散文・メッセージ録 I
死神講師
死神講師はウケ狙い。みんな知ってて笑ってる。現代社会の闇科目。モラトリアムは嘔吐して窓から逃げ出した。死神講師は生について雑談する。ノーネクタイのインテリジェンス。私は吐きそうになりながら笑ってる。裏アカで溜めたヘイトを飲み込んで。若者若者五月蝿い午後だ。もう既に腐りそう。
グラスの底
ジンクスの通り全て起こった世界はオレンジの香りがしていた。レモンの輪切りを蜂蜜と月明かりにつけこむ。ここはカクテルの中なのに、炭酸の音とささやかな人の声がする。私は氷に隠れて眠っている。かいてんする朝、日差しからレモンイエローが入り込むグラスの中。私は砂糖づけのフルーツとお喋り。
ラストオーダー
シンデレラも帰った居酒屋で
僕は割れたガラスの靴を片す
捜索願
骸みたいな街を出て
花を探して帰らぬヒトたち
考古学
王都が沈んだウィスキー
歴史家が酔い潰れて溺れてる
体温計
言葉の温度を計る
記録を続けてグラフはガタガタ
手作り
砂糖のコーティング
背徳はかくしあじ
タイムマシン
タイムリープした先にて
先ずは辞書を引くこと
創作
鮮度と熟成が同時に必要
八百屋
にんじんマスカレード
恋愛モノ
四次元片想いの告白日和
独立記念
アクアパッツァ解放宣言
異論
バグとメタが詩人たちを強くした
空欄
答え探しはもうやめた
仮面
果てのなく幻
実在の見る夢
算数
かけるかける数字の向こう
カーナビ
50km先を右に左折です。
掲示板
某月某日、人類史の折り返し地点
受賞歴
トロフィーに魂入れて
誇らしげに生きている
舞台
スポットライト浴びて破滅を魅せる
SNS
みんなやめてくSNS
それがさいごのSOS
散文・メッセージ録 I