唇が震える
静寂を守れ
監獄の炎はまだ
濡れた髪に土が覆う
雨は降らない
炎が天を突く そのとき
人魚は地を這いずる
濡れた髪に土が覆う
雨は降らない
空に散る火が海を生み出す
赤は海になる
人魚は炎にあぶられる
耐えて
耐えて
いつか
共鳴するには
クジラの話が聞きたくて
肝臓が煮え切ろうと
美味しい水を欲しがって
空になった監獄で
しばしの空腹を思うとき
鉄の足枷がおもりをかける
炎が揺れるとき 天井
ふっ
と
ああ 合図だ
耳鳴りがこだまする
身が鳥肌を立たせる
ここに
行く
乾いた唇を再び
震わせる
唇が震える