色めきて/桜幻想短歌(2022/04/02)
世の憂さを離れて、花真っ盛りの今宵一夜、こんな気分に浸りたや。
花の身をば 枝垂れ揺らせて色めかせ
あげくの果てに散らす春風
あな憎や そなたはまるで春の風
袖すりぬけて ほかの花へと
我を恋うか なら裏切らぬその旨を
色紙に詠みて この桜木に
彼の人は 朧の月の桜影
我を誘いて帯を解かしぬ
花の袖に 包まれ甘き春の宵
見上げる人の瞳妖しき
朝露と消えにしひとの面影を
偲ぶ今宵のこの紅枝垂れ
知るやきみ 花の盛りのこの身にも
褪せる色香に飽く日の来るを
今はただ 恋し愛せよこの身と心
一夜限りの朧の夢を
☆ 人はただ、恋し愛し合う存在だけではないのが口惜しいし、
悲しいですね。それでは、今夜も盛りの桜月夜、良い夢を。(いずみ)
色めきて/桜幻想短歌(2022/04/02)