浮浪者
どうして憂鬱はむず痒く膨れて、剥がれ難いのでしょうか。さながら悪性の感染症のように、膿み続ける一方だ。蠅もたかれば、蛆も湧く。人々は去って孤独に取り残されたまま、死とじっと見つめ合う。僅かな衣類の残骸のみを纏い、横たわりながら。敗北とは勝負の席に立つ権利すらなかったことに、後になって気がつくことだ。死すべき時に死ねる者を羨ましく思い、蟻に喰われながら自分というものが無くなっていくのを感じた。
浮浪者
どうして憂鬱はむず痒く膨れて、剥がれ難いのでしょうか。さながら悪性の感染症のように、膿み続ける一方だ。蠅もたかれば、蛆も湧く。人々は去って孤独に取り残されたまま、死とじっと見つめ合う。僅かな衣類の残骸のみを纏い、横たわりながら。敗北とは勝負の席に立つ権利すらなかったことに、後になって気がつくことだ。死すべき時に死ねる者を羨ましく思い、蟻に喰われながら自分というものが無くなっていくのを感じた。
浮浪者