ルーカス
親友の裏切り
「はぁはぁ、、、」
ある少年の荒い吐息が静かに響く森の中、それをかき消すように木々の音がこだまのように擦れ合う。その中にいる1人の少年は、親友の殺人現場を目撃してしまい、濡れ衣を着させられてしまった可哀想な子、、、。リアは、ルアーヌ公国の平民として育った哀れで見窄らしく、気の弱い性格の男の子だった。ゆういつと言っても過言ではない、貴族の伯爵家の息子、サイととても仲が良くお互い信頼し合った関係を築いてたはずなのだが、根はいい子なのだが、怒ると手をつけられなくなるほどの気象の荒い子で後継問題で自分が弟に負けたことがショックで、ギャンブルや酒に溺れてしまったのだ。そこまでは、まだ良いのだが、酒が入ってギャンブルに負けてむしゃくしゃしていたサイが、お忍びで来ていたルアーヌ公国の姫、モナカ姫と肩がぶつかり姫がそれに怒っていると苛立ったサイがカッとなって姫を剣で一刺ししてしまったのだ。その光景をちょうど見てしまったリアは濡れ衣を着させられてしまったのだ。処刑はギリギリ免れたものの、国外通報になってしまい、大好きだった両親と永遠に会えなくなってしまったのだ。、、、そして今に至る。
ここは、ルアーヌ公国の隣の国、サバァラリ帝国の国境に位置する森、スタッティの森だ。ここの森はずいぶん有名で魔物が多いい森であり、ここから出られたものはいないという噂の森だ。
最初こそは、心が折れてしまったリアは立ち直れずに森の入り口付近で縮こまっていたのだが、人間の匂いに気付いたのか、魔物が寄ってきてしまったのだ。
ルーカス