置き忘れ

無駄なものだと悟ったら
背中のこれもただの荷物にすぎない事
真っ白に眩く輝くはずのこれは
今の僕には重荷なだけなら
いっそ削ぎ落として
ここに忘れて行こう
頼りない足取り
背中に走る激痛に耐えながら
藻掻きながら
あの澄んだ湖まで這って行こう
湖底には
いつか君が流した美しい涙が真珠となり
静かに僕を待っている

置き忘れ

置き忘れ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-05-03

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