罪と罰

半分溶けかかった鍵を握りしめて
扉の前で立ち竦んでも
もう取り返しはつかない
一度ついた嘘は綺麗に消えずに
自分の胸まで抉るから
歪な傷痕をなぞったら
真っ赤な舌が覗いて私を嘲笑う
全てはそう手遅れだと
誰もお前に見向きもしない
鍵は完全に溶け二度とは
元に戻らない
それが罪で受ける罰

罪と罰

罪と罰

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-05-10

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