猫の神秘

猫の神秘

家で猫を飼っていた。

 飼っていたというのはこっちの勝手な解釈で、猫にしてみれば、家にいてやるという感じではないだろうか。「猫は家につく」と言うが、異論をはさむ学者もいる。

 猫が外に出ると一変する事がある。人間みたいに視覚が優先しないのだろう。飼い主に会っても知らんぷりどころか、逃げられてしまう。人間の感覚で猫を見ても駄目なのだろう。

 よその猫なら尚更だ。極、稀になついてくるのがいるが。空き地で猫を発見する。こっちは追跡する。

 当然、向こうは気づく。ちょっと近寄る。むこうは振り向きざまにこちらを見て、ちょっと逃げる。それを何回か繰り返す。

  猫は走って遠くに逃げるか、車の下に隠れる。車の下に隠れた場合、私は、すかさず下を覗く。

 すると、さっき隠れた筈の猫がいないのだ。覗く一瞬の隙に逃げたのか?どうも歩に落ちない。

 これは怪奇現象だ。こういったことは、一回だけではない。猫にはミステリアスな点が多分にある。

猫の神秘

猫の神秘

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-12-14

Public Domain
自由に複製、改変・翻案、配布することが出来ます。

Public Domain