部おじゃんやがなっ!!?」
大田「しっしかし…Monrikaさま…あの女が持ってたこの鍵についてはこちらが確保致しましたっ!?」
Monrika「そんなんあの女の釣りやっ!!?そんな鍵持ってても何も意味ないっ!!?はよ棄ててまえっ!!?」Monrikaはそう叫ぶと…大田をジッと睨み付ける
数秒後…ガチャっという音が響いて…女が部屋に入ってくる。
愛澤「Monrikaさまっ!!?ご報告申し上げますっ!!?昨日捕えた男が脱走致しましたっ!!?」
Monrika「何やてっ!!?もう次から次へとなんやねんっ!!!?くそぉっイライラするっ!!!?」
Monrika「ちゅーかっ!?田中ぁお前何やっとったんやっ!!?」
Monrika「えみりの身体つこてるねんやったら男共は自由自在に動かせる筈やっ!!?」Monrikaはそう叫ぶと机を叩き付ける!!!?
数秒後…その様子を見た愛澤はMonrikaに話し掛ける
愛澤えみり「ふーん?門ちゃん?私にそんなふうに偉そうに命令してたんだね?」
Monrika「はっ?何言うとんや?田中ぁ?」
愛澤えみり「田中じゃないよっ!!?私はえみりっ!!?」えみりはそう叫ぶと…涙を目に浮かべながらこう言い放つっ!!!?
愛澤えみり「皆ぁっ!!?私の人生を台無しにしようとしたっこの女をとっ捕まえてっ!!?」
数秒後…数十名の男たちが…Monrikaの部屋に押し入って彼女の動きを封じるっ!!?
Monrika「離せやっ!!?何すんねんっ!!?」
愛澤えみり「離さないよっ!!!?ねぇ門ちゃんっあの息が詰まる様な独房で私とゆっくり話そっか?」
何故こうなったのか?少し前の事である。身体を取り戻す決意を固めた愛澤えみりは…田中という男が務めていた会社について調べていた。
会社名は…「LSO」ここ最近出来た新興会社でとある男性が起業した会社だった。特に力をいれているのはベビー用品で…赤ん坊のオムツから…子供用の玩具まで手掛けている。そして…親元の会社は…大手IT企業であり…政界を始めとして様々な分野にその力を精通しているらしいとの事。えみりはここまで集めた情報を精査して考え事をしていた。
えみり「心の声(おかしい?どーしてベビー用品を扱う会社の親会社がIT企業なの?)」
えみり「心の声(まぁ…でも元々は誰かが起業した会社で…倒産のうねりを受けてそうなったのかもしれないわね?)」愛澤は心の中でそう呟くと…コーヒをひとくち口に含むっ!!!?
えみりが現在居るのは都内にある「ネットカフェ」あのまま仕事をして内部調査を進めても良かったが愛澤えみりはせめてもの嫌がらせを兼ねて男の身体を使って上司を殴り付けて…辞職していた。
えみりがそう決断する迄に実に「数日」という時間を要した。その間に宝探しゲームは進み…訳もわからないままゲームは終わっていた。えみりはそれらの情報をCROWNJOKER本部より最初に貰った専用アカウントにアクセスして掴んでいた訳である。
数分後…席を立ったえみりは…ドリンクバーがある方へと向い…コーヒーを入れる。ふと辺りを見渡してみると…漫画の本や雑誌。お菓子などが置かれていて…所々の席に男たちが居て爆睡している。えみりはそれを見ながら…立ち止まって少し考える。
えみり「心の声(能力が使えてた頃は目で見詰めるだけで…男たちを操れてたけど…)」
えみり「心の声(今はそれもできない…はぁ…まるで売れ無いキャバ嬢時代に戻ったみたいだわ…)」
えみり「心の声(にしても…宝探しゲームで負けてたのは痛いっ!!?まぁ悪意のある他人が私の身体を牛耳ってるんだからしょうが無いけど…)」
えみり「心の声(そもそも何でそうなるのよ?って感じだわっ!!?1stステージが終るまであと3日…その間に身体を取り返さなきゃ…私の人生はドブに堕ちる)」
えみり「心の声(今まで築いた物も…地位も…名誉も全てが水の泡になる。まぁ…こんな身体になった時点で終わってるのかもしれないけど…)」
えみり「心の声(とっとにかく頑張るのよ!!?えみりっ!!?必ずっ!!?どーにかしてみせるわっ!!?)」愛澤は心の中でそう呟くと…コーヒーを飲み干して…カップをゴミ箱に捨てて…何処かへ向けて歩き始めた。
この一連の出来事があったのが約数時間前で現在…愛澤えみりは…Monrikaと対峙している訳である。
ネットカフェをでた後に果たして彼女の身に何が起こったのかについては…読者の想像に任せようっ!!!?ただ1つ言える事は…奇跡的な偶然が重なり…現在「愛澤」は…自身の身体を取り戻したという事だっ!!!?
