(ぐちゃっ)
せんせい。
狂おしいほど、だれかを、好きになったあとの、すべてがおわったときの、喪失感と、ひとつの星の終焉は、きっと似ている。ヒステリックに叫ぶばかりだった、あのひとたち。近未来的で、無機質だった。街。解放された、動物園のどうぶつたち。行き場をなくして、かわいそうで、えらいひとたちはいったい、なにを考えているのだろうと思いながら、ぼく、という人格肯定のために、犠牲になる。なにか。
あの放課後の、教室でのことを、ぼくは一生、忘れないかもしれないし、そのうちあっけなく、忘れてしまうかもしれない。ガラスのむこうの、しあわせそうなひとびと。大量生産されている、六枚切りの食パンいちまいが、感動するほどに美味しいと感じた日。
(あのね)
一頭のライオンが、ドラッグストアのまえでくつろいでいて、あくびをしていた。そのままにしてあげたかったのに、警察のひとがきて、どこかへつれていかれて、あーあ、となった。おすのライオン。あのたてがみに、いつか、ふれたいよね。
(ぐちゃっ)