WARP

これはもう何時メモ帳に、こういうの書きたいって書いたのか覚えていません。

浦和駅から赤羽駅までは、高崎線とか上野東京ラインとかを使えば、一駅なんですね。最近知ったんですけど。いかんせん田舎者だからそう言うのを知らなかったんです。長い間。ホント長い間。それまで赤羽から先に用事がある時は、ずっと京浜東北線とか、埼京線でそこまで行ってたんです。今考えるとホント愚かだったなあって思います。まあ、こう思えるだけよかったかなとも思いますが。

んで、一駅で行けるという事の利点は、まず早い事。あと各駅で停まった際のトラブル発生率が減る事。例えば急病人とか。そういうの。それから一駅ごとに停まると、もしかしたらどこかで心が折れる可能性があるんじゃないかなって私は、私なんかは思うんです。私はそうでした。

慢性的に人混みが苦手です。人混みが苦手な私です。だから一駅ごとに停まると、その停まってる時に考えちゃうんですね。
「これは、いったい私は何をしているんだろう?」
みたいな。

それで、行きたくなくなる。みたいな。私は実際に問題に向かっている時はあまりそういうことを考えないタイプで、それ以外の部分でその事を思い出すタイプなんでしょうね。多分。

だから、この浦和赤羽間が一駅という事実を発見した時は驚きました。画期的だなって思いました。本当に目から鱗で。うん。感動した。

まあ、でも、それでも慣れてくるとね。人間って慣れてくるとね。

「それでもしんどい時はしんどいなあ」
って思うようになるんですね。一駅でも。たった一駅、十分程度でも。雨の日に満員であったりとか、ダイヤが乱れてパンパンの時とかさ。まあ、少なからずあるじゃないですかそういう時って。

んで、そんな時、星乃珈琲店に行きます。赤羽にも浦和にもあるんですよ。星乃珈琲店。

赤羽駅はBivioに、浦和駅は伊勢丹とCORSOの間の通路を抜けた先に。

あるんです。星乃珈琲店。で、そこでコーヒーでも飲みながら、ちょっと落ち着けるわけです。自分を。ソシャゲとかはしてないですが、幸いにしてメモ帳とペンさえあればそれなりに、
「今日のこれはどうしよう」
とか、
「星空文庫を早く100個にしたい」
とか、
「今度の破滅派の合評会どうしよう」
とか、そう言うのを考えて、時間を過ごせるタイプなんでね。

そんな中で、ふと、ふとね、考えた、思いついたんです。思ったんです。

「浦和の星乃珈琲店と赤羽の星乃珈琲店がWARP装置でつながってたらなあ」
って。

そしたら、凄く良いなって。すごく、すごく良いなって。

だから、家に帰ってから、ネットで星乃珈琲店って調べて、で、ホームページのお問い合わせフォームに、
「赤羽Bivioの星乃珈琲店と浦和の伊勢CORの先の星乃珈琲店ってWARP装置で行き来できませんか?」
って書いたんですよ。

そしたら、
「できます」
って返ってきました。

え?

ってなりました。

え?あ?って。

あと、あ、でも秘密ですよって書いてました。

秘密なんだって。だから、これを読んでる人も誰にも言わないでほしい。

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  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-04-15

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