そして…これから「Monrika」は愛澤が言う独房の中でゆっくりと尋問されていく事になる。この大逆転劇の裏で何が起きて…浜谷がどの様に勝利したかについては後ほど「過去回想」の中で説明するつもりでいるのでどーか宜しくっ(笑)!!!?
追記予定の原案〘どれにするかは検討中の原案〙
第1案
〘1stSTAGE〙→〘372分の1ゲーム〙
〘2ndSTAGE〙→〘ラビットレース〙
〘3rdSTAGE〙→〘ポーカーブロック〙
〘4thSTAGE〙→〘shuffleAbility〙
〘FINALSTAGE〙→〘CROWNJOKER〙
第2案
〘1stSTAGE〙→〘372分の1ゲーム〙
〘2ndSTAGE〙→〘ラビットレース〙
〘3rdSTAGE〙→〘トイズポーカー〙
〘4thSTAGE〙→〘ラビットタウン〙
〘FINALSTAGE〙→〘CROWNJOKER〙
第3案
〘1stSTAGE〙→〘372分の1ゲーム〙
〘2ndSTAGE〙→〘ラビットレース〙
〘3rdSTAGE〙→〘CrapsAbility〙
〘4thSTAGE〙→〘ラビットハント〙
〘FINALSTAGE〙→〘CROWNJOKER〙
第4案
〘1stSTAGE〙→〘372分の1ゲーム〙
〘2ndSTAGE〙→〘ラビットレース〙
〘3rdSTAGE〙→〘ルーレットダイス〙
〘4thSTAGE〙→〘ポーカーラビット〙
〘FINALSTAGE〙→〘CROWNJOKER〙
第5案
〘1stSTAGE〙→〘372分の1ゲーム〙
〘2ndSTAGE〙→〘ラビットレース〙
〘3rdSTAGE〙→〘ラビットマシン〙
〘4thSTAGE〙→〘モンスターラビット〙
〘FINALSTAGE〙→〘CROWNJOKER〙
第6案
〘1stSTAGE〙→〘372分の1ゲーム〙
〘2ndSTAGE〙→〘ラビットレース〙
〘3rdSTAGE〙→〘ショットガンルーレット〙
〘4thSTAGE〙→〘Seoulchange〙
〘FINALSTAGE〙→〘CROWNJOKER〙
第7案
〘1stSTAGE〙→〘372分の1ゲーム〙
〘2ndSTAGE〙→〘ラビットレース〙
〘3rdSTAGE〙→〘カプセルポーカー〙
〘4thSTAGE〙→〘ラビットショット〙
〘FINALSTAGE〙→〘CROWNJOKER〙
第8案
〘1stSTAGE〙→〘372分の1ゲーム〙
〘2ndSTAGE〙→〘ラビットレース〙
〘3rdSTAGE〙→〘ポーカーシップ〙
〘4thSTAGE〙→〘レールガンラビット〙
〘FINALSTAGE〙→〘CROWNJOKER〙
第9案
〘1stSTAGE〙→〘372分の1ゲーム〙
〘2ndSTAGE〙→〘ラビットレース〙
〘3rdSTAGE〙→〘CrapsAbility〙
〘4thSTAGE〙→〘ポーカーラビット〙
〘FINALSTAGE〙→〘CROWNJOKER〙
とりあえず…1stSTAGEと2ndSTAGEとFINALSTAGEのゲーム内容は固定で3rdSTAGEと4thSTAGEを何にするか検討中。
CROWNJOKER
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