猫の神秘
家で猫を飼っていた。
飼っていたというのはこっちの勝手な解釈で、猫にしてみれば、家にいてやるという感じではないだろうか。「猫は家につく」と言うが、異論をはさむ学者もいる。
猫が外に出ると一変する事がある。人間みたいに視覚が優先しないのだろう。飼い主に会っても知らんぷりどころか、逃げられてしまう。人間の感覚で猫を見ても駄目なのだろう。
よその猫なら尚更だ。極、稀になついてくるのがいるが。空き地で猫を発見する。こっちは追跡する。
当然、向こうは気づく。ちょっと近寄る。むこうは振り向きざまにこちらを見て、ちょっと逃げる。それを何回か繰り返す。
猫は走って遠くに逃げるか、車の下に隠れる。車の下に隠れた場合、私は、すかさず下を覗く。
すると、さっき隠れた筈の猫がいないのだ。覗く一瞬の隙に逃げたのか?どうも歩に落ちない。
これは怪奇現象だ。こういったことは、一回だけではない。猫にはミステリアスな点が多分にある。
猫の神秘