sound sleep

あおい はる

 愛していたのは、あなたたちでしたか。(いいえ)凍てつく春をとかす、温暖動物。ずっと真夜中の都市で、空の金星だけが、すべてをしっているみたいにかがやいている。ドーナツを、むしゃむしゃ食べながら。空虚。きみのからだのなか、からっぽになって、せめて、綿だけでも詰めてあげたかった。
(祈りをきけ)
 海底より。うつくしい、だれかの歌声。ああ、あれは、おかあさんですと、きみは云い、わたしはかなぐりすてた、過去の恋、ひとつひとつをひろいあげ、あらためてこなごなにくだく、という、むなしい作業をしていて、なんでもいいから、とにかく、もふもふの、究極的にやわらかくて、あたたかい毛布で、星ごとくるんでほしいと思った。
 それで、眠ろうね。

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わたしはいつも、好きなものを好きなように書いているけれど、それを、好きだ、と思ってくれる、わたし以外のひとがいることは、やっぱり、とてもうれしい。

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-04-21

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