寂宵

 青ざめた黄昏に老犬が吠える。炎に焼かれた大地を白銀の闇が唸りを上げて飲み込むと、諸行無常の諦観が襲ってくる。オーロラを撫でる王女の涙は流星を象り、あらゆる物質を破滅させる。絶望的な景色を彩る悲鳴こそが音楽であると嘯く詩人も世を去った後の何も無い空白で、君は微笑み、僕は佇む。

寂宵

寂宵

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-05-08

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