追憶

私が手にした安寧は

思い描いていた安寧ではなかった。

だから私はそれを手放した、けれど

それは私を追いかける、私を

執拗に苛む。

それは何かの墓場だった、私は

そのことを忘れていた、そのことを

忘れないために生きていたのに

あらゆる苦しみの中で

その苦しみだけが

私を幸福にした、私を

この上なく愚かにした。

追憶

追憶

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-05-13

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