ピュア

 都会で、あなたたちは泣いていて、まるで、雨が降っているみたい。破裂して、わたしのそんざいを、認知させて、ばらばらになっても、かけらは生々しく、だれかの記憶にすりこんでしまおう。動物園で、ひとり、ホワイトタイガーの檻のまえで、恋をしているように、ながめていた。ぼんやりと、平らかな意識のままで、にんげんを愛することを放棄して、でも、きみは、わたしを責めないでいて。あやしいこどもたちが、おとなたちを監視している、社会システム、ゆるされない行為を、罰する、容赦ないの。純粋で、無垢だから。情け、という言葉を、まだ、しらないよ。

(ねえ)

 想うに、ギガノトサウルスが現代にいたとして、にんげんを捕食するかどうかは、じっさいに、いてみないとわからないのだし。ホワイトタイガーと対面して、目が合って、どきどきするのだって、個人的趣味嗜好性癖として、きみだけはうけいれてくれていいよ。わたしが、わたしであるために。

ピュア

ピュア

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-05-21

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted