君の瞳の中のグレー

君の瞳の中のグレー

こねこね・・・こねて・・・

こねこね・・・こねて・・・

両の掌で

両の手の暖かさ、

冷たさ、

そういったもので

解れゆく物体。



お風呂に消える前に

「早くね・・・」と、あの人。



少し熱めの湯に身体を沈める。


ジャグジーのボタンを押す。


少し大きめのお風呂

寛ぐ姿勢では身体全部が沈みこんでしまう。



浴槽の中の照明のスイッチも入れてみた。


私の足が

赤い水やら

青い水やら

オレンジに塗り替えられて。




背中から脇腹にかけて

心地よい泡達が遊ぶ。


早くね・・・の希望の時間より少しオーバーして(多分)

タオルを巻いて浴室から出る。


先程まで仲良く並んで座ってたソファーから移動して


腰にタオルだけの

頭にはしっかりキャップを被って


両腕を頭の下に入れて


あの人がベットに寝そべっている。



煙草を一本吸おうと思ってテーブルに向かったけど


私はあの人の横に向かう。



あの人を見下ろす位置につく。


無防備な胸元。




言葉も交わさず・・・



まずは舌が何かの生き物のように


私自身が「舌」だけになって。


・・・彼を味わう・・・


・・・跨って・・・


・・・いろんなとこ・・・


何故にこんなにも溢れるんだろう、唾液。


私は「舌」と「唇」(二枚の)ものになる。


唇で柔らかく

唇で少し強く


あの人を感じる。


あの人も感じる。




遠くであの人の声を聞きながら



二本の腕と唇と・・・

私の声も合わさって。


あの人の邪魔なタオルが落ちて


あの人の


ソレを首筋に感じて


臍の周りを舐めながら



ヴァイオリンのようにソレを首筋に挟んで・・・




「気持ちいいけど、何やってんの・・・?」


「はさんでんの、首に」


やっと二人が会話する。


すぐに「舌」と「唇」に戻った私は


彼がよじって

身をよじった

そこに遊びに行く。



私だけかな。

私だけだろうか。



こんなにも。



最後の急所かな。


吸い付いて、、、KISS

舐めあげて、、、KISS


少しのBGMはエロティックに私を、あの人を。

君の瞳の中のグレー

君の瞳の中のグレー

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 成人向け
更新日
登録日
2012-12-17

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